事務職で役立つ資格7選!事務系職種のオススメ資格とは?

事務職のお仕事に就くときや事務職でキャリアアップを目指すとき、役に立つのが資格です。
もちろん、事務職に就くために必ずしも資格が必要というわけではありませんが、資格を取得することで、実務に活かせるほか、就業先から資格取得を評価してもらえる可能性もあります。
今回は、事務職ではどのような知識・スキルが求められ、どんな資格が役立つのか、詳しくご紹介します。
- 目次
- 事務職に求められるスキルって?
- 事務職で資格が役立つ理由
- 一般事務・営業事務にオススメの資格
- 経理事務にオススメの資格
- 貿易事務にオススメの資格
- 金融事務にオススメの資格
- 事務職の就職に活かせる資格取得を目指そう
事務職に求められるスキルって?
まずは事務職の仕事内容やお仕事をするうえで求められるスキルについてご紹介します。
事務職の主な仕事内容
会社や所属部署などによって事務職の仕事内容は異なりますが、代表的な業務例をいくつかご紹介します。
電話・メール・来客対応
社内外の方々からの依頼や問い合わせに対して、事務職の方が窓口となってやり取りをすることもあります。さまざまな依頼に対して、スピーディーかつ丁寧に返答する対応力が求められます。
文書作成・データ入力
多くの事務職の方は、Word・Excel・PowerPointなどのOfficeソフトを使用して業務を行っています。データ集計や会議用の資料作成など、決まったフォーマットに沿って作成するものもあれば、データ分析やプレゼンテーション資料などの高度な業務を任されることも。
受発注対応
営業部に所属する場合は、見積書・発注書・契約書・請求書などの受発注関連の書類作成・対応を担当することもあります。受発注に関する書類は、数量や金額など細かい数字を扱うことも多いため、ミスがないよう正確な対応が求められます。
売上・在庫管理
メーカーなどで働く場合、扱う商品の受注数や納品数、売上数字の管理を担当することもあります。具体的には、受注内容の入力や在庫管理、納期の調整、売上数字の集計などを行います。
事務職で必要となるスキル
次に、事務職のお仕事をする方が身につけておきたい基本的なビジネススキルについてご紹介します。
基本的なビジネスマナー
ビジネスマナーとは、お仕事で関わる方への敬意や思いやりを行動に表したものです。
電話やメール対応などの実務に必要なだけでなく、さまざまな方々と良好な人間関係を築くためにも欠かせないスキルのひとつです。挨拶や言葉遣い、身だしなみなどに気を配り、時間厳守や業務上のルールの徹底など、基本的なビジネスマナーをしっかり守りましょう。
※関連記事:『派遣社員が知っておきたいビジネスマナーって?派遣会社の無料セミナーで学べるって本当?』
ITリテラシー
ITリテラシーとは、PCなどのデジタル機器やインターネットを使いこなし、目的に合わせて情報を活用するスキルです。
さまざまな情報を扱うことが多い事務のお仕事では、業務の生産性向上やセキュリティなどの観点から高いITリテラシーが必要とされます。特に、会社の機密情報の取り扱いには常に注意を払いましょう。
※関連記事:『現代人にとって必須の知識!ITリテラシーを身につけよう』
基本的なPCスキル
事務のお仕事では「基本的なPCスキル」を必須とするケースも数多くあります。
具体的には、メール作成や送受信、Word・Excel・PowerPointなどOfficeソフトの操作ができることが望ましく、Wordなら文書作成や書式設定、Excelならセル入力や簡単な関数の使用などは習得しておきましょう。
PCのスキルを向上させることで、よりお仕事の幅が広がりますよ。
事務職で資格が役立つ理由
事務職に就くために資格取得は必須ではありませんが、資格を取得することでさまざまなメリットがあります。具体的にどんな場面で役に立つかをご紹介します。
知識・スキルを証明できる
資格があれば、自身の持つ知識やスキルを証明することができます。特に未経験で実務経験がない場合、経験不足をカバーするためにも資格取得はオススメです。
資格を取得することで、保有している知識やスキルを客観的に証明でき、より信頼性を持ってもらえることが、大きなメリットのひとつです。
実務で役立つ
業務に関連した分野の資格や、業務で使う操作スキルに関する資格を取得すれば、実際のお仕事でも大いに役立ちます。
もし、結果的に取得に至らなかったとしても、資格対策の勉強を通して得た知識は確実に自分のものになるでしょう。勉強した内容を実務に活かすことで、知識やスキルが定着しやすくなるというメリットもあります。
