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2022/02/02

営業事務とは?仕事内容やメリット、志望動機の書き方まで紹介

著者: パソナ キャリアコーチ(事務担当)

営業事務とは?仕事内容やメリット、志望動機の書き方まで紹介

営業部門や営業担当のサポート役として事務業務を行う「営業事務」。事務職の中でも「コミュニケーションをとりながらお仕事ができる」「営業の役に立てていると実感できる」と、人気のお仕事のひとつです。今回は、営業事務の仕事内容・お給料・一般事務との違い・メリット・志望動機の書き方まで詳しくご紹介します。

目次
営業事務とは
営業事務の仕事内容
営業事務と一般事務の違い
営業事務の1日の仕事の流れ
営業事務で働くメリット・やりがい
営業事務に向いている人
営業事務の給料・年収はどれくらい?
営業事務の志望動機の書き方とNG例
未経験から営業事務で働いている方の実際の声
派遣で営業事務のお仕事にチャレンジしてみよう!

営業事務とは

営業事務とは、主に営業部門全体や営業担当の事務業務をサポートするお仕事です。

営業担当がより良いパフォーマンスを発揮できるように、受発注の対応や売上数字の管理など、営業活動に伴うさまざまな補助業務を行います。営業担当のサポート役として、顧客対応に関わったり、会社の売上に貢献できたりする点も、営業事務ならではのやりがいと言えるでしょう。

営業事務は、業界・業種を問わずさまざまな企業で必要とされており、常に一定の求人数がある職種です。なお、求人募集の際には、「営業事務」の他に、「営業アシスタント」「部署アシスタント」「営業サポート」といった名称で呼ばれることもあります。

営業事務の仕事内容

営業事務の仕事内容

営業事務はどのような業務を行っているのでしょうか。主な業務について、詳しく見ていきましょう。

受発注関連書類の対応

見積書・発注書・契約書・請求書など、営業活動に伴う受発注関連の書類作成・対応を行います。受発注に関する書類は、数量や金額など細かい数字を取り扱うことも多いため、ミスがないよう注意が必要です。

また月末の締め日が近づくと、売上目標達成への追い込みで営業部門は忙しくなります。依頼された書類を、正確かつスピーディに処理することも大切です。

在庫や売上の管理

就業先がメーカーや卸売業の場合、営業事務が受注数や納品数、売上数字の管理を担当することもあります。具体的には、受注内容のデータ入力や在庫管理、納期の調整、売上数字の集計などを行います。

問い合わせ対応

顧客からの発注依頼や営業担当からの問い合わせに、電話やメールで対応します。問い合わせ対応では、営業担当への取り次ぎを行う場合もあれば、営業事務が直接対応する場合も。相手の依頼や要望に応じて、臨機応変な対応が求められるでしょう。

営業事務と一般事務の違い

営業事務と仕事内容が似ている職種として、「一般事務」が挙げられます。事務業務を行うという意味では共通していますが、一般事務との一番の違いは「営業事務は営業活動のサポートに特化した事務職である」という点です。

一般的に営業事務は、会社の営業部門に所属して、営業活動に伴う事務業務全般を担います。営業担当と連携しながら業務を進めることが多く、営業担当に代わって顧客からの問い合わせなどのやりとりを行うこともあります。

そのため商談から受注、納品に至るまでの流れ、その後の既存顧客のフォローなど、営業活動全体の流れを理解しておくと、業務が進めやすくなります。

一方、一般事務が所属する部門は、営業部門とは限りません。会社の体制によっても異なりますが、特定の部門の事務業務を担当することもあれば、部門を問わず社内の幅広い事務業務を担当することもあります。

※関連記事:『一般事務とは|仕事内容やメリットをご紹介!

