用語

2019/10/15

航空貨物の運送状「エアウェイビル」って?航空輸送の特徴・流れを理解しよう!

島国である日本の貿易取引は、航空輸送または海上輸送のいずれかで行われます。海上輸送が多い日本の貿易取引ですが、航空輸送を利用するケースとはどのようなものなのでしょうか?

今回は、海上輸送との比較も交えながら、航空輸送の特徴や流れ、航空貨物専用の運送状「エアウェイビル(Air Waybill)」についてご紹介します。

目次
航空輸送専用の運送状「エアウェイビル(Air Waybill)」
航空貨物の輸出地から輸入地までの流れ
航空輸送では主に何が運ばれている?
航空輸送専用の搭載用具「ULD(ユニット・ロード・デバイス)」
航空輸送に適した商品、そして流れと仕組みを知っておこう

航空輸送専用の運送状「エアウェイビル(Air Waybill)」

エアウェイビルは、航空輸送の際に用いられる「運送状」。運送状は、その貨物が「どこから」「誰が」「誰に」「どこに」「何を」運んでいるのか記載されたもので、貿易取引では“貨物の引換券”となる重要書類です。

今回はあらためて、航空輸送と海上輸送でどのように違うのか比較しながら、運送状の役割を説明していきましょう。まずは、航空輸送と海上輸送で輸出入者が取り扱う貿易書類をご覧ください。

輸出入者が「航空輸送」で扱う書類 輸出入者が「海上輸送」で扱う書類
インボイス(Invoice)
パッキングリスト(Packing List)
・エアウェイビル(Air Waybill)
インボイス(Invoice)
パッキングリスト(Packing List)
船荷証券(B/L)
*信用状取引の場合は、信用状(L/C)も

一目でおわかりいただけると思いますが、航空輸送と海上輸送では、輸出入者が扱う書類がひとつ異なります。それが「エアウェイビル(Air Waybill)」と「船荷証券(B/L:Bill of Lading)」。このように、航空輸送と海上輸送では、運送状の名前が異なります。

とはいえ、「エアウェイビル」も「船荷証券」も、書類の流れは概ね同様。それぞれの書類は、輸出地の輸送会社(船会社・航空会社)から輸出者に発行され、輸出者は貨物の発送後に輸入者へ譲渡します。その後、輸入者は輸入地で輸送会社(船会社・航空会社)に、「エアウェイビル」または「船荷証券」提示し、貨物を受け取るという流れで、書類の移動が行われます。

*貿易取引では、輸出者は貨物を送るだけでなく、「運送状(貨物の引換券)」も輸入者に送る必要があり、運送状があってはじめて貨物の引き渡しが完了するという仕組みになっています。

「エアウェイビル」も「船荷証券」も運送状の役割を担っていますが、船荷証券にはエアウェイビルにはない機能があります。船荷証券は第三者に譲渡可能な「有価証券」の性質も持つのに対し、エアウェイビルにはその性質がありません。そのため、エアウェイビルの場合、貨物は輸入地において「書類に記載された受荷主(Consignee)」しか引き取れない決まりになっています。詳しくは、下記の関連記事もご参照くださいね。

※関連記事:『「B/L」「Sea Waybill」「Air Waybill」の違いをまとめてみました』『マスターエアウェイビルとハウスエアウェイビルの違いは?

航空貨物の輸出地から輸入地までの流れ

では、実際に航空輸送を利用したときの輸出地での流れと、輸入地での流れを具体的に見ていきましょう。

輸出地の航空貨物の流れ

順番 担当 作業
輸出者 輸入者へ送る商品、インボイス、パッキングリストなど、必要書類を用意
輸出者 フォワーダーに輸入地への輸送・通関手続きを依頼、①の書類を渡す
輸出者 輸出貨物を保税地域(フォワーダーの指定場所)に発送
フォワーダー 貨物を検量し、輸出申告手続きを行う
税関 輸出許可
フォワーダー 輸入地が同じ貨物をひとつにまとめ*混載目録(House Manifest)を作成
*混載仕立て作業と言います。
フォワーダー 貨物を航空会社の上屋(うわや)に搬入
*上屋は保税地域にある一時的に貨物を保管する蔵置場のこと。
航空会社 貨物を航空機に搭載し輸入地へ
輸出者 航空会社から発行されたエアウェイビルを受け取り、インボイス、パッキングリストとともに送付

