働き方

2019/11/02

貿易事務は忙しいって本当?どんな職場環境や業務内容が多いのか解説します!

著者: パソナ キャリアコーチ(貿易担当)

貿易事務は忙しいって本当?どんな職場環境や業務内容が多いのか解説します!

一般事務から専門性の高い職種へのキャリアチェンジを検討する際、選択肢のひとつとして挙げられることの多い「貿易事務」のお仕事。ですが、「取引先とのやりとりが多くて、貿易事務って何だか忙しそう…」という不安を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで、「貿易事務は実際に忙しいの?」という疑問を解消するため、貿易事務の職場環境や業務内容、身につくスキル、やりがいについてご紹介します。

目次
貿易事務の忙しさは職場環境・業務内容による?まずは、業種・業界による違いを知ろう
貿易事務の業務を通して身につく「英語スキル」とは?
貿易事務の「やりがい」とは?
あなたのスキルやライフスタイルに合った貿易事務のお仕事を探してみよう

貿易事務の忙しさは職場環境・業務内容による?まずは、業種・業界による違いを知ろう

貿易事務は、海外から商品を輸入したり、国内から海外へ商品を輸出したりする際に必要な事務手続きを行うお仕事。貿易関連書類の作成、内容のチェック、英語によるメールのやりとり(コレポン)が主な業務です。

貿易事務と言えば、商社やメーカーでのお仕事を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、貿易取引にはさまざまな業界の会社や機関が携わっており、それぞれの会社で貿易事務のお仕事があります。

業種・業界、または会社の規模や社風、取引先や取扱商品などによって、貿易事務職の職場環境や業務内容が異なるため、今回は3つの業種・業界別にどんなお仕事をしているのか、一般的にどんな職場環境なのかをご紹介します。

商社・メーカー

商社・メーカーは、通常輸出者(売主)または輸入者(買主)、いずれかの立場で貿易取引を行います。

輸出者・輸入者は、貿易取引における“売主・買主”であり、どちらも取引の主役とも言える存在。そのため、貿易事務は海外企業との交渉、商品の受発注、船積書類作成・確認、輸出入通関手配、商品代金決済など、貿易取引の最初から最後まで携わるケースがほとんどです。

一般的に、大手企業になるほど貿易業務は細分化されており、「輸出業務」と「輸入業務」、「海外渉外」、「書類作成業務」など、異なる貿易事務担当者が連携して業務にあたります。

対して、中小の専門商社やメーカーの貿易事務職では、貿易に関わるすべての業務を担当するケースが多いようです。

貿易初心者の方の場合、覚えることが多くて大変というケースもありますが、貿易の一連の流れに携わりたい方は、関わる業務の幅が広いお仕事を探すのもひとつ。

フォワーダー

国際物流のコーディネーターである「フォワーダー」は、商社やメーカーの依頼を受けて、通関など輸出入に関する一連の業務を代行する会社です。

フォワーダーは輸出入者の代理人なので、その業務範囲はとても広いのですが、国際運送の手配、輸出入通関の手続きが主な担当範囲となっています。

フォワーダーの貿易事務職も商社・メーカーと同様、大手になるほど行う社内業務が細分化されています。また、代行業という仕事柄、業務応対のスピードが重視され、他部署との業務連携が取れている場合が多いようです。

船会社・航空貨物代理店

船会社・航空貨物代理店は、自社または関係会社が所有する運搬手段を用いて、輸出入者の貨物を運送している会社です。

国際運送に関わる業務がメインなので、貿易取引全体の流れから見ると業務範囲は限定的ですが、輸出入者・フォワーダーなどの関係各社とやりとりをしながら、運送に必要な手続きを行っています。

船会社・航空貨物代理店の貿易事務職は、対応業務が限定されており、部署間で連携を取りながら業務を進めることが多いようです。窓口の営業時間も決まっているため、残業が少なく、比較的定型のオペレーション業務が多い傾向にあります。

このように貿易事務といっても、大手の総合商社、中小の専門商社、フォワーダー、船会社など、勤務する業界や会社によって、職場環境や業務内容は異なります。

それでも「貿易事務が忙しい」と思われているのは、貿易取引の関係上、厳格な締め切りがあったり、関係各所とのやり取りが多かったりして、忙しいというイメージが強いのかもしれません。

しかし、これまでご紹介してきた通り、全ての職場が忙しいわけではありません。

たとえば、一般的に忙しいと言われている職場は、1人あたりの業務範囲が広かったり、業務量が多かったりするところ。また、貿易経験があるかないかで、最初は覚えることが多く大変と思うこともあるかもしれません。

