事務職で役立つ資格11選!英文事務・貿易事務 ・経理事務に活かせるおススメ資格も紹介
事務職は資格がなくてもお仕事をはじめられることも多いですが、資格を取得することで実務に活かせたり、就業先から評価してもらえたり、お仕事の可能性が広がることもあります。
業務内容によって、おススメの資格はそれぞれ異なります。近頃では、語学力や高度なITスキルを証明できる資格があると転職で有利にはたらくでしょう。また、簿記や貿易に関する資格を習得することで、専門性の高い事務職に就ける可能性もあります。
今回は、事務職でどのような知識・スキルが求められ、どんな資格が役立つのかを詳しく紹介します。
※ご紹介した情報は、2023年10月時点での情報です。掲載した時点以降に変更される場合もあります。
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- 目次
- 事務職に求められるスキルとは?
- お仕事で資格が役立つ理由
- 事務職におススメの資格4選
- 専門的な職種におススメの資格
- 資格取得後も学び続けることが大切
- 事務職の資格に関するQ&A
- 就職に活かせる資格取得を目指そう
事務職に求められるスキルとは?
まずは事務職の仕事内容やお仕事をするうえで求められるスキルについて紹介します。
事務職の主な仕事内容
会社や所属部署によって事務職の仕事内容は異なりますが、代表的な業務例をいくつか紹介します。
電話・メール・来客対応
社内外の方々からの依頼や問い合わせに対して、事務職の方が窓口となってやり取りをすることもあります。さまざまな依頼に対して、スピーディーかつ丁寧に返答する対応力が求められます。
文書作成・データ入力
多くの事務職の方は、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeソフトを使用して業務を行っています。データ集計や会議用の資料作成など、決まったフォーマットに沿って作成するものもあれば、データ分析やプレゼンテーション資料作成などの高度な業務を任されることもあるでしょう。
受発注対応
営業部に所属する場合は、見積書・発注書・契約書・請求書などの受発注関連の書類作成・対応を担当することもあります。受発注に関する書類は、数量や金額など細かい数字を扱うことも多いため、ミスがないよう正確な対応が求められます。
売上・在庫管理
メーカーなどで働く場合、扱う商品の受注数や納品数、売上数字の管理を担当することもあります。
具体的には、受注内容の入力や在庫管理、納期の調整、売上数字の集計などを行います。
事務職で必要となるスキル
次に、事務職のお仕事をする方が身につけておきたい基本的なビジネススキルについて紹介します。
基本的なビジネスマナー
ビジネスマナーとは、お仕事で関わる方への敬意や思いやりを行動に表したものです。
電話やメール対応などの実務に必要なだけでなく、さまざまな方々と良好な人間関係を築くためにも欠かせないスキルのひとつです。挨拶や言葉遣い、身だしなみなどに気を配り、時間厳守や業務上のルールの徹底など、基本的なビジネスマナーをしっかり守りましょう。
ITリテラシー
ITリテラシーとは、PCなどのデジタル機器やインターネットを使いこなし、目的に合わせて情報を活用するスキルです。
さまざまな情報を扱うことが多い事務のお仕事では、業務の生産性向上やセキュリティなどの観点から高いITリテラシーが必要とされます。特に、会社の機密情報の取り扱いには常に注意を払いましょう。
基本的なPCスキル
事務のお仕事では「基本的なPCスキル」を必須とするケースも数多くあります。
具体的には、メール作成や送受信、Word・Excel・PowerPointなどOfficeソフトの操作ができることが望ましく、Wordなら文書作成や書式設定、Excelならセル入力や簡単な関数の使用などは習得しておきましょう。PCのスキルを向上させることで、よりお仕事の幅が広がります。
お仕事で資格が役立つ理由
事務職に就くために特別な資格の取得は必須ではありませんが、資格を取得することでさまざまなメリットがあります。具体的にどんな場面で役立つかを紹介します。
知識・スキルを証明できる
資格があれば、自身の持つ知識やスキルを証明することができます。特に未経験で実務経験がない場合、経験不足をカバーするためにも資格取得はおススメです。
資格を取得することで、保有している知識やスキルを客観的に証明でき、より信頼性を持ってもらえることが、大きなメリットのひとつです。
実務で役立つ
業務に関連した分野の資格や、業務で使う操作スキルに関する資格を取得すれば、実際のお仕事でも大いに役立ちます。
結果的に取得に至らなかったとしても、資格取得に向けて勉強した知識は業務の中で活かすことができるでしょう。実務に活かすことで、知識やスキルが定着しやすくなるというメリットもあります。