輸入地の航空貨物の流れ

順番 担当 作業
輸入者 輸出者からエアウェイビル、インボイス、パッキングリストを受け取る
輸入者 フォワーダーに貨物の引き取り・通関手続きを依頼、①の書類を渡す
航空会社 飛行機到着後、受荷主別に貨物が取り出され、保税地域内の上屋(うわや)に搬入
*通常、貨物ターミナルが保税蔵置場となります。
フォワーダー 貨物を照合し、輸入申告手続きを行う
税関 輸入許可
フォワーダー 輸入者の指定場所まで貨物を輸送
輸入者 貨物を受け取る

航空輸送は、海上輸送とは異なり「輸送にかかる時間が短い」という特徴があります。そのため、輸出者は輸入者がすぐに貨物を引き取れるよう、「エアウェイビル」を受け取ったら早急に輸入者に送らなければなりません。また、輸入者も早急に対応できるように準備しておく必要があります。

航空輸送では主に何が運ばれている?

ところで、日本の貿易取引では、航空輸送より海上輸送が多いというお話をしましたが、どのくらいの違いあるかご存知でしょうか?

2016年の日本の輸出入は、重量ベースでは99.6%、金額ベースで約71%が海上輸送となっています。一回で運べる量の違いを考えれば分かる通り、輸出・輸入ともに圧倒的に輸送量が多いのが、海上輸送です。

※参考
・重量ベース:社団法人日本船主協会「日本の海運2018-2019」P26
・金額ベース:内閣官房日本経済再生総合事務局「貿易手続き等の全体最適化に向けて」平成29年12月11日 P5

海上輸送の方が多い理由は、航空輸送より輸送費が安いことから、重量が重くて単価の安いものを中心に、海上輸送が選ばれています。

逆に、貴金属など単価が高く軽量のものは、航空輸送が頻繁に利用されています。また、輸送にスピードが求められる生鮮食品や動物、美術品、医薬品などの貴重・希少なもの、輸入者が輸出者に提出を求める確認用サンプルなども航空輸送が利用されています。

※関連記事:『海上輸送と航空輸送、どちらの輸入が多い?

航空輸送専用の搭載用具「ULD(ユニット・ロード・デバイス)」

少し余談になりますが、航空輸送で運ぶ貨物は、「ULD(ユニット・ロード・デバイス/Unit Load Device)」と呼ばれる航空機専用の搭載用具で運ばれています(上写真参照)。これらの箱にはいろいろな形があるのですが、飛行機の円柱型の機体に合わせて、箱の端が削れているものが多いという特徴があります。

皆さんの中には、空港でULDが運ばれているシーンや機内に搭載されるシーンを見たことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。航空輸送では、輸出時にはこのULDに貨物が積み付けられ、輸入時にはULDから取り外されて輸送されているということも、ぜひ知っておいてくださいね。

*現場では、ULDへ積み付けることを「ビルドアップ」、取り出すことを「ブレイクダウン」といいます。

航空輸送に適した商品、そして流れと仕組みを知っておこう

今回は航空輸送の流れや輸送される商品、航空貨物専用の運送状「エアウェイビル」についてご紹介しましたが、航空輸送についての理解は深まったでしょうか。

貿易の現場において、「航空輸送で運ぶのか」「海上輸送で運ぶのか」という選択は、商品の価格や特性、納期などから総合的に判断しています。

商社やメーカーの貿易事務の方は、輸送コストを比較するために、フォワーダーに見積もりをとって確認することも。今回ご紹介した「航空輸送」と「海上輸送」で運ばれる商品の傾向・ポイントも参考にして、検討してみてくださいね。

今回は航空輸送の流れについてご紹介しましたが、シゴ・ラボでは、海上輸送の流れについてもご紹介しています。比較することでそれぞれの流れ、仕組みの理解が深まりますよ。

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貿易業界で働くための貿易用語チェックリスト【入門編】

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参考サイト

 

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