貿易事務が「忙しい」「大変」って本当? 詳しいお仕事内容や、お悩み解決方法を紹介!
貿易事務は、一般事務から専門性の高い職種へのキャリアチェンジを検討する際に、選択肢のひとつとして挙げられることの多いお仕事。一方で、「海外企業とのやり取りが難しそう」「残業が多そう」といった“忙しいお仕事”というイメージを抱いている方もいるでしょう。
実際のところ、貿易事務のお仕事はどのくらい大変なのでしょうか。
今回は貿易事務の職場環境や業務内容、身につくスキル、やりがいについて紹介します。
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- 目次
- 貿易事務のお仕事が「きつい」「大変」と言われる理由
- 貿易事務に関する悩みを解決するには?
- 業種・業界によって違う貿易事務のお仕事内容
- 貿易事務の業務を通して身につく「英語スキル」とは?
- 貿易事務の「やりがい」とは?
- 貿易事務へ転職した方の体験談
- スキルやライフスタイルに合った貿易事務のお仕事を探してみよう
貿易事務のお仕事が「きつい」「大変」と言われる理由
貿易事務のお仕事にネガティブなイメージがあるのはなぜでしょうか。就業後のよくある悩みとその要因について紹介します。
予測できないことが起こりやすい
貿易事務は、日本とは異なる商習慣を持つ海外企業とやり取りするお仕事です。
お仕事をしていると、日本では考えられないほど時間にルーズな国や企業の対応や、商品の不備が多発することもあります。
また、貿易の輸送手段は海上輸送が主流です。海上輸送は届くまでに日数がかかり、欧米との取引であれば商品の到着までに1〜2ヶ月ほどを要します。輸送中は天候や社会情勢の影響を受けやすく、当初予定していた通りに受け取れないこともあります。
そうした予期せぬ事態がたくさんある中で、貿易事務のお仕事は正確さが求められるため、人によってはプレッシャーを感じてしまうこともあるようです。
コミュニケーションスキルが求められる
貿易事務のお仕事では、不慮のトラブルを想定したうえで条件交渉をすることが大切です。
取引先とは英語をはじめとする外国語を使ってコミュニケーションを行うため、ときには意思疎通が上手くいかず認識のズレが生じてしまうこともあります。さらに、取引先に条件を要求するだけでなく、他部署とやり取りをして社内調整を行うのも貿易事務のお仕事です。
こうした多方面への折衝業務が、人によっては「きつい」と感じてしまうポイントかもしれません。
残業時間が長くなりやすい
事務処理も貿易事務の業務のひとつで、複数案件の書類を同時並行で正確に処理をしていきます。
会社や業種によっては、業務量が膨大になりやすく、それに比例して残業が多くなりがちです。
そのため、理想のワークライフバランスを実現できない可能性があります。
緊急時など場合によっては、時差が大きい国とリアルタイムでの対応が必要になります。
そのときは、遅い時間まで取引先からの連絡を待たなくてはなりません。
具体的な成果が見えづらい
貿易事務は、営業のように成果を数字で表しづらいお仕事です。そのため、評価制度が整っていない環境や、上司の理解が得られない職場では「正当な評価がされていない」と感じることもあります。
未経験から貿易事務のお仕事に就いた当初は、覚えることも多く、できることが増えるたびにやりがいを感じられます。ですが、慣れてくるとある程度業務が固定化していきます。
成果を出していても、人によってはやりがいを感じにくくなってしまうかもしれません。
想像していたほど語学力を活かす場がない
お仕事の中で英語をはじめとする外国語を使う機会は、「コレポン」と呼ばれるメール・書類作成業務がメインです。なかには英語での会議に出席したり、外国人の同僚や上司と英語で話したりする企業もありますが、日常的なコミュニケーションで英語を使用する企業は少ないでしょう。
「英語力を活かして働きたい」と思ってお仕事に就いても、想像よりも活用する場面が少なく、物足りなさを感じる可能性もあるでしょう。
貿易事務に関する悩みを解決するには?
