コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは?仕事内容や向いている人、SVを目指す方法について解説
コールセンターのお仕事情報に「SV(スーパーバイザー)」とあるけれど、「どんなお仕事なの?」「オペレーターよりもお給料が高いの?」と疑問に思う方もいると思います。また、コールセンターの経験者は転職の際にSVを目指してみたいという方も多いのではないでしょうか。
今回は、SVの担当する主な仕事内容や、やりがい・求められるスキル、向いている人の特徴などについてわかりやすく解説します。SVになるための方法や必要な経験も紹介しますので、参考にしてみてください。
コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは?
コールセンターのSV(スーパーバイザー)とは、電話応対を担当するオペレーターの労務管理・監督を務める役職のことをいいます。
主な役割は、オペレーターの教育・労務管理、電話応対の品質向上、部門やチームの目標管理です。
オペレーターの育成や採用、労務管理、成果の分析、クレームの二次対応、部門やチームの業務改善などの幅広い業務を手がけます。コールセンターの運営には欠かせない存在で、一定の需要があります。
コールセンターの規模によっても異なりますが、SV1名につきオペレーター5名~20名程度を担当することが一般的です。SVは部門やチームの支柱となる存在なので、SVの支援次第でオペレーターの成果や生産性も変わります。
コールセンター内の役職順位は、「センター長>SV>LD(リーダー)>オペレーター」となっている会社が多いです。LDとは、オペレーター数名のまとめ役として、指導や教育を担うポジションです。
SVはオペレーターだけでなくLDにも業務の指示を出したり、上司であるセンター長に部門やチームの成果を報告したりする役割も担っています。
SVの仕事内容
SVの仕事内容について、5つに分けて具体的に解説します。
1.オペレーターの育成
SVのお仕事のひとつに、オペレーターの指導・育成があります。
担当チームのオペレーターにノウハウを共有したり、座学研修やOJTでは電話応対のお手本を実演したりといった内容がメインです。必要であれば、通話中のオペレーターのサポートをしたり、難しいお客様へ自ら対応したり、会話の流れのアドバイスを行います。
オペレーターのスキルアップ、部門やチームの品質向上につながるトークスクリプトの作成・改善は、高度なスキルを持つSVのお仕事のひとつです。トークスクリプトとは、適切な電話応対の流れや言葉遣いがまとめられたオペレーター向けの台本のことです。
トークスクリプトに実践的なノウハウを盛り込むことで、オペレーターのスキルアップを促すことができ、部門やチームの成果向上につなげられます。
2.オペレーターのシフト・勤怠管理
オペレーターのシフト管理(勤務調整)もSVのお仕事です。
部門やチームの繁忙期や閑散期を、週(曜日)単位、月単位、年単位で把握し、シフト管理を行います。繁忙期はオペレーターに負荷が大きくなり過ぎないように、閑散期は余剰人員が出ないように調整することが大切です。
また、オペレーターの勤怠を管理することもSVの仕事です。繫忙期であっても、通常通りに休憩を取るよう促したり、遅刻や欠勤が多いオペレーターには事情をヒアリングしたりします。理由に合わせてアドバイスを行い、場合によっては相談に乗ることもSVの役割です。SVがオペレーターをマネジメントすることで、生産性の高い部門やチーム作りができるでしょう。
3.問い合わせへの二次対応
オペレーターが対応しきれない難易度の高い電話は、SVが二次対応をすることが多いようです。
トラブルに関する問い合わせやクレームは、オペレーターの一次対応では事態を収拾できない場合もあります。難しい状態のまま対応を続けるとさらに深刻な状況になることもあるでしょう。上司であるSVが二次対応を担当し、より適切な応対を行うようにします。高度な対応を行えるSVが適切に二次対応をすることで、コールセンター全体としての業務改善・品質向上に繋げることができます。
SVはスキルを超えた対応を要求されているオペレーターがいないかどうか、常に周りを確認して、必要であれば、速やかにフォローを行うことを心がけましょう。
4.オペレーターのモチベーション管理
オペレーターの意欲が下がっているときには、モチベーションを高めるためのアプローチを行います。
良いところを褒めたり、お客様からのポジティブなアンケート結果などを紹介したりすると、やる気も上がることでしょう。また、「いつも丁寧に対応してくれてありがとう」「○○さんがみんなのお手本になっているよ」など、定期的に声をかけて励ますこともポイントです。
オペレーターのモチベーションが向上すれば、部門やチーム全体の電話応対の質も自然と高まります。
5.部門やチームの成果管理
部門やチームの目標を管理し、成果を高められるように工夫するのもSVの役目です。
