悩み・質問

2016/03/14

貨物にダメージ発見!保険金請求の流れ

こんにちは!貿易女子の円(まどか)です。今回は「貨物保険」の保険金請求のお話をしますね♪

今日3/14はホワイトデー。最近はバレンタインデーだからといって、社内でチョコレートを配るところも減っていると聞きますし、ホワイトデーもないかもしれませんね。ちなみに、海外のバレンタインデーでは男性が女性にプレゼントする日というのは有名な話ですが、ホワイトデーという習慣はないんです。ただ、聞いた話によると韓国は、日本と同じでバレンタインデーとホワイトデーの習慣があるそうです。おもしろいですね〜♪では、今週の「貿易用語」を始めましょう!

(注)今回の内容は「貨物保険(貨物海上保険)の保険条件」について、以前ご説明したことを踏まえて書いています。「貨物保険」という言葉をはじめて聞いた方、聞いたことはあるけど、あまりよくわかっていないという方は、「貨物保険を申し込むタイミングはいつ?」、「貨物海上保険の保険条件を知ろう」と順に読んでいただければ、より理解しやすいかと思います。

「貨物保険」の保険金請求のために

これまで貨物保険について何度かご説明してきましたが、今日は船や飛行機によって運ばれた貨物(商品)に事故や損害が発生したとき、輸入者あるいは輸出者が保険会社に保険求償をするときの一般的な流れをご紹介します。

まず、この貨物保険の保険求償で覚えておいていただきたいのが、保険金請求には貨物の損害が保険期間中に起こったことを証明する必要があるということ。保険会社は損害内容を調査・確認しますので、そのための関係書類の提出も必要になります。通常、商社や貿易会社は、港湾業務や倉庫業務を依頼しているフォワーダーや倉庫業者に協力してもらいながら、保険求償の手続き・請求を行います。

それでは、輸入者と輸出者のどちらが「貨物保険」をかけているか、下のインコタームズと保険契約者の関係表をご覧いただいた上で保険求償の流れを見ていきましょう。

■インコタームズと保険契約者の関係

インコタームズ 保険契約者
EXW 輸入者
FAS 輸入者
FOB 輸入者
FCA 輸入者
CFR 輸入者
CPT 輸入者
インコタームズ 保険契約者
CIF 輸出者
CIP 輸出者
DAP 輸出者
DAT 輸出者
DDP 輸出者

■保険求償の流れ

保険請求の手続きは、原則的に輸入者が行います。輸出者が保険契約者となるCIP、CIF条件などで輸出された貨物に損害があった場合でも、保険金請求者は原則として被保険者である輸入者(Consignee)となります。そのため、保険金請求の手続きは保険契約者の輸出者ではなく、輸入者と現地の保険金請求窓口※とのあいだで行われます。

※一般的に、輸出者が保険契約した保険証券は輸出国で交わされたものですが、輸入地に提携している代理店があることが多く、保険金請求窓口があります。保険請求窓口は、保険証券に記載されています。(以下、保険請求窓口も保険会社と記します。)

① 事故発生・損害発見
運送人・フォワーダーから貨物の事故発生や損害の連絡を受けたとき、もしくは輸入者自身が発見したときは、貨物のダメージ状況の確認(損害数量や程度、損害原因の調査、損害品の写真撮影、正品と損品の数量確認など)を行います。

※この確認作業は、発見者が一番状況を把握しているため、フォワーダーや倉庫業者が発見した場合には現場で対応してもらうよう依頼します。

損害発見時に注意すること
輸入貨物の到着後に損害が発見されたときは、その後の立会調査に備えて、できる限り損傷貨物や梱包材をそのままの状態での保存しておかなければなりません。通常、フォワーダーや倉庫業者は、輸入者の指示なしに現状の損害状況を自己判断で片付けてしまう…ということはないのですが、念のため、輸入者は貨物損害の連絡を受けた際に、できるだけその状態を維持し、写真を撮ってもらうなど依頼しておきましょう。(「液体や粉末がこぼれ、他社の貨物にまで被害が出る」など、どうしてもその状況を止める必要がある場合は、写真を撮ってもらうなど状況証拠を残してもらうようにしましょう。)

② フォワーダーへの通知・書類の準備
輸入者はフォワーダーに対して、貨物受け渡し関係書類(デバンニングレポート、入庫報告書など)にリマーク(Remark)の取り付けを依頼します。
その他、保険証券の番号、貨物名、数量、船名、損害の状況や原因、損害見込み額、貨物の置かれている場所、損害貨物の処置など、保険会社への申請において必要となる情報をまとめ、提出する書類を準備します。(詳しくは契約している保険会社にご確認ください。)

③ 保険会社への事故通知
保険会社は上記報告をもとに対応の方針を協議し、事実関係の調査をすすめ最終的な保険金支払いの可否、金額などを判断します。

④ 運送人への事故通知
船会社や航空会社等の運送人、またはその代理店に事故通知を行います。事故の通知はまず電話など口頭で行い、その後できるだけ早くクレーム通知(Claim Notice)を提出し、運送人の回答状を取り付けておく必要があります。

※輸入者の代わりにフォワーダーが行うこともあります。

⑤ サーベイ対応/立会調査
一般的に、損害額が20万円を超えると予想される場合は、保険会社よりサーベイヤーと呼ばれる検査員・鑑定人が派遣されます。サーベイヤーは事故現場等の立会調査を行い、事故の原因および損害額の妥当性などを確認します。

※輸入者は、サーベイの実施に協力する必要があります。

⑥ ノーサーベイ対応
損害が小さい場合や損害原因が明確な場合にはサーベイヤーの立会いが省略され、輸入者またはフォワーダー・倉庫業者などの事故現認書、損害品の写真、リマークのある受け渡し関係書類などで損害を立証することになります。

⑦ 保険金の受け取り
保険会社で協議され損害額が決まったら、保険会社から支払い通知が送られます。その後、保険金が指定の銀行口座に振り込まれます。

保険会社は被保険者の代わりに運送人に責任追及をすることもある

輸入者における貨物保険の保険金請求の流れは、ひと通り掴んでいただけたかと思うのですが、実は保険会社の役割には続きがあります。

保険会社は輸入者へ保険金を支払ったあと、船会社・航空会社等の運送人に対して損害賠償を請求できると判断した場合には、輸入者に代わって運送人に求償を行います(代位求償といいます)。その実施のため、輸入者は保険会社の「運送人に対する賠償請求権権利移転書(Subrogation Form)」に署名を求められます。書類の受領と同時に賠償請求権が移転し、保険会社は運送人に対して交渉を開始するのです。

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