営業事務の1日の仕事の流れ

ここでは営業事務で働く人の1日の流れを紹介します。サービスを販売する会社では、セミナーなどのイベント運営などに関わることもあり、幅広い業務を担当します。モノを販売する会社の場合は商品の在庫管理や配送関連の業務があり、見積書も細かく作成するため、1つひとつの作業量が多くなりやすいでしょう。また繁忙期や決算期などは業務量が増え、追い込み時期になると忙しくなります。

【営業事務の1日の仕事の流れ】
8:45 出勤
メールチェックや当日のタスクを整理する
9:00 始業
朝礼、チームミーティングで営業担当と予定を共有する
9:30 提案資料作成
フォーマットに沿って、顧客向けの提案資料を作成
外出中の営業担当に代わり、メールや電話での顧客対応
11:00 見積書作成
営業担当から依頼された見積書を作成
12:00 休憩
13:00 受発注処理
注文内容の確認、データ入力などの発注処理
15:00 顧客連絡
15:30 書類整理、データ入力
16:30 ミーティング
帰社した営業担当とのミーティング
17:30 議事録作成、共有
18:00 退社

営業事務で働くメリット・やりがい

営業事務で働くメリット・やりがい

営業事務のメリット、やりがいはどのようなものがあるのでしょう。よりお仕事の魅力を知るために、代表的なものをご紹介します。

チームの一員として働く楽しさを感じることができる

営業チームの一員として、同じ目標を持って営業担当とともにお仕事ができる営業事務。これは個人作業の多い他の事務職と大きく違う点です。営業事務のサポートによって受注へつながることもあり、自分の努力が売上という結果になることもやりがいと言えるでしょう。

キャリアチェンジを狙うことができる

営業担当に代わってお客様とやりとりをすることも多く、ビジネス感覚や目標達成への意識が身につきます。営業事務から営業担当へ転職するケースや、書類作成や事務処理で培ったスキルを活かして経理や人事、労務などの専門事務へキャリアチェンジする人もいます。

未経験から始めることができる

営業事務に最も求められるのはコミュニケーションスキルです。特別な資格がなくてもチャレンジしやすく、未経験でも始めやすいのもメリットと言えるでしょう。接客経験などが歓迎されることも多いようです。

営業事務に向いている人

営業事務は魅力的なお仕事ですが、向き不向きがあります。ここでは営業事務に向いている人の特徴をご紹介します。

ビジネススキル、ビジネスマナーがある人

挨拶や身だしなみ、TPOに合わせた対応など、社会人としての基本的なビジネススキル・ビジネスマナーは、営業事務のお仕事でも求められます。また、電話対応や来客対応をすることも多いため、応対時の基本マナーも身につけておきましょう。

※関連記事:『派遣社員が知っておきたいビジネスマナーって?派遣会社の無料セミナーで学べるって本当?

基本的なPCスキルがある人

メール対応やPCでのデータ入力、資料作成業務も多い営業事務のお仕事。ビジネスメールのマナーやOfficeソフト(Word・Excel・PowerPoint)の基本スキルを身につけておくと、営業事務へのチャレンジの際は有利に働くでしょう。

また万が一のミス・事故を防ぐために、情報セキュリティへの意識やITリテラシーを高めておくことも大切です。

コミュニケーション能力が高い人

営業事務は、営業担当をはじめとするさまざまな関連部署の人たちと協力しながら、業務を進めていくお仕事。業務を円滑に進めるためにも、コミュニケーション能力は重要となります。コミュニケーションの基本である「報告・連絡・相談」を重視して業務に取り組めると、なお良いでしょう。

仲間をサポートするのが好きな人

営業をサポートする営業事務のお仕事ではチームプレイが基本です。営業担当が働きやすくなるように気を配り、先回りしてサポートを進めていきます。イレギュラーなことを頼まれる機会もありますが、臨機応変な対応によって受注へ繋がることや、営業担当や顧客から感謝される場面もあるでしょう。仲間を支えるのが好きな人は営業事務に向いています。

営業事務の給料・年収はどれくらい?