目標には、取れなかった電話の数(放棄呼)やお客様を待たせてしまった数(待ち呼)、アポイント獲得件数、商品の受注件数などが挙げられます。数字を分析して、より品質の高い対応方法を考えることが大切です。
例えば、オペレーターの通話記録を分析したり、他の部門やチームのSVと意見交換したりしながら、どうすればスムーズに対応できるかを検討します。
SVのやりがい
SVは幅広い役割を担うからこそ、やりがいも大きいと言われています。
オペレーターの成長を実感できる
自分の指導やアドバイスを通じて、オペレーターの成長を感じられたときにやりがいを感じられます。
最初は上手にお客様対応できなかったオペレーターも、SVと練習を繰り返すことで、次第に電話応対の品質が上がることもあります。オペレーターがお客様から褒められたときには、SVも自分のことのように喜びを感じるでしょう。
また、オペレーターのスキルが上がれば、部門やチームの成果が数字として現れることも多いです。
数字を分析して品質を改善し、高い成果を出せた際には、部門やチームの全員で達成感を味わえます。
高めのお給料が期待できる
SVは管理・監督者という役職のため、一般的にオペレーターより高い給与水準になっています。
部門やチームの業績が上がれば、目標達成に対するインセンティブ(成果報酬)が支給されるケースも珍しくありません。
基本給が高く、成果次第でお給料をさらに高められることもあるので、お仕事のモチベーションにもつながるでしょう。
SVに求められるスキル
SVは多様な役割を担うため、広範なビジネススキルが求められます。
マルチタスクに対応できるスキル
SVの業務は、オペレーターの育成、マネジメント、成果管理まで多岐にわたります。
オペレーターのサポートに対応しつつ、時間配分を工夫して数字分析や戦略立案にも取り組むこともあります。いくつもの業務が重なることが多く、優先順位をつけながら、マルチタスクに対応できるスキルが必要です。
セルフマネジメントができるスキル
SVがオペレーターから引き継ぐ電話応対は、難易度の高い問い合わせやクレーム対応が多いでしょう。また、部下のオペレーターのミスが重なったり、チームの成果が目標に届かなかったりなどの場合は、SVが率先して解決へと導くこともあります。
そのため、モチベーションやストレスを自分でコントロールするスキルが不可欠です。
SVに向いている人
SVに挑戦する際には、適性やスキルなど、経験の棚卸しをすることをおススメします。
傾聴力が高い人
SVはオペレーターの気持ちを察して声をかけたり、相談に乗ったりすることもあります。
そのため、コミュニケーション能力があり、相手の話に耳を傾けることができる、傾聴力が高い人は向いているでしょう。オペレーターからもコミュニケーションが取りやすい上司となり信頼関係を築くことができます。
一人ひとりに合わせたスキルアップ方法を考えられる人
SVは、チームや部門に在籍する複数人のオペレーターを育成します。オペレーターによって強みや課題は異なることが多く、それぞれのスキルレベルに合わせた教育方法を考え、レベルアップをサポートできる人に向いています。
数字の分析や管理が得意な人
SVのお仕事には、部門やチーム全体の業務の目標達成に向けて設定された数字(KPI)の管理やレポートの作成なども含まれます。感覚ではなく、論理的に傾向や結果を分析して、改善に向けた戦略を練ることが大切です。そのため、数字の分析や管理が得意で、ロジカルな思考ができる人に向いています。
コールセンターのSVになるための方法
SVは、オペレーターの指導を担う役職です。指導を行うにあたって必須の資格はありませんが、質の高い電話応対のスキルが求められます。また、オペレーターと円滑にコミュニケーションを取るには、コールセンターの働き方や仕事内容に関する深い理解が必要となります。
そのため、職種は異なるけれども業務内容が近いSV経験者を除き、コールセンター業界未経験者がSVになることはあまりないようです。まずはコールセンターのオペレーターとして電話応対を学んでから、社内昇格や転職でSVにステップアップすることをおススメします。
正社員や派遣社員として2~3年以上のオペレーター業務を経験することで、現場で求められるひと通りのスキルや知識を身につけられます。そこからLDとなり管理業務に挑戦し、マネジメントスキルを磨いて、SVを目指すことが一般的です。
コールセンター未経験者がSVになるためには、まずはオペレーターのお仕事探しから始めましょう。
まとめ
SVの業務内容は、オペレーターの教育・労務管理、電話応対の品質向上、部門やチームの目標管理など幅広く、広範なビジネススキルが必要です。
SVを目指すためには、まずオペレーターとして経験と実績を積み、必要なスキルや知識を身につけましょう。オペレーターの働き方は、雇用形態によっても異なります。なかでも派遣社員のオペレーターは、未経験からスタートしやすく、自分に合った条件の職場を選びやすいのが特徴です。
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