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2017/01/19

加工貿易のために設けられた「保税工場」って?役割やメリットを解説

加工貿易のために設けられた「保税工場」って?役割やメリットを解説

皆さんは「保税地域」という貿易用語をご存じですか?「保税地域」とは、これから海外へ輸出する貨物や日本国内へ入ってくる貨物(輸入品)の保管場所のこと。そして、その地域内で加工や組立が行えるのが「保税工場」です。今回は、「保税工場」の役割やメリットについてご紹介します。

目次
保税地域は外国貨物を蔵置するための場所
保税地域内で貨物の加工・組立ができる「保税工場」
加工貿易国から逆加工貿易国へ

保税地域は外国貨物を蔵置するための場所

保税地域とは、関税や消費税がかけられるのを保留されている “特別な場所(地域)” のこと。

通常は、外国貨物船や飛行機の国際線が到着する港や空港の近くにあります。貿易取引で輸出入する貨物が港や空港に輸送されたあと、税関の輸出許可・輸入許可が下りるまで、一時的にこの保税地域に蔵置(保管)されます。

保税地域内で加工・組立ができる「保税工場」

また、保税地域には一時的に貨物を蔵置する蔵置場だけでなく、貨物の加工や組立、さらに製造まで行える場所があります。それが、保税工場です。

保税工場は、民間企業が所有する工場や作業場などを、税関長が保税地域として許可した場所を指しますが、多くは貨物船が到着する港の近くに設けられています。

保税工場を所有しているのは、「加工貿易」を行うメーカーや商社など。ちなみに加工貿易とは、海外から資材を仕入れ、工場で製品化してから再び海外に輸出する貿易の形態を指します。

たとえば、ある企業が製品を作るためにインドネシアとアメリカからの資材が必要であった場合、それぞれを日本国内の工場に搬入すると、どちらの資材も輸入品となるため、両方に関税や消費税を支払わなければなりません。

ですが、保税工場で加工や組立を行えば、関税や消費税を支払うことなく製品に仕上げることできるのです。つまり、製造後そのまま外国へ輸出する製品であれば、企業にとっては時間短縮の意味でも、コスト削減の意味でも、大きなメリットがあるのです。

ちなみに、日本では保税工場に貨物をおいておける期間は原則として3ヶ月。延長が承認された場合は、2年まで保管しておく(加工・製造する)ことが可能です。

加工貿易国から逆加工貿易国へ

かつての日本は、原料を仕入れて国内で製造・加工し、海外への輸出販売を行う(加工貿易を行う)輸出大国であったため、このような仕組みが整えられ、活用されてきました。

しかし、日本はここ数十年で加工貿易国から逆加工貿易国へと変化しています。昔に比べれば、国内の保税工場の活躍の場は小さくなっていますが、世界各国の港にある保税工場を利用して、貿易取引を行うケースも増えています。貿易事務のお仕事に携わっている方は、ぜひ知識として覚えておいてくださいね。

 

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参考サイト:

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