では、営業事務として働き始めた場合、給料・年収はどのくらいになるのでしょうか。

2020年4月から、雇用形態に関わらない公正な待遇(同一労働同一賃金)を実現するための法律が施行されました。これにより、厚生労働省が定めた「営業・販売関連事務員」の派遣社員の賃金(時給換算)は、以下の通りになっています。

一般の労働者の
勤続何年目相当の
業務に該当するか
全 国 東 京 都
0年(未経験) 1,117円 1,275円
1年 1,296円 1,479円
2年 1,417円 1,617円
3年 1,473円 1,681円
5年 1,550円 1,769円

*2020年度適用
*派遣会社が「労使協定方式」を用いる場合、派遣社員の賃金は上記と同等以上であることが要件となります。詳しくは厚生労働省HPをご覧ください
*退職金部分、通勤手当部分を除きます

 

表の通り、東京を始めとする都市部の方が、時給は高くなる傾向にあります。また、業務内容にもよりますが、一般事務の時給と比べると、営業事務の方がやや高くなっています。

なおパソナでは、東京都内での営業事務の場合、時給1,660円~1,770円のお仕事が中心で、時給1,900円以上のお仕事もあります。

パソナの時給を参考に月給や年収を計算すると、以下のようになります。

給料の計算方法

<時給1,770円、月曜~金曜の9時~18時勤務の場合>
9時~18時勤務の場合、1時間のお昼休憩を除いた1日の就業時間(お給料が発生する時間)は8時間。

また1ヶ月あたりの勤務日数は、月によっても変動がありますが、週休二日制の場合20日前後が一般的です。今回は1ヶ月の勤務日数を20日として計算します。

額面の月給・年収例

上記の例における月給と年収は、以下のような計算になります。
【月給】時給1,770円×8時間×20日=283,200円
【年収】月給283,200円×12ヶ月=3,398,400円
※各派遣会社の規定によりますが、通勤手当が支給される場合もあります。

なお、上記の月給や年収は「額面」の金額。額面の金額から、各種社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料)や所得税、住民税が天引きされたものが「手取り」の金額となります。
社会保険料や所得税、住民税は、報酬・所得の額の他に、個々の状況(扶養家族の有無など)によっても等級・税率が変わってきます。

※関連記事:『派遣社員の手取りはいくら!?給料の計算方法と注意点とは

営業事務の志望動機の書き方とNG例

営業事務のお仕事に応募する際は、以下のポイントを意識して志望動機を書くと良いでしょう。実務経験がある人、未経験者に分けて、それぞれOK例とNG例、ポイントを解説します。

志望動機

<営業事務経験者の場合>
■OK例
私は現在メーカーの営業事務として約2年間勤務しております。担当しているのは企業のお客様からの問い合わせ対応、資料発送、見積書作成などの業務です。営業担当のスケジュールや顧客情報の管理、顧客対応などを常に先回りして行い、顧客のサポートも重点的に行ってまいりました。現職では1名の営業スタッフをサポートしていますが、より幅広いサポートをしたいと考えるようになり、部署全体のサポートができる貴社を志望いたしました。これまでの経験を活かし、貴社の営業活動に貢献できればと考えております。

良いポイント:自分が仕事をするうえで大切にしていること、転職後にどのように貢献できるかが具体的にイメージできる。説得力を感じられる内容になっている。

■NG例
私はメーカーの営業事務として勤務していますが、より仕事の幅を広げたくて転職を決めました。これまでの経験を活かして貴社の営業活動に貢献したいと考えています。

改善ポイント:転職の動機が分かりにくく、何かできる人なのかもイメージできません。現在の職場環境では自分の希望が叶えにくいこと、さらなる成長を実現するために転職したいことをアピールすると良いでしょう。また自分が力を入れてきた取り組み、仕事に対する考え方なども伝えてください。

