キャリアアップ

2023/06/27

未経験から貿易事務に転職するのは難しい?初心者におススメの仕事内容や資格を紹介

著者: パソナ キャリアコーチ(貿易担当)

未経験から貿易事務に転職するのは難しい?初心者におススメの仕事内容や資格を紹介

一般事務としてお仕事をしている方の中には「より専門的なスキルを身につけて、お仕事の幅を広げたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。また、「英語や中国語などの語学力を活かしたい」「海外への興味・関心を活かせる貿易事務のお仕事に挑戦してみたい」という方もいるでしょう。

今回は、貿易事務に転職したい方に向けて、どのようなスキルを身につけると転職活動が有利にはたらくのか、貿易事務のお仕事に就くために英語力はどの程度必要なのかといった疑問にお答えします。

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目次
「貿易事務」って、どんなお仕事?
未経験者が気になるポイント1「どの程度の英語力が必要?」
未経験者が気になるポイント2「貿易関連の資格は必要?」
未経験から貿易事務に転職するには
貿易事務のお仕事を通して身につくスキル
まずは貿易事務の現場に身を置いてお仕事の流れを理解しよう

「貿易事務」って、どんなお仕事?

「貿易事務」って、どんなお仕事?

貿易事務は、海外企業との輸出入に関わる会社で、貿易取引に関する事務業務を担当するお仕事です。主な勤務先としては、商社、メーカー、フォワーダー(通関業者・海貨業者)、船会社・航空会社・倉庫会社などがあり、業界や業種によってお仕事内容が異なります。

商社・メーカー

商社やメーカーの貿易事務職は、商品の受発注や輸出入に関わる手続きなどを行います。任される業務範囲は会社によって異なりますが、会社規模が大きくなるほど細分化された業務を行うケースが多く、中小企業の場合は幅広い業務を担当することが多いです。

また、「輸出業務」と「輸入業務」ではそれぞれ作成する書類や受け取る書類、手続きの流れが異なります。

輸出業務では、主に船や飛行機などの輸送手段を手配したり、取引の明細書(インボイス)や貨物の詳細をまとめた書類(パッキングリスト)などを作成および確認したりします。商品を輸出するには税関に申告を行い、許可を受ける必要がありますので、輸出通関の手続き関連の書類作成も行います。

輸入業務では、売主が用意した書類(インボイスやパッキングリスト)を確認したり、商品代金の支払いを確約するための信用状(L/C)を発行したりします。また「輸入」の場合も税関に申告し許可を受ける必要がありますので、輸入通関に関する書類作成も貿易事務がサポートします。

フォワーダー(通関業者・海貨業者)

フォワーダーとは、商社やメーカーから依頼を受けて、輸出入に関する一連の業務(輸送・通関手続きなど)を代行する会社や業務のことを言います。最適でスムーズな輸送ルートを確保・手配するのが、フォワーダーの重要な役割です。

貿易書類作成や、船積み手配、通関手配、ルート・スケジュール確認、取引先との折衝などが主な業務内容で、「国際物流コーディネーター」と呼ばれることもあります。

船会社・航空会社・倉庫会社

船会社・航空会社は、自社で船や飛行機を保有して商品の運輸を担う会社です。貿易事務の業務は、商社・フォワーダーからの依頼に応じて、運賃の見積もり作成やスケジュール調整などを行います。
また、船や飛行機からの積み下ろしなどについて関連企業と連携しながら、運搬業務全体をコーディネートすることも役割のひとつです。

倉庫会社は、港や空港などの倉庫で、商品を一時的に預かり保管する「倉庫業」を行う会社です。倉庫会社の貿易事務は、届いた商品の受付、数量や配送先などを管理します。

未経験者が気になるポイント1「どの程度の英語力が必要?」

未経験者が気になるポイント1「どの程度の英語力が必要?」

貿易取引で取り扱われる書類は英文書類なので、その内容を理解し、英語で貿易書類を作成するスキルが必要となります。

貿易事務が頻繁に取り扱う書類には、ある程度決まった型(定型)があります。そのため、書類の定型文さえ覚えていれば、それほど高度な英語力がなくても、貿易書類作成や内容確認に対応することができるでしょう。

また、海外企業とのやりとりはメール連絡が基本。商社やメーカーの場合、商品の受発注、進捗状況や納期のお知らせ、状況確認、といった一般的なビジネス文章を英語で書くことができれば、通常の業務は遂行できるはずです。

ただ、貿易事務を採用する企業は、即戦力人材を求めていることも多く、募集要項に「TOEIC(R)600点以上」といった英語力の基準をあらかじめ記載している場合もあります。

TOEIC(R) Listening & Reading Testはリスニング問題100問、リーディング問題100問で構成される英語力検定試験(990点満点)。ビジネスで交わされるメール文章や書類がベースとなる問題が数多く出題されることから、TOEICのスコアは国際ビジネス実務における英語力を測るひとつの指標とされています。

