用語

2019/08/22

貿易事務の現場でよく使う!知っておきたい基本の「貿易用語」とその略語

貿易事務の現場でよく使う!知っておきたい基本の「貿易用語」とその略語

英語を使った専門事務職として人気のある「貿易事務」のお仕事。

「貿易実務で使う専門用語の理解」や「国際物流や書類に関する知識」が求められるため、慣れないうちは専門用語の多さに圧倒されてしまうかもしれません。

今回は、貿易事務初心者の方に知っておいてほしい、貿易書類に関する基本的な用語や、貿易・物流関連の専門用語、お金に関する用語など、実際の現場でよく使われる用語・略語をご紹介します。

目次
「貿易書類」に関する専門用語
「貿易・物流」に関する専門用語
「お金」に関する専門用語
略語も一緒に覚えて、業務効率をアップさせよう!

「貿易書類」に関する専門用語

信用状:Letter of Credit, L/C

信用状(L/C)は貿易特有の決済に利用されているもので、銀行が輸入者の代わりに商品代金の支払いを保証する書類です。売主(輸出者)と買主(輸入者)のリスクを回避する方法として、長年国際間の貿易取引において利用されています。

※関連記事:『信用状(L/C)の役割を知っていますか?』『「信用状(L/C)」取引における輸出入者と銀行の関係を理解しよう

船荷証券:Bill of Lading, B/L

船荷証券(B/L)は船会社が発行する書類で、簡単に表現するならば「貨物の引換証」です。この船荷証券は、貨物の受取証や運送契約書、有価証券としての機能も持つため、貿易事務が取り扱う書類の中で最も重要な書類と言えます。貿易取引において「貨物の引換証」とは、「その貨物の所有者になる権利」の証明。そのため、船荷証券は「お金」と交換されるとても重要な書類なのです。

※関連記事:『船荷証券(B/L)の記載内容はじっくり確認!』『船荷証券(B/L)と荷渡し指図書(D/O)の関係

発注書(注文書):Purchase Order, P/O

輸入者が、輸出者に発注するときに作成する注文書です。一般的に「誰が」「誰に」「どんな条件で」「どこから」「どこに」「いくらの」「何(商品)を」「いくつ」購入したいかという情報が記載されています。

インボイス(送り状):Invoice, I/V

輸出者が商品を発送するときに必ず作成するもので、輸出入どちらの通関時にも提出が必要な書類です。発注書(P/O)と対になる書類であり、発注書と同様に「誰が」「誰に」「どんな条件で」「どこから」「どこに」「いくらの」「何(商品)を」「いくつ」輸出するかという情報が、記載されています。なお、インボイスは、このような明細書という役割のほか、請求書、納品書の役割も兼ねています。

※関連記事:『明細書と納品書と請求書を兼ねる!?インボイス

パッキングリスト:Packing List, P/L

パッキングリストは、輸出貨物の「梱包明細書」です。④のインボイス同様、輸出者が作成する書類で、梱包状態(梱包材)や重量、サイズ、荷印などが記載されています。

※関連記事:『倉庫担当者にもわかりやすく!パッキングリスト』『パッキングリストに記載しておくべきことは?

原産地証明書:Certificate of Origin, C/O

開発途上国との貿易取引において、日本の特恵関税制度を利用するために使われる書類です。輸出者に依頼して発行してもらい、日本の輸入申告の際に提示することで、関税の減免が認められます。

※関連記事:『原産地証明書を入手して関税を0%に

エアウェイビル:Air Waybill, AWB

航空輸送の際に、航空会社(または航空貨物代理店)から発行される航空貨物専用の運送状です。書類には「誰が(どこから)」「誰に(どこに)」「何を」運んでいるのか記載されます。

※関連記事:『マスターエアウェイビルとハウスエアウェイビルの違いは?

「貿易・物流」に関する専門用語

「貿易・物流」に関する専門用語

インコタームズ/貿易条件:Incoterms

貿易取引では、輸出者と輸入者の間で輸送費用負担や、輸送中の事故などのリスクにおける負担範囲に関する「貿易条件」に関する取り決めを行う必要があります。
インコタームズ(Incoterms)とは、国際商業会議所(I.C.C.)が取引条件の解釈を定めた国際規則として、最も使われている世界共通の貿易条件のことで、最新のIncoterms 2010においては、全部で11規則定められています。代表的なものにFOB、CFR、CIFなどがあり、アルファベット3文字で表されるのが特徴です。一般的な取引では、輸出入者の「費用負担の範囲」「危険負担の範囲」をインコタームズによって定めています。