給与アップやキャリアアップに役立つ
資格を持っていれば、転職時やキャリアアップを目指す際のアピール材料にもなります。転職活動では資格必須の求人もあり、応募できるお仕事の幅を増やすことも可能です。
また、資格取得によって専門性を身につけ、業務の幅や難易度が上がれば、給与アップの可能性も広がるでしょう。会社によっては、難易度の高い資格を取得すれば資格手当が支給されるケースも。
一般事務・営業事務にオススメの資格
それでは、事務職にオススメの資格を職種ごとにご紹介していきます。まず、一般事務や営業事務の方にオススメの資格は次の通りです。
MOS
MOSとは、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」の略で、WordやExcelなどMicrosoft Officeソフトの操作スキルを証明する資格です。
「PCが使える」と伝えても客観的なレベルは分かりづらいもの。「MOSを取得している」ことで、WordやExcelがどのくらい使えるかをアピールすることができます。
資格概要
MOSには「Word」「Excel」「PowerPoint」「Access」「Outlook」の5つの科目があります。さらに「2019」「2016」「2013」というバージョンに分かれており、自分の希望するソフトとバージョンを選択して受験します。
また、WordとExcelに限り「スペシャリストレベル(一般レベル)」のほかに、より難易度の高い「エキスパートレベル(上級レベル)」の資格も用意されています。
試験実施時期
全国約1,700の試験会場で行われる随時試験と、毎月1回行われる全国一斉試験の2種類があります。
申し込み方法が違うだけで、試験内容や合格基準は同じです。なお、同時に複数科目を受験することも可能です。詳細は公式サイトをご確認ください。
受験費用
・スペシャリスト:10,780円(税込)
・エキスパート:12,980円(税込)
※Word、Excelの2013エキスパートPart.1,2はそれぞれ10,780円(税込)
難易度
スペシャリストの出題範囲は基礎から応用までを網羅していますが、比較的合格率が高く、独学でも取得可能でしょう。独学の場合は、テキストをもとにして1日2~3時間、2週間前~の短期集中で一気に覚える学習法がオススメです。
まずは使用頻度の高いソフトのスペシャリスト合格を目指しましょう。WordやExcelを使う機会が多い方は、スペシャリストを取得後にエキスパートにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
また、Officeのバージョンや合格科目によって「マイクロソフト オフィス スペシャリスト マスター」、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト アソシエイト」、「マイクロソフト オフィス スペシャリスト エキスパート」という称号と認定証を得ることもできます。
※関連記事:『【資格】経理・会計畑で役に立つ資格「MOS」の正体とは?』
日商PC検定
MOSと並ぶ有名なPCスキルの検定で、日本商工会議所が主催しています。PC操作のほかに文書作成やデータ活用、プレゼン資料の作成スキルなども問われます。
資格概要
日商PC検定 は、「文書作成(Word)」「データ活用(Excel)」「プレゼン資料作成(PowerPoint)」の3つに分かれ、「文書作成」「データ活用」はベーシック、3級、2級、1級、「プレゼン資料作成」は3級、2級、1級があります。
なお、3~1級は「知識問題」と「実技問題」があり、ベーシックは「実技問題」のみです。文書作成や表計算などのPCスキルだけでなく、IT・ネットワークの知識や、PCを使った効率的な業務の進め方など、幅広い知識やスキルも出題範囲に含まれます。
試験実施時期
全国各地で同一日に行われる統一試験と、ネット試験会場が独自に試験日を設定できるものがあります。詳しくは、公式サイトをご確認ください。
受験費用
1級:10,480円(税込)
2級:7,330円(税込)
3級:5,240円(税込)
ベーシック:4,200円(税込)
難易度
PCの操作スキルだけでなくITやネットワークの知識も問われるため、MOSに比べると難易度は高めです。初めての方は、まず3級の取得を目指しましょう。