給与アップやキャリアアップに役立つ
資格を持っていれば、転職時やキャリアアップを目指す際のアピール材料にもなります。転職の際に職種によっては資格必須の求人もあり、応募できるお仕事の幅を増やすことも可能です。
また、資格を取得して専門性を身につけ、業務の幅や難易度が上がれば、給与アップの可能性も広がるでしょう。会社によっては、難易度の高い資格を取得すれば資格手当が支給されることもあります。
事務職におススメの資格4選
1.ビジネス文書検定
ビジネスメールやビジネス文書で使う表現、礼儀正しい文章の作成、文書の取り扱いについての知識を会得するための検定です。オフィスワークが未経験であっても、ビジネス文書検定を持っていれば基本的なビジネスマナーが身についていることをアピールできます。
ビジネス文書検定は1〜3級の3つのレベルに分かれていて、2023年7月に実施された際の合格率は、3級84.8%、2級63.4%、1級20.5%となっています。転職でアピールするためには2級以上を取得しておくのが理想的です。
おススメの勉強方法は、公式テキストと問題集を使った独学です。また、派遣会社やハローワークなどで受講できるビジネスマナー研修を受けてみるのも良いでしょう。
※参考資料:ビジネス文書検定受験要項|ビジネス系検定
※関連ページ:ビジネスマナー&コミュニケーション講座|パソナ
2.MOS
MOSとは、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」の略で、WordやExcelなどMicrosoft Officeソフトの操作スキルを証明する資格です。MOSを取得することで、WordやExcelがどのくらい使えるのかをアピールすることができます。
MOSには「Word」「Excel」「PowerPoint」「Access」「Outlook」の5つの科目があり、自分の希望するソフトを選択して受験します。また、WordとExcelに限り「スペシャリストレベル(一般レベル)」、より難易度の高い「エキスパートレベル(上級レベル)」の資格も用意されています。
スペシャリストレベルの出題範囲は基礎から応用までを網羅していますが、比較的合格率が高く、独学でも取得可能でしょう。独学の場合は、テキストをもとにして1日2~3時間を2週間続けるなど短期集中で一気に覚える学習法がおススメです。
独学が苦手な人は、講座の受講やeラーニングを活用してみましょう。
3.日商PC検定
MOSと並ぶ有名なPCスキルの検定で、日本商工会議所が主催しています。PC操作のほかに文書作成やデータ活用、プレゼン資料の作成スキルなども問われます。
日商PC検定 は、「文書作成(Word)」「データ活用(Excel)」「プレゼン資料作成(PowerPoint)」の3つに分かれ、WordとExcelはベーシック、3級、2級、1級、PowerPointは3級、2級、1級があります。
なお、3~1級は「知識問題」と「実技問題」があり、ベーシックは「実技問題」のみです。
文書作成や表計算などのPCスキルだけでなく、IT・ネットワークの知識や、PCを使った効率的な業務の進め方など、幅広い知識やスキルも出題範囲に含まれます。MOSと比べると難易度は少し高めですので初めて受験する方は、まず3級の取得を目指しましょう。
おススメの勉強方法は、参考書や模擬試験を活用した独学です。スマートフォンからクイズ形式で学習できるアプリや動画も活用すると、スキマ時間を有効活用して学習できます。
※関連ページ:パソコンのスキルを学ぶ|パソナ
4.秘書検定
秘書検定は、ビジネスパーソンとして身につけておくべき基本常識を「秘書技能」という名称に集約して出題しています。「秘書」と名前がつくものの、秘書以外の幅広いビジネスパーソンが受験しています。将来的に秘書を目指したいという方は、より上位資格の取得を目指して勉強してみましょう。
検定には3級、2級、準1級、1級の4つの等級があります。
試験は「理論」と「実技」に分かれ、それぞれの試験が60%以上で合格となります。
3級、2級、準1級は選択問題(マークシート方式)と記述問題、1級はすべて記述問題です。
なお、準1級、1級は筆記試験に合格すると面接試験があります。
面接が行われる準1級以上になると難易度も上がりますが、3級・2級なら独学でも取得可能です。
秘書への転職を目指すなら、2級以上の取得が望ましいでしょう。
秘書の基本業務や、一般的なビジネスマナーが問われるため、過去問題を解いて出題傾向を把握し、理解力を高めていく方法がおススメです。迷いやすい選択肢も多いので、対策本を読み込んで出題パターンを押さえることも合格への近道です。準1級以上は独学だけでは難しいため、専門講座を受講すると良いでしょう。