※関連記事:『インコタームズの覚え方 ~略語を理解して覚えよう!~

保税地域

保税地域とは、輸出入の許可が下りるまで貨物が蔵置される特別地域のこと。保税地域は、外国船や飛行機の国際線が発着する港湾や空港の近くに設けられているのが、一般的です。税関による審査や検疫、禁制品のチェックも保税地域内で行われています。

※関連記事:『日本の中にあるのに日本ではない!?「保税地域」のこと

FCL貨物・LCL貨物

船で輸送される貨物の多くがコンテナに詰められた状態で運ばれますが、一社(一荷主)の貨物で一本分のコンテナを満たした貨物をFCL(Full Container Load)、複数社で一本のコンテナを満たした貨物をLCL(Less than Container Load)と呼びます。FCLでの輸送の場合、コンテナ一本の固定料金が課されるのに対し、LCLではコンテナ内を占める容量(体積)や重量で料金が変わってきます。

※関連記事:『「FCL」と「LCL」の違いを説明できますか?

CY(コンテナ・ヤード)・CFS(コンテナ・フレイト・ステーション)

FCL貨物とLCL貨物は、通関や貨物の受け渡しする場所が異なります。FCL貨物は通常、CY(コンテナ・ヤード)という場所で輸出入の通関や貨物の受け渡しが行われ、LCL貨物はCFS(コンテナ・フレイト・ステーション)で、コンテナ詰め、通関や貨物の受け渡しが行われます。なお、CYとCFSは、どちらも保税地域の中にあります。

※関連記事:『「FCL」と「LCL」の違いを説明できますか?

税番:HS Code

輸出入されるすべて物品は各国の税関で通関する際、その素材や使用目的などで分類された番号が割り振られています。貿易の現場では、この番号を「税番」や「HSコード」と呼ぶのが一般的ですが、「輸出入統計品目番号」と呼ばれることもあります。

NACCS(ナックス)

貿易取引には、税関をはじめとする公的機関、運送業者、港湾事業者、金融機関、輸出入企業などさまざまな機関、企業が携わっていますが、これらを相互でつなぐ電子情報通信システムがあり、このシステムを使って手続きや管理が行われています。このシステムを「NACCS(Nippon Automated Cargo and Port Consolidated System)」と言います。

「お金」に関する専門用語

「お金」に関する専門用語

L/C決済(信用状付荷為替手形決済)

信用状(L/C)を用いた取引では、輸出入者の決済にそれぞれの取引銀行が間に入り、船積書類(B/L、インボイスなど)の受け渡しが銀行経由で行われます。
輸入者から輸出者への代金支払いは、輸入者が為替手形や船積書類を直接確認して行うのではなく、輸入地銀行(信用状発行銀行)が確認して行います。

*なお、為替手形に船積書類を添付したものを「荷為替手形」と言います。

※関連記事:『貿易取引における商品代金の決済方法をまとめてみました』『「信用状(L/C)」取引における輸出入者と銀行の関係を理解しよう

D/P決済・D/A決済(信用状なし荷為替手形決済)

銀行経由で船積書類、為替手形を受け渡して行う決済方法には、信用状を使わずに行う方法もあります。D/P(手形支払時書類渡し:Documents against Payment)、D/A(手形引受時書類渡し:Documents against Acceptance)はいずれも、輸入地で輸入者が書類、為替手形を確認して行う決済方法です。それぞれD/P決済は、輸入者が支払わなければ船積書類を受け取ることができない条件、D/A決済は、輸入者が手形期日までに支払うことを前提として船積書類を受け取る条件です。

※関連記事:『D/P、D/A決済の仕組みを理解しよう』『D/P、D/A決済に潜む、輸出者のリスクを知ろう!

電信送金:Telegraphic Transfer, T/T

銀行口座振込のように、国際間で直接お金を送る(振り込む)ことを、電信送金(T/T)といいます。電信送金での決済は、あらかじめ輸出入者の間で書類の受け渡しと、支払い期限を取り決めて行われます。「貨物の引換証」である船荷証券(B/L)を輸出者が輸入者に送り、輸入者が受け取った後に支払う条件で進められることが一般的です。

※関連記事:『T/T送金って何?貿易取引における送金方法の種類

略語も一緒に覚えて、業務効率をアップさせよう!

ここまで、貿易の現場で頻繁に交わされる貿易用語をご紹介してきましたが、まだ貿易のお仕事に就いて間もない方は、専門用語の多さに驚かれたかもしれません。しかし、今回ご紹介した用語は貿易取引の基本になりますので、関連記事も参考にしながら、貿易用語と意味をひとつずつ理解していってくださいね。

また、本日ご紹介した貿易用語の中には、略語も多くありました。貿易の現場では、メールや貿易書類の中で略語が使われるケースも多数あります。略語を知っていれば、業務効率もアップしますので、ぜひ覚えておきましょう!

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