なお、「文書作成」「データ活用」「プレゼン資料作成」の3試験いずれも2級以上に合格した方には、「日商PCプロフェッショナル認定証」が発行されます。
秘書検定
秘書検定は、文部科学省後援のビジネス検定のひとつ。ビジネスパーソンとして身につけておくべき基本常識を「秘書技能」という名称に集約して出題しています。
「秘書」と名前がつくものの、秘書以外の幅広いビジネスパーソンが受験しています。もし将来的に秘書を目指したいという方は、より上位資格の取得を目指して勉強してみましょう。
資格概要
3級、2級、準1級、1級の4つの等級があります。試験は「理論」と「実技」に分かれ、それぞれの試験が60%以上の時に合格となります。3級、2級、準1級は選択問題(マークシート方式)と記述問題、1級はすべて記述問題となります。なお、準1級、1級は筆記試験に合格すると面接試験があります。
試験実施時期
例年、年に3回(2月、6月、11月)実施しています。等級を限定している回もありますので、詳細は公式サイトを確認しましょう。
受験費用
・1級:6,500円
・準1級:5,300円
・2級:4,100円
・3級:2,800円
難易度
面接が行われる準1級以上になると難易度も上がりますが、3級・2級なら独学でも取得可能なレベルです。秘書への転職を目指すなら、2級の取得が望ましいでしょう。
秘書の基本業務や、一般的なビジネスマナーが問われるため、過去問題を解いて出題傾向を把握し、理解力を高めていく方法がオススメ。迷いやすい選択肢も多いので、対策本を読み込んで出題パターンを押さえることも合格への近道です。
※関連記事:『【独学での秘書検定対策】2級~1級に合格するための勉強のコツをご紹介』
経理事務にオススメの資格
次に、経理事務にオススメしたい資格をご紹介します。
日商簿記
経理を目指している方や経理でキャリアアップしたい方にオススメなのは、なんといっても「簿記検定」。特に日商簿記検定は、簿記の資格の中でも知名度や受験者数がNo.1で、企業の経理担当や経理職を目指す方が多数受験しています。
会社によっては日商簿記を経理の必須資格としている場合も多いため、経理への転職を目指す方はぜひチャレンジしてみてください。
資格概要
簿記初級、原価計算初級、3級、2級、1級の5つの等級があります。日商簿記2級以上の資格を経理職の応募条件としている企業も多いため、取得していれば選択の幅が広がるでしょう。なお、1級に合格すると税理士試験の受験資格が与えられます。
試験実施時期
例年、3級と2級は年3回、1級は年2回実施されており、簿記初級と原価計算初級はネット受検が可能です。なお、3級、2級は2020年12月中をメドにネット試験方式も導入予定です。試験の日程や詳細は、公式サイトをご確認ください。
受験費用
・1級:7,850円(税込)
・2級:4,720円(税込)
・3級:2,850円(税込)
・簿記初級:2,200円(税込)
・原価計算初級:2,200円(税込)
難易度
日商簿記は知名度もさることながら、難易度が高いことでも有名です。合格率は、3級は約50%、2級は約20%、1級は約10%と、難易度が上がっていきます。
なお、取得に必要な学習時間の目安は3級で100時間、2級になると200時間以上とも言われています。
そのため、経理未経験の方は、まずは3級の取得からチャレンジし、スクールやeラーニングで学んだり、経理アシスタント職などで実務経験を積んだりしながら2級の取得を目指すと良いでしょう。
※関連記事『【簿記】日商?全商?全経?3つの簿記検定の違いを解説します!』
貿易事務にオススメの資格
続いて、貿易事務にオススメしたい資格をご紹介します。
TOEIC(R)
TOIEC(R)は、日常生活やオフィスにおける実践的な英語コミュニケーション能力を測定する試験です。
すべての会社でTOEIC(R)のスコアが必須とされているわけではありませんが、TOEIC(R)のスコアはビジネス英語のスキルを判断するためによく使用される指標のひとつで、貿易事務では600点以上のスコアが求められるケースもあります。
なお、600点は「基礎の文法と単語力が身についている」目安とされています
資格概要
TOEIC(R)の大きな特徴は、合否ではなくスコアで評価されるという点です。試験はリスニング問題とリーディング問題で構成されています。解答はマークシート方式で、問題や選択肢なども全て英語です。
会社や学校単位でも試験が実施されており、幅広い層が受験しています。
試験実施時期
全国の会場で毎月実施しています。詳細は公式サイトをご確認ください。