<営業事務未経験者の場合>
■OK例
私はこれまで書店の販売員として接客や商品の受発注業務、在庫管理などに携わってまいりました。より人をサポートする仕事がしたいと考え、貴社の営業事務職に応募いたしました。接客経験を通じて培ったコミュニケーション能力やビジネスマナー、電話対応などは必ず貴社の営業活動に貢献できるものだと考えています。また営業事務は未経験ですが、ExcelやWordは現職でも使用しており、関数やグラフ作成などもできます。

■NG例
私はこれまでIT企業の営業として勤務してきました。受注後のアフターフォローを欠かさないことで、お客様と長いお付き合いをさせていただいております。またヒアリングにも力を入れ、顧客に寄り添った提案を心がけております。この経験を貴社の営業事務として活かしたいと考えております。

改善ポイント:営業として優秀なことは伝えられますが、どうして営業事務を志望しているのかが見えてきません。営業活動を円滑に進められる営業サポートの存在に強く惹かれた、自分は人をサポートする側に回ることでさらなるパフォーマンスを実現できるなどの内容が盛り込まれていると良いでしょう。

未経験から営業事務で働いている方の実際の声

未経験から営業事務で働いている方の実際の声

ここからは、営業事務として実際に働いている方の声をいくつかご紹介します。お仕事のやりがいや現場の雰囲気を知るために、ぜひ参考にしてみてくださいね。

実際の声①通信機器メーカーで営業事務として働くMさん

受注対応を中心に、請求書作成、売上管理、商品のDM発送などを担当しています。お客様の窓口となる業務が多いですね。受注が入ったときは、迅速かつ正確な手配を行い、納品日をすぐにお客様へ伝えることを心がけています。

営業担当は外出していることが多いので、遅延につながらないよう営業担当宛てに届いた注文書はすぐに確認することが大切。納期がギリギリになりそうな場合は、他部署と納期の交渉をするなど、臨機応変な対応が必要になるケースもあります。

お客様と接するお仕事をしたいと思っていたので、今の職場には満足していますね。

実際の声②香料メーカーで営業事務として働くHさん

香料のメーカーにて、何千種類もある香料の受発注業務を担当しています。最近では、納品書のチェックなども任されるようになりました。

このお仕事に就くまで、香料に関する知識はほとんどありませんでした。しかし、お仕事で携わるうちに興味が湧き、コンビニやスーパーなどで自分が手配した香料が商品として売られているのを見ると嬉しくなります。

実際に商品を売るのは営業担当ですが、営業のサポート役として営業事務は欠かせない存在だと思いますし、売上に貢献できていることにやりがいを感じます。

今後はさらに担当できる業務を増やし、きめ細やかな対応を心がけて、営業担当から頼られる存在になりたいです。

実際の声③化学品メーカーで営業事務として働くIさん

私は国内メーカーに向けた販促を行う部門で、受発注処理や受発注関連書類の作成、売上管理などを担当しています。お客様の対応はすべて営業担当が行っているので、営業担当が業務を進めやすいようなサポートをするイメージです。

私が特に気を付けているのは、納期の管理を徹底すること。商品の種類や状況によって納期が変わることがあるため、あくまで「現時点の納期です」と念押しして伝えるようにするなど、情報の伝え方にも気をつけていますね。

また、日頃から営業担当とは積極的にコミュニケーションをとり、何でも話しやすい関係を築けるように心がけています。

※関連記事:『一般事務・営業事務のやりがいって?身につくスキルやキャリアアップ例をご紹介!

派遣で営業事務のお仕事にチャレンジしてみよう!

営業部門にとって、営業事務は欠かすことのできない存在。営業事務がいなければ、「毎日の仕事が回らない!」という営業担当も多いはずです。

営業事務のお仕事は、人のサポートをするのが好きな方やチームでお仕事をしたい方にオススメの職種です。派遣なら営業事務の求人数も多く、未経験からチャレンジ可能なお仕事もたくさんあります。

「営業事務のお仕事に興味がある」「やりがいのある営業事務のお仕事がしたい」という方は、ぜひ一度パソナに相談されてはいかがでしょうか。

 

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