用語

2016/04/11

FCL貨物の流れを理解しよう

上の写真は、FCL貨物の輸送でよく見られるワンシーンで、コンテナ船へ貨物を積んでいる(もしくは降ろしている)ところです。

みなさんは、船による輸入貿易の場合、FCL貨物が日本の港にどのように運ばれているのか、全体の流れを把握していますか?貿易事務の仕事をしていても、実際に見られる機会はなかなかありませんが、輸送や手続きの流れはぜひ理解しておきましょう。

FCL貨物のコンテナの中は一荷主の貨物だけ!

FCLとは、「Full Container Load」の略で、「一荷主が、ひとつのコンテナを貸しきって」大口貨物を運ぶ輸送方法、また、その貨物のことを言います。

*なお、FCLに対して複数の荷主が、ひとつのコンテナに小口貨物を混載して輸送する方法、およびその貨物のことはLCLと呼ばれています。

ちなみに、FCL“貨物”やFCL“カーゴ(Cargo)”と、貨物やカーゴという言葉を付け足して、(一荷主が商品を詰めたコンテナの)“貨物”だということに重点を置いた言い方をすることもありますが、貿易実務ではFCL貨物をFCLと言っても伝わります。

今回は、FCL貨物の輸出地から輸入地までの流れをご説明しますが、実際、貿易会社や商社の貿易事務では、その荷積みや荷降ろし、通関手続きをフォワーダーなどに依頼することが多いため、ここで紹介する事務作業を担当することはほとんどありません。ただ、フォワーダーや海貨業者・通関業者で働く場合は必須の知識となりますし、貿易に携わる仕事をするならぜひ知っておきたい内容です。

FCL貨物の船積み、引き取りの流れとは?

ではここからは、FCL貨物にはどんな業者が携わり、どんな書類を提出して取引が進められるのかについて、掘り下げてご説明していきましょう。

※関連記事:『「FCL」と「LCL」の違いを説明できますか?

輸出地のFCL貨物の流れ ~コンテナ詰め ▶ 運送 ▶ 輸出通関~

① 輸出者は船積み手続きをフォワーダーに依頼し、コンテナを船会社から借り受ける

② 輸出者の倉庫や工場、またはフォワーダーの倉庫などで貨物をコンテナに詰め込む(バンニング/バン)

*工場でコンテナに詰め込むことを、「工場バン」「工場バン詰め」と言います。また、バンニングする際は、第三者の検数人、または工場や倉庫の責任者による貨物の数量・状態のチェックが行われます。

③ 輸出者、またはフォワーダーが*1、コンテナの内容を示すコンテナ内積付表(ないせきふひょう/CLP/Container Load Plan)、ドック・レシート(Dock Receipt)*2を作成する

*1 一般的には、フォワーダーが輸出者の代わりに作成します。
*2 ドック・レシートは4~8枚綴りの書類で、貨物と一緒に輸送され、搬入場所などで引き抜かれ、貨物の受取り確認で使用される書類。ただし、近年は電子化が進み、使用されなくなりつつあるようです。

④ 船会社が指定するCY(コンテナ・ヤード)まで、トレーラーでコンテナを運ぶ

*CYへ搬入される前には、ゲートでコンテナのチェックが行われます。

⑤ フォワーダーは、船会社と連絡をとってコンテナが保税地域へ搬入されたことを確認し、税関に輸出申告手続きを行い、輸出許可を得る

⑥ フォワーダーは、CYのオペーレーター(CYO)にコンテナ内積付表(CLP)や輸出許可書を提出する

⑦ コンテナが船積みされ、船会社がB/L(船荷証券)を発行した後、貨物が海上輸送される

*一般的に、輸出者はフォワーダー経由でB/Lを入手します。

なお③~⑦は、基本的な流れとなります。実際には、必ずしも順番通りに進むというわけではなく、時には同時進行になったり、書類の提出が前後したりすることもあるようです。

輸入地のFCL貨物の流れ ~コンテナ荷降ろし ▶ 輸入通関 ▶ 配送~

① 輸入地に船が到着すると、コンテナは船からCY(コンテナ・ヤード)に降ろされる

② 輸入者から依頼を受けたフォワーダーは、輸入通関手続きを行い、輸入許可を得る

③ フォワーダーは、輸出者から受け取ったB/Lを船会社に持ち込み、B/Lと差し替えに「D/O(荷渡し指図書)」を入手する

※関連記事:『「B/L(船荷証券)」と「D/O(荷渡し指図書)」の関係

④ フォワーダーは、D/OをCYのオペレーター(CYO)に提出し、コンテナ貨物とコンテナ内積付表(CLP)を受け取る

*FCL貨物の場合、貨物を引き取る際にコンテナを開けて中身を確認することはありません。コンテナの外観上の破損などがないかを確認した上で、引き渡しが行われます

⑤ 輸入者は、自社の倉庫やフォワーダーの倉庫、納入先などにコンテナを運ぶ

*一般的に、輸入者はフォワーダーの倉庫へコンテナを引き取りに行くか、フォワーダー(またはフォワーダーが手配した運送業者)に運んでもらうことが一般的です。

FCL貨物の流れは理解できたでしょうか。ぜひ輸送の流れや手続きを理解して、貿易実務に活かしていってくださいね。

 

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