悩み・質問

2019/01/16

派遣社員は社会保険に入れる?社会保険加入となる就業条件について

著者: パソナ キャリアコーチ

派遣社員は社会保険に入れる?社会保険加入となる就業条件について

時短勤務や週3日の勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方ができる派遣社員。人それぞれ契約内容が違うので、自分が社会保険に加入できるのか気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、派遣社員が知っておくべき、社会保険に関する情報をご紹介します。

目次
そもそも、社会保険で何が保障されるの?
派遣社員も要件を満たせば社会保険の加入対象に!
時短勤務でも社会保険に加入可能?
次のお仕事まで待機期間が発生してしまったら
派遣会社を変える際に必要な社会保険の書類と手続き
まずは派遣会社の営業担当者に相談してみよう

そもそも、社会保険で何が保障されるの?

社会保険とは、失業・労働災害・介護といったさまざまな人生のリスクに備えて、あらかじめ国民が公平に保険料を出し合って生活を保障するための公的な保険制度です。日本の場合、狭義では「健康保険」「厚生年金保険」「介護保険」の3つを指し、広義ではそれに「労災保険」「雇用保険」を加えた5種類の社会保険制度 のことを指します。

健康保険

病気やけがなどの事態に備えて保険料を出し合い、医療費に充てる公的な医療保険制度。

厚生年金保険

会社などで働いている人がすべて対象となり、経済状況などにかかわらず、安心・自立した老後を過ごすための制度。厚生年金は国民年金にプラスして払うものであり、将来は厚生年金と国民年金をダブルで受け取れます。

介護保険

今後増加が見込まれる介護費用を、国民全体でまかなうための保険制度。40歳以上の国民が、「介護保険料」の納付義務を負う対象となります。

雇用保険

雇用の安定を目的として、働く人の生活を保証する制度。労働者の能力開発・向上を目的とした職業訓練の実施や、何らかの理由で失業した場合に、再就職を促進するための失業等給付も雇用保険の対応範囲です。

労働者災害補償保険(労災保険)

業務上または通勤途中でのけが・病気・事故に遭った場合、本人や遺族に対しての給付が行われる補償制度。正社員や契約社員は基本的に就業先の企業が加入しますが、派遣社員は雇用主である派遣会社が加入します。

※関連記事:『今さら聞けない!派遣社員の「社会保険」について』

派遣社員も要件を満たせば社会保険の加入対象に!

派遣社員も要件を満たせば社会保険の加入対象に!

派遣社員も、要件を満たす場合は社会保険の加入対象に なります。健康保険、厚生年金保険、介護保険、雇用保険については、契約期間と働く期間がポイントとなります。それぞれの加入要件を見ていきましょう。(2018年11月現在)

健康保険・厚生年金保険・介護保険

・週の所定労働時間:常勤フルタイム勤務者の3/4以上(一般的に週30時間以上)
・雇用契約期間:2か月と1日を超える(またはその見込みがある※)
・年齢による加入要件:
 健康保険…75歳未満(誕生日の前日まで)
 厚生年金保険…70歳未満(誕生日前日まで)
 介護保険…満40歳以上65歳未満(誕生日前日から加入)

※パソナの場合、当初の労働時間が加入要件に満たない場合でも、契約延長された場合には、延長開始日より加入対象となります。詳しくは「社会保険・雇用保険」をご確認ください。

雇用保険

・週の所定労働時間 : 20時間以上(1ヶ月で87時間以上)
・雇用契約期間 : 31日以上の雇用見込みがあること

労働者災害補償保険(労災保険)

・契約期間に関わらず、派遣先での就業開始時点から自動的に適用

時短勤務でも社会保険に加入可能?

2016年10月1日より、上でお伝えした狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)において、短時間労働者に対する保険適用が拡大 されました。短時間労働者の社会保険加入条件は次の通りです。

  • 1週間の労働時間が20時間以上であること
  • 賃金の月額が8.8万円(年収106万円)以上であること
  • 契約期間が1年以上見込まれる
  • 学生でない
  • 厚生年金保険の被保険者数が500人を超える企業で就労すること

※2017年4月より、500人以下の企業でも事業所が一定の要件を満たすと加入できるよう、適応対象が広がりました。

時短勤務でも、上記5つの条件をすべて満たすと、狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)加入対象となります。扶養範囲内で働きたい場合など、社会保険への加入を控えたいならば、加入要件を満たさない範囲でお仕事を探すことが必要となります。

<参考:扶養内で働くためには?>
ご自身の年収が130万円未満かつ、その他の扶養要件にも該当する場合は、扶養者の扶養に入ることができ、自分で社会保険料を支払う必要はありません。住民税・所得税それぞれの保険料が発生する年収ラインに関しては、「扶養内で働きたい」をご確認ください。

次のお仕事まで待機期間が発生してしまったら

社会保険は雇用主である派遣会社が手続きを行うため、一定の空白期間であれば継続できるケースもあるようです。パソナの場合、契約終了後1ヶ月以内に次のお仕事がスタートすれば、社会保険の継続可能となります。派遣会社によってそれぞれの規定があるため、詳しくは各派遣会社に確認しましょう。

派遣会社を変える際に必要な社会保険の書類と手続き

先述の通り、社会保険は派遣会社である派遣会社が加入しています。よって、派遣会社を変更する際の社会保険の変更手続きは、契約が終了した派遣会社と次の派遣会社で行います。スムーズに手続きを進められるよう、必要書類をチェックしておきましょう。

・契約終了した派遣会社に返却するもの・・・「健康保険証」
・次の派遣会社に提出するもの・・・「基礎年金番号」「雇用保険番号」

まずは派遣会社の営業担当者に相談してみよう

「派遣のお仕事を探しているけれど、希望の働き方が社会保険の加入要件を満たしているかがわからない」という方は、登録先の派遣会社の営業担当に相談してみてはいかがですか?安心してお仕事をスタートするためにも、スッキリ疑問を解消して前に進みましょう!

 
参考サイト:

みんなの仕事ラボ(シゴ・ラボ)は、働くすべての方々に向けたキャリアアップ、スキルアップのためのお役立ちサイトです。
「仕事はずっと続けるつもりだけど、このままでいいの…?」「何かスキルを身に着けたいけど自分には何が向いているか分からない」「職場でこんなことがあったけど、これって普通?」など、お仕事をする上でのお悩みや困ったをお助けするヒントやちょっとしたアイデアをお届けします。