貿易事務のお仕事に就く前に、事前に準備しておきたいポイントについて紹介します。
1. 希望のライフスタイルに合ったお仕事を見つける
貿易事務の残業時間は、規模の大きい会社ほど少なく、小規模な会社ほど残業が多い傾向にあります。
その理由は、大規模な会社は分業化が進んでいて、1人あたりの業務負担が少ない体制をとっているからです。反対に規模が小さい会社になるほど、1人あたりの業務範囲は広くなります。
「大企業への転職はハードルが高そう」と感じる方は、派遣会社の利用がおススメです。
派遣会社では大企業のお仕事も数多く扱っていますし、一人ひとりに合ったお仕事探しのサポートも行っています。
2. 資格や研修を通してスキルアップを図る
予測しづらい業務や、交渉業務にプレッシャーを感じている場合は、スキルアップを検討してみてはいかがでしょうか。
スキルアップの方法は、貿易事務に関する資格の取得や、研修の受講などがあります。
貿易事務向けの研修講座は、派遣会社や資格の運営会社などで開催されています。内容や開催日時などを確認してみましょう。パソナの貿易事務講座は、以下のリンクからチェックできます。
※関連ページ:貿易事務で働く | パソナ
3. スキルや経験に合ったお仕事を新しく探す
「貿易事務」と一口に言っても、業種・業界によってお仕事内容は異なります。
「成果がなかなか評価されない」「もっと英語を活かせるお仕事がしたい」と悩む方は、自分に合った環境へ転職を検討してみてはいかがでしょうか。
お仕事探しでは、秘書や英文事務など、貿易事務で培った事務処理能力や折衝力を活かせるお仕事へのキャリアチェンジも視野に入れてみましょう。
※関連ページ:TOEIC 580点からOK!ちょこっと英語を使うお仕事 |パソナ
業種・業界によって違う貿易事務のお仕事内容
貿易事務は、海外から商品を輸入したり、国内から海外へ商品を輸出したりする際に必要な事務手続きを行うお仕事。貿易関連書類の作成、内容のチェック、英語によるメールのやりとり(コレポン)が主な業務です。
貿易事務と言えば、商社やメーカーでのお仕事を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、貿易取引にはさまざまな業界の会社や機関が携わっており、それぞれの会社で貿易事務のお仕事があります。
業種・業界、または会社の規模や社風、取引先や取扱商品などによって、貿易事務職の職場環境や業務内容が異なるため、今回は3つの業種・業界別にどんなお仕事をしているのか、一般的にどんな職場環境なのかをご紹介します。
商社・メーカー
商社・メーカーは、輸出者(売主)または輸入者(買主)いずれかの立場で貿易取引を行います。
輸出者・輸入者は、貿易取引における“売主・買主”であり、どちらも取引の主役とも言える存在。
そのため、貿易事務は海外企業との交渉、商品の受発注、船積書類作成・確認、輸出入通関手配、商品代金決済など、貿易取引の最初から最後まで携わるケースがほとんどです。
一般的に、大手企業になるほど貿易業務は細分化されており、「輸出業務」と「輸入業務」、「海外渉外」、「書類作成業務」など、異なる貿易事務担当者が連携して業務にあたります。
対して、中小の専門商社やメーカーの貿易事務職では、貿易に関わるすべての業務を担当するケースが多いようです。
貿易初心者の方の場合、覚えることが多くて大変というケースもありますが、貿易の一連の流れに携わりたい方は、関わる業務の幅が広いお仕事を探すのもひとつです。
フォワーダー
国際物流のコーディネーターである「フォワーダー」は、商社やメーカーの依頼を受けて、通関など輸出入に関する一連の業務を代行する会社です。
フォワーダーは輸出入者の代理人なので、その業務範囲はとても広いのですが、国際運送の手配、輸出入通関の手続きが主な担当範囲となっています。
貿易事務も商社・メーカーと同様、大手企業になるほど行う社内業務が細分化されています。また、代行業という仕事柄、業務応対のスピードが重視され、他部署との業務連携が取れている場合が多いようです。
船会社・航空貨物代理店
船会社・航空貨物代理店は、自社または関係会社が所有する運搬手段を用いて、輸出入者の貨物を運送している会社です。
国際運送に関わる業務がメインなので、貿易取引全体の流れから見ると業務範囲は限定的ですが、輸出入者・フォワーダーなどの関係各社とやりとりをしながら、運送に必要な手続きを行っています。
貿易事務職は、対応業務が限定されており、部署間で連携を取りながら業務を進めることが多いようです。窓口の営業時間も決まっているため、残業が少なく、比較的定型のオペレーション業務が多い傾向にあります。
貿易事務の業務を通して身につく「英語スキル」とは?
