貿易事務で使う貿易用語の略語をまとめてみました①
今回は、貿易事務のお仕事でよく使う貿易用語の略語について、ご紹介していきます。
貿易事務の現場でよく使われる貿易用語の略語
すでに商社や貿易会社でお仕事をしていらっしゃる方はご存知だと思いますが、貿易取引におけるやりとりでは、貿易用語が略されて使われることが多々あります。
今回は、そのなかでも貿易事務の方が日々取り扱う「貿易書類に関連した略語」を中心にご紹介していきましょう。
ご紹介する略語は以下の通りです。
略語 | 英語 | 日本語 |
---|---|---|
① L/C | Letter of Credit | 信用状 |
② B/L | Bill of Lading | 船荷証券 |
③ I/V | Invoice | インボイス(送り状) |
④ P/L | Packing List | パッキングリスト(梱包明細書) |
⑤ I/P | Insurance Policy | 保険証券 |
⑥ C/O | Certificate of Origin | 原産地証明書 |
⑦ AWB | Air Waybill | エアウェイビル(航空貨物運送状) |
⑧ SWB | Sea Waybill | シーウェイビル(海上運送状) |
⑨ A/N | Arival Notice | アライバルノーティス(貨物到着案内) |
⑩ B/E | Bill of Exchange | 為替手形 |
① L/C【Letter of Credit/信用状】
信用状(L/C)は、貿易特有の決済に利用されているもので、銀行が輸入者に代わって代金の支払いを保証する書類です。輸出者と輸入者のリスクを回避する方法として、長年に渡り国際間で利用されてきたもので、信用状を利用する取引は「信用状取引」とも言われます。
※関連記事:『信用状(L/C)の役割を知っていますか?』『信用状(L/C)取引における輸出入者と銀行の関係を理解しよう』『信用状(L/C)を受け取った輸出者が確認すべきこと(前編)、(後編)』
② B/L【Bill of Lading/船荷証券】
船荷証券(B/L)は簡単にいうと「貨物の引換証」ですが、それ以外にもさまざまな機能を持つため、貿易事務が取り扱う書類の中でも最も重要な書類と言えるでしょう。「貨物の引換証」は、すなわち「その貨物の所有者になる権利」を証明しているものです。つまり貿易取引では「お金」と交換される、重要な書類なのです。なお、①の信用状取引でも、B/Lは重要な役割を担います。
※関連記事:『船荷証券(B/L)の記載内容はじっくり確認!』『すばやく荷物を引き取れるB/Lの「元地回収」の仕組み』
③ I/V【Invoice/インボイス(送り状)】
貿易取引において輸出者が作成する書類で、一般的に「誰が」「誰に」「どんな条件で」「どこから」「どこに」「いくらの」「何(商品)を」「いくつ」、輸出しているかという情報が記載されています。
※関連記事:『【貿易書類】「インボイス」の3つの役割と記載しておくべきこと』
④ P/L【Packing List/パッキングリスト(梱包明細書)】
パッキングリストは、輸出貨物の「梱包明細書」です。インボイス同様、輸出者が作成する書類で、梱包状態(梱包材など)や重量、サイズ、荷印などが記載されています。
※関連記事:『倉庫担当者にもわかりやすく!「パッキングリスト(Packing List)」』『パッキングリストに記載しておくべきことは?』
⑤ I/P【Insurance Policy/保険証券】
保険証券は、貨物保険(貨物海上保険)を申し込んだ申請者(輸出者、または輸入者)に保険会社が発行する書類です。保険の対象となる貿易取引の輸送に関する情報や保険条件、保険金額などが記載されています。
※関連記事:『貨物海上保険を申し込むタイミングはいつ?』『貨物にダメージ発見!保険金請求の流れ』
⑥ C/O【Certificate of Origin/原産地証明書】
原産地証明書は、開発途上国との貿易取引において、日本の特恵関税制度を利用するために使われる書類です。輸出地の取引先で原産地証明書を発行してもらい、日本の輸入申告の際に提示することで、関税の減免が認められます。
※関連記事:『「原産地証明書」を入手して関税を0%に』
⑦ AWB【Air Waybill/エアウェイビル(航空貨物運送状)】
エアウェイビルは、航空輸送の際に航空会社(または航空貨物代理店)から発行される書類です。「誰が(どこから)」「誰に(どこに)」「何を」運んでいるのか記載された航空貨物専用の運送状となります。
※関連記事:『「マスターエアウェイビル」と「ハウスエアウェイビル」の違いは?』
⑧ SWB【Sea Waybill/シーウェイビル(海上運送状)】
シーウェイビルは、海上輸送の際に、輸出地の船会社から発行される運送状です。船荷証券(B/L)と同じような役割を持ちますが、シーウェイビルは「証券(≒お金)」ではなく、書類に記載された荷受人(Consignee)に貨物が引き渡される決まりになっています。(逆にいえば、B/Lは証券なので、転売も可能になります。)
※関連記事:『B/LとSea Waybillの違いを知っていますか?』
⑨ A/N【Arival Notice/アライバルノーティス(貨物到着案内)】
アライバルノーティスは、船が到着する直前に船会社が発行する書類です。
※関連記事:『貨物到着案内(Arrival Notice)は届いたら即チェック!』
⑩ B/E【Bill of Exchange/為替手形】
為替手形は、輸出者が輸入者に対し、代金請求書として発行するものです。信用状取引における決済や、D/PやD/A決済という条件で取引した際に、輸出者が作成します。
※関連記事:『為替手形(Bill of Exchange)に記載すること』
今日は計10個の貿易用語の略語について、ご紹介しましたが、必ずしも「これを使いなさい」というものではありません。
「L/C」や「B/L」は、日常的に略語を使うことも多くありますが、略語は相手がその意味を知っていて、初めて通じるもの。略さずに書いた方が、確実に伝わるという場合もあります。
ただし、海外の取引先が略語を書いてくる場合も多いため、今回ご紹介した略語を覚えておくと、とても便利ですよ。業務で使うものから、是非覚えていってくださいね。