専門的な職種におススメの資格
英文事務におススメの資格:TOEIC(R)
TOIEC(R)は、実践的な英語コミュニケーション能力を測定する試験です。
すべての会社でTOEIC(R)のスコアが必須とされているわけではありませんが、
TOEIC(R)のスコアはビジネス英語のスキルを判断するためによく使用される指標のひとつで、英文事務や貿易事務では600点以上のスコアが求められるケースもあります。
なお、600点は「基礎の文法と単語力が身についている」目安とされています。
TOEIC(R)の特徴は、合否ではなくスコアで評価されるという点です。
試験はリスニング問題とリーディング問題で構成されています。解答はマークシート方式で、問題や選択肢なども全て英語です。まずは目標スコアに合わせて勉強を進めましょう。
効率良く学習を進められる対策講座やeラーニングなどを利用してスコアアップを目指す方法がおススメです。
※関連ページ:英文事務で働く|パソナ
IT事務におススメの資格:ITパスポート
ITパスポート(iパス)はネットワークやセキュリティ、AI、ビッグデータなどのITに関する基礎知識を証明できる資格で、国家資格に指定されています。
IT業界での一般事務や経理事務、カスタマーサポートなどのお仕事にチャレンジするときに、ITパスポートを取得しておくとスムーズにお仕事に慣れていけるでしょう。
試験対策では、参考書やeラーニングを活用するのがおススメです。試験範囲の中で苦手な分野があれば、動画や講座など詳しい解説を受けると理解を深められます。
経理事務におススメの資格:日商簿記/ビジネス・キャリア検定
経理を目指している方や経理でキャリアアップしたい方におススメの資格は「簿記検定」です。
特に日商簿記検定は、簿記の資格の中でも知名度や受験者数がNo.1で、企業の経理担当や経理職を目指す方が多数受験しています。経理への転職を目指す方はぜひチャレンジしてみてください。
簿記初級、原価計算初級、3級、2級、1級の5つの等級があります。日商簿記2級以上の資格を経理職の応募条件としている企業も多いため、取得していれば選択の幅が広がるでしょう。なお、1級に合格すると税理士試験の受験資格が与えられます。
また、日商簿記は難易度が高いことでも有名です。2023年6月に実施された際の合格率は、3級34.0%、2級21.1%、1級 12.5%と、難易度が上がっていきます。
資格取得に必要な学習時間の目安は3級で100時間、2級になると200時間以上とも言われています。
経理未経験の方は、まずは3級の取得からチャレンジしてみましょう。おススメの勉強方法は、テキストを活用した独学です。2級以上は難易度が上がるため、スクールやeラーニングで学んだり、経理アシスタント職などで実務経験を積んだりしながら資格取得を目指すと良いでしょう。
経理事務には「ビジネス・キャリア検定」もおススメ
経理のスキルにくわえて財務や経営に関する知識も身につけたい方には、中央職業能力開発協会が運営するビジネス・キャリア検定(ビジキャリ)もおススメです。
ビジネス・キャリア検定は「経理・財務管理」「人事・人材開発・労務管理」「営業・マーケティング」「生産管理」「企業法務・総務」「ロジスティクス」「経営情報システム」「経営戦略」という8つの試験分野が設けられていて、それぞれで1〜3級とBASIC級の4つの等級があります。
経理未経験の方はまず、BASIC級を受験するのがおススメです。経理の実務経験を3年程度積んだら、3級以上にもチャレンジしてみましょう。
貿易事務におススメの資格:貿易実務検定/日商ビジネス英語検定
貿易実務検定は、日本貿易実務検定協会が実施する試験で、貿易の現場でも広く知られています。
試験問題は、貿易で使われる専門用語、輸出入取引の流れ、書類の役割についての内容が中心で、現場でも必要な知識となります。貿易事務職に就くための必須資格ではないものの、未経験から貿易事務を目指す方やキャリアアップを目指す方におススメの資格です。
貿易実務検定はC級・B級・A級の3つのレベルがあります。試験内容は、マーケティング、商談、契約、代金決済、信用状、クレームなど、貿易実務について幅広く学習します。2023年7月に実施された際の合格率は、C級 67.8%、B級 43.7%、A級 35.1%となっています。
転職時のアピールとして有効なのはB級以上のケースも多いですが、貿易事務未経験の方は、まずは基礎知識を身につけられるC級からの受験がおススメです。
B級以上になると、クレーム、貿易マーケティングが新たな出題範囲として加わります。英語力と実務経験を積みながら合格を目指しましょう。