それでも、段々と業務に慣れることで、処理能力も上がり、その分スキルアップにつながります。また、フォロー体制がしっかりした職場を選ぶという選択肢もあります。

職場環境は入社してみないと分からない場合もありますが、業務内容や部署の人数などを事前に確認しておくことで、その会社の職場環境をイメージしやすくなるはずですよ。

ちなみに、経験者が優遇される傾向にある貿易事務のお仕事ですが、ここ数年はどの業種・業界でも「未経験者OK」の貿易事務の募集をしている会社も増えているようです。

※関連記事:『貿易事務職の仕事内容って?「商社・メーカー系」と「物流・フォワーダー系」との違いについて

貿易事務の業務を通して身につく「英語スキル」とは?

貿易事務の業務を通して身につく「英語スキル」とは?

貿易事務は、海外の企業と英文メールのやり取りをしたり、売買契約書など英語の書類を作成・確認したりすることが多いお仕事。そのため、ある程度の英語力が求められます。

ただ、貿易取引における英語でのやりとりは、「商品を受発注する」「価格や納期を交渉・確認する」「発送・到着をお知らせする」など、定型化された英文を使用することがほとんど。実は、高度な英語スキルが求められる現場ばかりでは無いのです。

貿易取引で使用される貿易用語の知識を持ち、貿易書類やメールに書かれた定型文を理解できれば、問題なく業務を遂行できるでしょう。

未経験から貿易事務のお仕事にチャレンジするとき、TOEIC(R)スコアは600点以上あると有利になると言われていますが、お仕事に就くことができれば、あとはあなたの努力次第。

実務を通して英語の読み書きをしていれば、自然と英語力が鍛えられますし、商談への参加など業務範囲が広がるにつれて、英語力を向上させることができるでしょう。

※関連記事:『貿易事務に転職するなら、どの程度の英語レベルが必要ですか?』『貿易事務の経験を積むことで、どのようなキャリアパスが描ける?

貿易事務の「やりがい」とは

会社によって貿易事務の業務範囲は異なるため、何にやりがいを感じられるかも人それぞれ。

しかし、インターナショナルな貿易取引の最前線に携わることができる点や、国内外問わずさまざまな人と関わりながら貿易取引をサポートできる点に魅力を感じる方が多いようです。「貿易事務職のやりがい」の一例をご紹介しましょう。

トラブルなく取引を終えたときの達成感が大きい

貿易取引は、煩雑な書類手続きが多く、ひとつの取引に関わる時間も長いため、無事に取引を終えたときには大きな達成感を得ることができます。

国際的な視野が広がる、異文化理解が深まる

日々、国際ビジネスの現場に携わっていると、各国の商習慣や文化など「日本との違い」を身近に感じることができます。各国の違いを知ることで、国際的な視野が広がり、異文化についての理解も深まります。

英語力やコミュニケーションスキルを磨くことができる

海外企業とのメールなどでのやりとりは、やはり英語が基本。書類も英文であることがほとんどなので、働きながら英語のスキルアップもできるでしょう。また、取引に関わるさまざまな人の仲介役を担うため、コミュニケーションスキルも身につくはずです。

※関連記事:『貿易事務職は女性にとって働きやすい?将来性やキャリアアップについて』『「貿易事務」ってどんなお仕事?具体的な業務内容と一日の予定

あなたのスキルやライフスタイルに合った貿易事務のお仕事を探してみよう

あなたのスキルやライフスタイルに合った貿易事務のお仕事を探してみよう

これまでのお話のなかで、貿易事務の職場環境や業務内容、やりがいについてイメージしていただけたかと思います。

しかし、仕事の忙しさはその会社の業務フローや人数体制によっても異なるため、これからお仕事を探す方は、今回ご紹介したポイントを参考にして、事前にチェックしておくと良いでしょう。

最後にご紹介したいのは、貿易事務の働き方について。雇用形態や業務範囲に応じて、さまざまな働き方を選べるのも、貿易事務の魅力のひとつです。

未経験からスタートする場合は、貿易事務の一部を担う派遣のアシスタント業務から始めて、転職しながらキャリアアップを図る方法もひとつですし、段階的にステップアップが図れる会社で、貿易事務としての経験を積んでいく方法もあります。

業務の幅が広いと、その分忙しいという面もありますが、貿易取引の一連の流れが良くわかりますし、貿易事務として多くの経験ができるでしょう。

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