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2017/02/27

「輸入通関手続き」と「輸入貨物の引き取り」はどのように行われているの?

著者: パソナ キャリアコンサルタント(貿易担当)

「輸入通関手続き」と「輸入貨物の引き取り」はどのように行われているの?

輸入者側の貿易事務は、スムーズな通関と貨物の引き取りのために業務を遂行しています。

ですが実際は、「輸入通関」業務と「貨物の引き取り」業務は手続きが煩雑なため、輸入者は必要な書類と情報を入手したら、その道のプロフェッショナルであるフォワーダー(Forwarder)に依頼して代理で行ってもらいます。

貿易事務の担当をされている方も、実際に手続きすることは殆どありませんが、ご紹介する業務の流れについては、最低限でも把握しておきましょう。

輸入通関手続きは税関と、貨物の引き取りは船会社・保税地域の担当者とやりとりする

では、実際にフォワーダーが行っている輸入通関と貨物の引き取りの流れを説明していきますが、文章よりも図の方がイメージしやすいと思いますので、まずは下図をご覧ください。

輸入通関手続きの流れ

輸入通関手続きと輸入貨物の引き取りの流れ(船舶輸送の場合)

どんな輸入貨物も、上図の①~⑦の流れで輸入通関と貨物引き取り業務の手続きが行われます。

上図のフォワーダーの枠内には「通関業務」と「海貨業務」と業務内容別にわけて記載していますが、これはかつての貿易業界の仕組み(法律)の名残り。

もともと、通関を専門に行う通関業者と保税地域での貨物の物流業務を行う海貨業者は別々の会社であることが多かったようですが、今では兼業している会社がほとんどで、一般にフォワーダーといえば、そのどちらかの業務を行っています。

輸入通関手続きの流れ(通関業務)

①フォワーダーは、輸入者から渡された書類をもとに輸入申告書を作成し、貿易業務のコンピューターシステムNACCSから税関に提出し申告。

税関はその申告内容を審査し(*1)、必要に応じて現品検査します。そして、申告内容に問題がなければフォワーダーにその旨を伝え、②輸入者が関税や消費税を納付すると(*2)、③輸入許可が下りて、輸入許可書が交付されます。

*1 :法令で求められる許認可手続きがある商品は、その許可を受けているかどうかも確認されます。

*2:商社や貿易会社では、関税・消費税を支払うための口座振替契約をしていることが多く、申告内容に許可が出ると同時に、その口座から輸入品の関税・消費税が引き落とされて輸入許可書が発行されます。

輸入貨物引き取り手続きの流れ(海貨業務)

貨物船は到着すると、貨物はCY(コンテナ・ヤード)やCFS(コンテナ・フレイト・ステーション)などの保税地域に搬入されますが、そこから貨物を引き取るのもフォワーダーが行います。

輸入貨物の引き取りは、船会社が発行する荷渡し指図書(D/O: Delivery Order)が必要になります。

フォワーダーは④輸入者から受け取ったB/L(Bill of Lading/ビーエル/船荷証券)を提出して、⑤荷渡し指図書(D/O)を交付してもらい、⑥D/Oと輸入許可書を保税地域の担当者(コンテナ船の場合はCYオペレーターやCFSオペレーター、ばら積み貨物船などの場合は本船の船長)に呈示して、⑦貨物を引き取ります。

※関連記事:『「FCL」と「LCL」の違いって?積み込む手順と流れを図式でご紹介

なお、昔は①~⑦の業務には数日かかることがあたり前だったそうですが、今ではNACCSのシステムのおかげで、ほんの1日(数時間)でこの業務が完了します。今後は、さらにスピードアップしていくかもしれませんね。

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参考サイト

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