貿易事務にチャレンジするにあたって、必ずしもTOEIC(R) 600点以上のスコアが必要、というわけではありません。しかし、英語を使った業務の経験がない方は、600点以上のスコアを持っていると、アドバンテージになることは確かです。見方を変えれば、未経験者でも“英語力をある程度身につけていれば、貿易事務への道のりが短くなる”とも言えるでしょう。

未経験者が気になるポイント2「貿易関連の資格は必要?」

貿易事務は専門職ですが、“貿易実務関連の資格が必ずしも必要”というわけではありません。

ただし、「貿易取引がどのような流れで行われているのか」「どんな書類を使っているのか」など、貿易全体の仕組みや専門用語を知っていた方が、転職活動でも有利にはたらくでしょう。

貿易実務の代表的な検定試験には、「貿易実務検定(R)」があります。これは実際の貿易実務で役立つ知識を体系的に身につけることができる検定試験です。

貿易事務未経験の方であっても、貿易関連の資格を取得していれば、転職活動で評価されやすいでしょう。貿易取引の流れを一通り理解していることや、貿易事務に就きたいという意欲を伝えることができるはずです。

貿易関連資格は、書籍も多く販売されているため独学での勉強も可能ですが、書籍だけでは理解しづらい場合、専門の資格スクールや社会人向け講座の受講もおススメです。

※関連ページ:開催予定セミナー・講座-貿易事務で働く|パソナ

未経験から貿易事務に転職するには

未経験から貿易事務に転職するには

英語力や貿易知識がすでにある方は転職が有利にはたらきやすくなりますが、なかには未経験からでもチャレンジできるお仕事もあります。例えば、倉庫会社の貿易事務は貿易未経験の方でも募集されていることが多く、実績を積みたい方や、貿易の流れと知識を身につけたい方がチャレンジするのにおススメのお仕事です。

また、輸出入取引が多い大規模の商社やメーカーでは、「書類作成を専門に行う部署」「(フォワーダーや倉庫会社など)国内企業との取引中心の部署」というように、貿易実務の業務を細分化している企業もあり、英語を使った実務経験のない方でも、活躍できるお仕事もあります。

※関連ページ:貿易事務のお仕事解説|パソナ

まずは、貿易事務「アシスタント職」で経験を積む

貿易書類の確認や社内システムへの取引データ入力などを担当する「アシスタント職」は、貿易事務未経験の方がチャレンジしやすいお仕事のひとつです。まずは未経験可の貿易事務アシスタントで、貿易取引の流れを学びつつ、資格取得や英語力UPなど貿易実務に関するスキルを磨いていけば、貿易実務者としてステップアップを目指せるでしょう。

貿易取引の増加に伴い、派遣社員や契約社員などの貿易事務アシスタント募集は増加しているようです。派遣社員や契約社員として経験を積んだ後に、正社員を目指す方も多いので、お仕事探しの参考にしてみてください。

派遣で貿易事務のお仕事をはじめよう

派遣会社では、担当者と自身の適性や経歴について振り返り、希望する条件に近いお仕事を案内してもらいます。また、希望するとお仕事に就業した後もキャリアに関する相談ができるので、キャリア形成のサポートを定期的に受けることもできます。

貿易事務に関する研修を豊富に用意している派遣会社もあり、貿易事務未経験の方へ向けた研修もあります。研修で専門知識を身に付けてからお仕事に応募することもできるので、事前に準備をしてから就業することができるでしょう。まずは派遣会社のホームページから研修内容や福利厚生などを調べて派遣登録をすることをおススメします。

※関連ページ:貿易事務の派遣|パソナ

貿易事務のお仕事を通して身につくスキル

貿易事務のお仕事を通して身につくスキル

貿易に関する専門知識

貿易事務の業務内容は業種や職種によって異なり、専門用語もたくさんあります。

専門的な知識は、お仕事を通して身につけていくため、貿易事務として働いた経験は今後のキャリアに活かせるでしょう。

また、お仕事を通して身に付けた通関や関税に関する知識をさらに深めていくことで、「通関士」に挑戦する道もあります。通関士は、国家資格が必要なお仕事であるため、貿易のプロフェッショナルにさらに近づきます。

コミュニケーション能力・折衝力

貿易事務のお仕事では、商習慣の異なる海外企業の担当者、社内の営業担当者、通関業務を代行するフォワーダーなど、さまざまな関係者の間に立って業務を進めていくお仕事です。

そのため、相手の立場を理解して適切なコミュニケーションを取り、スケジュールを調整しながら、業務を進められる「調整力」「折衝力」を、身につけていくこともできるでしょう。

まずは貿易事務の現場に身を置いてお仕事の流れを理解しよう

今回は、一般事務の方が貿易事務を目指すために、必要なスキルや転職方法について紹介しました。貿易事務のお仕事は未経験からでもチャレンジは可能です。まずは、アシスタント職から貿易実務に携わり、お仕事の流れを理解することからはじめてみましょう。

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参考サイト

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