おススメの勉強方法は、テキストや過去問を活用した独学です。苦手な分野を重点的に学習したい場合は、eラーニングや講座を受講すると理解が深まるでしょう。また、貿易のお仕事を取り扱っている派遣会社では貿易実務検定の対策講座をはじめ、派遣登録スタッフ向けに貿易の専門知識を学べるセミナーを随時開催しています。
※関連ページ:貿易事務で働く|パソナ
貿易事務には「日商ビジネス英語検定」もおススメ
貿易事務で使える実践的なビジネス英語を身につけるには、日商ビジネス英語検定もおススメです。
日商ビジネス英語検定は、国際取引や貿易実務に則した英語のライティング・スピーキング・リスニングスキルを問う試験です。2023年度にリニューアルされ、TOEIC (R)と同様に合否ではなくスコアでレベルを判定します。
金融事務におススメの資格:証券外務員資格/外務員資格
金融業界で働きたいという方におススメなのが、証券外務員資格です。株式や投資信託などを扱うお仕事に必要とされる資格で、資格取得に必要な学習をすることで、金融業界が未経験でも、金融の基礎的知識を一通り学ぶことができます。
資格は「二種」と「一種」に分かれており、一般(金融機関勤務者以外)の方でも受験可能です。
「二種」は、株式、債券、投資信託、上級資格である「一種」は、「二種」に加えて先物取引、オプション取引、信用取引を含めた高度な金融商品も扱うことができます。
*なお、外務員資格を取得して証券業務に従事するためには、証券会社または銀行、生・損保会社などに勤務し、「外務員登録」を受けることが必要となります。
70%以上の得点で合格です。一般受験の場合、「二種」「一種」ともに7割弱の合格率です。
試験は選択式問題のため、過去の出題傾向を把握し、対策本やeラーニングなどで過去問題を繰り返し学習するのがおススメです。金融業界が未経験の方はまずは「二種」からチャレンジし、さらに上位資格の「一種」にチャレンジすると良いでしょう。
なお、パソナでは、登録スタッフ限定で「証券外務員資格 eラーニング講座」を実施しています。金融機関向けの社員教育にも多数導入されている合格実績も高い講座をお手頃な価格で提供しています。
証券外務員資格を目指す方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
※関連ページ:パソナ 証券外務員資格 eラーニング講座【概要】|パソナ
資格取得後も学び続けることが大切
事務職への転職に向けて資格を取る際は、資格取得を最終目標にするのではなく、実務に活かすことを前提に学習することが大切です。とくにMOSやITパスポートといったIT系の知識はアップデートされる頻度が高いため、就業後も最新の知識を習得していくように心がけましょう。
事務職の資格に関するQ&A
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Q.事務職に求められるスキルは?
A.基本的なビジネスマナーやITリテラシー、基本的なPCスキルが求められます。 -
Q.資格を持っていると転職に有利になる?
A.資格を持っていれば、転職時やキャリアアップを目指す際のアピールにもつながります。転職活動では資格必須の求人もあり、応募できるお仕事の幅を増やすことも可能です。 -
Q.一般事務職で役に立つ資格はどんなものがある?
A.代表的な資格でMOSがあります。「MOSを取得している」ことでWordやExcelがどのくらい使えるかの証明にもなります。 -
Q.事務職におススメの国家資格は?
A.紹介した資格の中で、国家資格はITパスポートのみですが、人事や労務、法務を目指す方には「社労士」「行政書士」、建築業界での就労を目指す方は「宅地建物取引士資格 (宅建) 」などの国家資格もおススメです。また、ビジネス文書検定や秘書検定のように、民間資格の中でも文部科学省後援の資格もあります。
就職に活かせる資格取得を目指そう
資格を取得すれば転職の際のアピールにもなり、実務に必要な基礎知識を学べるのでスムーズにお仕事をスタートできるでしょう。事務職への転職やキャリアアップを目指す際には、ぜひ資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
資格取得にあたっては、自分の目指す方向性やスキルのレベルに応じた資格を選び、自分に合った学習方法で効率良く学習を進めることが大切です。また、事務職をお探しの場合は、資格取得のための研修制度が充実している派遣会社を選ぶこともおススメです。
パソナでは、一般事務として働きたい方向けのお仕事情報を多数取り揃えております。オフィスワーク未経験からチャレンジしたい、PCスキルを活かしたいなど希望の働き方をご相談ください!業界屈指の福利厚生や専任担当による手厚いサポートがあるパソナで、新たな一歩を踏み出してみませんか?
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