受験費用
6,490円(税込)
難易度
TOEIC(R)は合否判定される資格ではないので、腕試しとして自分の実力を把握できます。目標スコアに合わせて勉強を進めましょう。
効率良く学習を進められる対策講座やeラーニングなどを利用してスコアアップを目指す方法がオススメです。
※関連記事『英語力を仕事に活かす!貿易事務職に就くなら、TOEIC(R)は何点くらい必要?』
貿易実務検定
日本貿易実務検定協会が実施する検定試験で、貿易の現場でも広く認知されている検定です。
試験問題は、貿易で使われる専門用語、輸出入取引の流れ、書類の役割についての内容が中心で、これらは現場でも必要な知識となります。
貿易事務職に就くための必須資格ではないものの、未経験から貿易事務を目指す方やキャリアアップを目指す方にオススメの資格です。
資格概要
貿易実務検定はC級・B級・A級の3つのレベルがあります。貿易実務検定の試験は、マーケティング、商談、契約、代金決済、信用状、クレームなど、貿易実務について幅広く学習します。
未経験から貿易事務への転職・就職を考えているなら、まずはC級からスタートしてみてはいかがでしょう。
試験実施時期
全国主要都市で実施される会場試験と、PCやスマートフォンで受験できるWeb 試験があります。詳しい情報は、公式サイトをご確認ください。
受験費用
・A級:12,760円(税込)
・B級:7,480円(税込)
・C級:6,270円(税込)
難易度
直近の合格率は、C級は約70%、B級は約55%、A級は約40%となっています。転職時のアピールとして有効なのはB級以上のケースも多いですが、貿易事務未経験の方は、まずは基礎知識を身につけられるC級から学習をスタートしてみましょう。
B級以上になると、クレーム、貿易マーケティングが新たな出題範囲として加わります。英語力と実務経験を積みながら、B級合格を目指すのがオススメです。
金融事務にオススメの資格
続いて、金融事務にオススメしたい資格をご紹介します。
証券外務員資格/外務員資格
金融業界で働きたいという方にオススメなのが、証券外務員資格です。株式や投資信託などを扱うお仕事に必要とされる資格で、資格取得に必要な学習をすることで、金融業界が未経験でも、金融の基礎的知識を一通り学ぶことができます。
資格概要
資格は「二種」と「一種」に分かれており、一般(金融機関勤務者以外)の方でも受験可能です。「二種」は、株式、債券、投資信託、上級資格である「一種」は、「二種」に加えて先物取引、オプション取引、信用取引を含めた高度な金融商品も扱うことができます。
*なお、外務員資格を取得して証券業務に従事するためには、証券会社または銀行、生・損保会社などに勤務し、「外務員登録」を受けることが必要となります。
試験実施時期
試験は平日のほぼ毎日、主要駅にある試験会場で受験可能です。一般の方が受験する場合は、試験運営会社のサイトをご確認ください。
受験費用
9,880円(税込)
難易度
試験は70%以上の得点で合格となります。一般受験の場合、「二種」「一種」ともに7割弱の合格率です。
試験は選択式問題のため、過去の出題傾向を把握し、対策本やeラーニングなどで過去問題を繰り返し学習するのがオススメです。金融業界が未経験の方はまずは「二種」からチャレンジし、さらに上位資格の「一種」にチャレンジすると良いでしょう。
なお、パソナでは、登録スタッフ限定で「証券外務員資格 eラーニング講座」を実施しています。金融機関向けの社員教育にも多数導入されている合格実績も高い講座をお手頃な価格で提供しています。
証券外務員資格を目指す方はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
事務職の就職に活かせる資格取得を目指そう
資格を取得すれば転職の際のアピールにもなり、実務に必要な基礎知識を学べるのでスムーズにお仕事をスタートできるでしょう。事務職への転職やキャリアアップを目指す際には、ぜひ資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
資格取得にあたっては、自分の目指す方向性やスキルのレベルに応じた資格を選び、自分に合った学習方法で効率良く学習を進めることが大切です。また、事務職をお探しの場合は、資格取得のための研修制度が充実している派遣会社を選ぶこともオススメです。
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