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2015/08/03

「サレンダードB/L」とは?「元地回収」の仕組みや通常との違いを解説!

B/L(Bill of Lading/ビーエル/船荷証券)とは、輸出地の船会社が発行し、輸出者から輸入者へと譲渡(所有権が移転)され、輸入者が貨物を引き取るときに輸入地の船会社に提示しなければならない書類です。

では、このB/Lを待たずに、貨物の引取りができる場合があるのをご存知ですか?それが、「サレンダード(元地回収)B/L」です。そこで今回は、「サレンダードB/L」の仕組みや通常のB/Lのやり取りとの違いについてご紹介します。

目次
本来、貨物を引き取るときにはB/Lの原本が必要
「サレンダード(元地回収)B/L」の特徴と仕組み
「サレンダード(元地回収)B/L」のメリットと留意点

本来、貨物を引き取るときにはB/Lの原本が必要

B/Lは、有価証券の性質を持つことから、“原本(オリジナルB/Lと言います)”を取り扱うことが重要で、オリジナルB/Lを使用することを前提とした取引が基本になります。

今もなお、その基本に変わりはありませんが、近年、コンテナ船が高速化したことで、貨物は輸入地に到着しているのにオリジナルB/Lが届かず、貨物を引き取れないという事態が発生するようになりました。

こうした現状を打破するために、「サレンダードB/L」を取り扱う取引も増えてきました。

「サレンダードB/L」とは、“元地(もとち:船積地の意)で回収された(=surrendered)B/L”という意味で、輸出者はオリジナルB/Lを譲渡しなくても、輸入者が貨物を引き取れるように船会社に依頼したB/Lを指します。

「サレンダード(元地回収)B/L」の特徴と仕組み

「サレンダードB/L」は、輸入実務的に言えばオリジナルB/Lとは異なり、メールやFAXで書類を受け取っても輸入者は貨物が引き取れることが最大の特徴。結果として、船の到着後、すばやく貨物を引き取ることができます。

オリジナルB/Lを輸入者へ送付するとなると輸送に数日かかりますが、メールやFAXなら瞬時に送ることが可能ですよね。大幅に時間が短縮できるため、航海日数が短いアジア圏内での取引や、長年の取引で信頼関係を築いた会社との間で活用されています。

それでは、通常のB/L(オリジナルB/L)と、「サレンダードB/L」の流れの違いを、下の図とともに見ていきましょう。

*船会社代理店、輸出入者のフォワーダーは省略します。
*いずれも「信用状(L/C)」を使用しない貿易取引での流れのケースです。

B/Lは通常、船積地で輸出者が本船に貨物を積み込むと、船会社から発行されます(①)。このオリジナルB/Lで取引する場合は赤枠の流れになりますが、「サレンダードB/L」にする場合は、輸出者が発行されたオリジナルB/L全通に白地裏書きを行い、船積地(元地)の船会社に回収を依頼するのです(②)。

そして、元地回収の依頼を受けた船会社は、発行されたオリジナルB/Lすべてに“Surrendered”の印を押し*、輸出者はFirst Original(原本1通目)のコピーを受け取ります(③)。そのコピーを輸入者へメールまたFAXで送付して、貨物の引換証としてもらうのです(④)。

*Telex ReleaseやAccomplishedと表現されている場合もありますが、Surrenderedと同じ意味です。

また、輸出地の船会社はサレンダードB/Lであることを、輸入地の船会社に対してメールなどで連絡し(④)、輸入地の船会社もオリジナルB/Lがなくても貨物の引き渡しを行えるように手続きします。

※関連記事:『「B/L(船荷証券)」を入手する流れを把握しよう!』『「B/L」と「Sea Waybill」の違いを知っていますか?』『「船荷証券(B/L)」と「荷渡し指図書(D/O)」の関係

「サレンダード(元地回収)B/L」のメリットと留意点

「サレンダードB/L」には、輸出者はB/Lの原本送付が不要になり、輸入者にコピーにメールやFAXで送るだけで済むメリットがあります。輸入者も、特にアジア圏内での取引など貨物がすぐに到着する輸入業務において、オリジナルの書類待ちで焦らずに済むといったメリットがあります。

ただし、本来B/Lが持つ性質が変わりますので、以下の点には留意してください。

・元地回収(サレンダード)された時点で、有価証券としてのB/Lの機能は失われ、「信用状(L/C)」取引では用いられません。
・到着地で正しい貨物受取人に貨物を引き渡す必要があるため、船会社は荷受人宛の記名式船荷証券(Straight B/L)以外は取扱いません。
・「サレンダードB/L」という用語は、主に日本とアジア地域との間で行われており、その他の地域では通じない場合があります。

「サレンダードB/L」の特徴や注意点を知って、貿易実務に役立ててくださいね。

 

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