貿易事務の将来性は?今後の需要やキャリアプラン、なくなると言われる理由を解説
貿易事務のお仕事の将来性について気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、貿易事務の現在の需要と将来性、貿易事務で働くことで磨くことのできるスキル、キャリアパスについて詳しく解説していきます。
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貿易事務とは?
貿易事務とは、商品の輸出入(海外との取引)の際に必要な事務手続きを行うお仕事です。
具体的な業務としては、貿易取引で交わされる書類作成やその確認作業、英語によるメールでのやりとり(コレポン)、輸送・通関手配などがあり、貿易取引に関するさまざまな知識が身につきます。
貿易事務というと、商社やメーカーなど、取引における売主・買主側のお仕事を思い浮かべるかもしれません。しかしそれ以外にも、国際物流のコーディネーターとして国際運送手配・通関業務を行うフォワーダー(通関業者・海貨業者)や、船会社、航空会社(または専門代理店)など、貿易取引に携わる会社にも貿易事務のお仕事があります。
業界や会社、部署、担当するクライアントによって、お仕事の内容や量、求められる業務レベルはさまざまですが、貿易特有の用語や取引における「モノ(商品)・カネ(代金)・カミ(書類)」の流れは変わりません。
専門知識や実務スキルが求められ、派遣における貿易事務の時給は一般事務よりも高めに設定されています。実務経験を積むことで、給与アップも目指せます。
※関連ページ:貿易を学ぶ | パソナ
貿易事務のニーズは現在どのくらいあるの?
日本の貿易市場は1980年と比べて約2.2倍に成長し、2020年の貿易総額(輸出・輸入)は世界4位。
年間で、国家予算を上回る約136兆円もの取引が行われています。
昨今は、インターネットやSNSを利用して世界的に自社製品の魅力を発信できますし、海外のバイヤーとオンラインで直接交渉して輸出入ができる時代です。今後も貿易取引はますます増え続けるでしょうし、貿易事務のニーズも見込めるでしょう。
貿易事務の将来性
AIの台頭により貿易事務の仕事がなくなるのでは?と不安に思っている方もいるのではないでしょうか。今後は書類作成などの定型業務は徐々に減っていくことが予想されます。
しかし、貿易事務のお仕事には調整業務など、AIに置き換えることのできない業務が数多くあります。将来的にはAIに定型業務の一部を任せ、人間にしかできない業務に注力するというスタイルが主流になっていくでしょう。そのため、貿易事務の需要自体は高いまま推移していくと見込まれています。
AIを上手く活用しながら、より高いレベルの語学力や貿易の専門知識、調整能力などのスキルを伸ばすことで、活躍のフィールドを広げることができるでしょう。
貿易事務の働き方
貿易事務のお仕事は、就業する企業や部署によってさまざまですが、平日の日中(7~8時間)勤務、土日祝日がお休みという勤務形態が一般的です。
貿易取引は基本的な流れ(売買契約から商品の引渡し・引取りまでの流れ)が決まっているため、その事務手続きを行う貿易事務は、自身の業務スケジュールを把握しやすい特徴があります。
ポジションによっては、自分で業務やスケジュール調整をしながら働くことも可能です。
部署内に同じ業務担当が複数いる会社では、互いに予定を調整して、休暇を取得したりしているケースも多く見られます。
また、貿易事務は専門知識や実務経験が強みになるため、専門性を高めながら、中長期的なキャリア形成が可能です。取り扱う商品や勤務先が変わっても、貿易取引の大まかな流れや求められるスキルに大きな違いはありません。貿易事務の経験者は即戦力として需要が高く、転居による離職や産休・育休を取得して一度現場から離れたとしても、お仕事復帰しやすいと言われています。
磨くことができるスキル
ここからは、貿易事務の経験を積むことで身につくスキルを紹介します。
コミュニケーションスキル
貿易事務は、社内や取引先などとの間に立って業務を進めるお仕事。そのため、相手の状況を把握しながら、適切なやりとりを行うコミュニケーション能力が磨かれるでしょう。
英語力
貿易事務では、ある程度の英語スキルも必要となりますが、基本的に「英語の読み書き」がメイン。
取引先と英文メールを交わしたり、(売買契約書など)英語で書かれた書類を作成・確認したりすることが多いため、英文の読解やライティングスキルが身につきます。
タイムマネジメントスキル
タイムマネジメントスキルとは、「時間管理」や「段取り」に関するスキルのこと。時間厳守が鉄則である貿易取引の現場に身を置くことで、常に期限を意識しながら段取りよく業務を進めるスキルがしっかりと身につくでしょう。
調整力
貿易事務は、社内外の担当者と連絡を取りあい、「誰が」「誰に」「何を」「いつ」「どこから」「どこに」という全体の流れを把握しつつ、業務を進行させるお仕事。そのため、異なる商習慣や時差のある海外の担当者をはじめ、あらゆる立場の人にとって無理のないスケジュールを組み立て、時間内に業務を執行させるスキルが磨かれます。
※関連ページ:貿易事務のお仕事解説 | パソナ
貿易事務のキャリアパス
貿易事務のお仕事を通じて身につけることができる専門知識や語学力、ヒューマンスキルを活かせば、以下のようなキャリアパスを描くことが可能です。
分野に特化した貿易事務のエキスパート
特定の商品の知識を深めることで、「〇〇系商材に強い貿易事務」というエキスパートになることができます。取り扱う商品によっては、食品衛生法や植物防疫法、薬事法、国内外の規制といった法知識が必要となるため、理解を深めることで専門性の高い貿易事務として活躍することができるでしょう。
通関士
通関や輸出入手続きの知識を極めて国家資格「通関士」の資格を取得し、通関士として働くことも可能です。また、「通関士」の資格を持っていることで、海外工場から直接製品を仕入れている「通関部署」のある企業や流通業などへの転職も有利にはたらきます。
バイヤーや営業など他職種へ転身
貿易事務の専門性を活かして、海外商品を現地で仕入れるバイヤー職や営業職へキャリアチェンジするなど、新たなキャリアを築くことも可能です。
派遣のお仕事なら「未経験可」の募集もある
貿易事務は高い専門知識が求められるため、他の事務職と比べて実務経験が重視されるお仕事です。
しかし、派遣の貿易事務募集のなかには、アシスタント職からスタートできる「未経験可」のお仕事や、検定・資格取得を目指して勉強している方を歓迎しているお仕事もあります。
貿易事務未経験からアシスタント業務で経験を積み、幅広い業務を任せてもらえる就業先でお仕事をしてから、将来的に正社員を目指すというキャリアの築き方もあります。
派遣から始めてキャリアアップを目指そう
グローバル化、インターネット取引の拡大に伴い、貿易取引はここ数十年で一気に倍増しました。
AI導入によって定型作業やアナログな業務は徐々に減っていくことが予想されますが、キャリアアップを行い人間にしかできない高度な業務に携わることで、お給料もアップするでしょう。
派遣という働き方であれば、貿易事務未経験でもチャレンジしやすいアシスタント職から、実務経験者向けのハイレベルな求人まで、現在のスキルレベルに合った多様なお仕事が見つかります。
貿易事務のお仕事に興味のある方は、派遣会社の求人情報を探してみてはいかがでしょうか。
※関連ページ:貿易事務の派遣 | パソナ
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