貿易事務は、海外の企業と英文メールのやり取りをしたり、売買契約書など英語の書類を作成・確認したりすることが多いお仕事。そのため、ある程度の英語力が求められます。
ただ、貿易取引における英語でのやりとりは、「商品を受発注する」「価格や納期を交渉・確認する」「発送・到着をお知らせする」など、定型化された英文を使用することがほとんどですので、高度な英語スキルが求められるお仕事ばかりではありません。
貿易取引で使用される貿易用語の知識を持ち、貿易書類やメールに書かれた定型文を理解できれば、問題なく業務を遂行できるでしょう。
未経験から貿易事務のお仕事にチャレンジするとき、TOEIC(R)スコアは600点以上あると有利にはたらくと言われていますが、お仕事に就くことができればその後は努力次第です。
実務を通して英語の読み書きをしていれば、自然と英語力が鍛えられますし、商談への参加など業務範囲が広がるにつれて、英語力を向上させることができるでしょう。
貿易事務の「やりがい」とは?
会社によって貿易事務の業務範囲は異なるため、何にやりがいを感じられるかも人それぞれです。
インターナショナルな貿易取引の最前線に携わることができることや、国内外問わずさまざまな人と関わりながら貿易取引のサポートを行うことに魅力を感じる方が多いようです。
トラブルなく取引を終えたときの達成感が大きい
貿易取引は、煩雑な書類手続きが多く、ひとつの取引に関わる時間も長いため、無事に取引を終えたときには大きな達成感を得ることができます。
国際的な視野が広がる、異文化理解が深まる
国際ビジネスの現場に携わっていると、各国の商習慣や文化など「日本との違い」を身近に感じることができます。各国の違いを知ることで、国際的な視野が広がり、異文化についての理解も深まります。
英語力やコミュニケーションスキルを磨くことができる
海外企業とのメールなどでのやりとりは、英語が基本。
書類も英文であることがほとんどなので、働きながら英語のスキルアップもできるでしょう。
また、取引に関わる中で仲介役を担うため、コミュニケーションスキルや折衝力も身につきます。
貿易事務へ転職した方の体験談
経歴:貿易事務経験 6年
大手電機メーカーの商社に派遣社員として勤務、輸出業務全般を担当
貿易のお仕事は、顔を合わせたことのない違う国の方とメールでやり取りするため、難しさを感じることもあります。誤解なく伝わるよう、相手に配慮した分かりやすい表現を心がけて業務を行っています。
語学力以上に意欲や商習慣への理解が重要で、責任感のあるお仕事が多いので緊張もしますが、やりがいを感じながら取り組めるお仕事です。
今のお仕事は営業部門とのコミュニケーションも活発なので職種を越えた一体感がありますし、派遣社員でも十分すぎるほど仕事を任せてもらっています。
※関連ページ:貿易事務のお仕事インタビュー | パソナ
スキルやライフスタイルに合った貿易事務のお仕事を探してみよう
貿易事務の職場環境や業務内容、やりがいについてイメージはできたでしょうか。
お仕事の忙しさは会社の規模や業務フローによっても異なるため、これからお仕事を探す方は、紹介したポイントを参考にして、事前にチェックしておくと良いでしょう。
また、貿易事務は雇用形態や業務範囲に応じて、さまざまな働き方を選べるのも魅力のひとつです。
未経験からスタートする場合は、貿易事務の一部を担う派遣のアシスタント業務から始めて、転職しながらキャリアアップを図る方法もひとつですし、段階的にステップアップが図れる会社で、貿易事務としての経験を積んでいく方法もあります。
業務の幅が広いと、その分忙しいという面もありますが、貿易取引の一連の流れが良くわかりますし、貿易事務として多くの経験ができるでしょう。
ご自身のスキルやライフスタイルに合ったお仕事を探してみてくださいね。
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