派遣から正社員になる方法とは?職歴の活かし方や派遣会社の活用法についても紹介
派遣社員としてお仕事をしている方の中には、
「子どもが大きくなってから時間に余裕ができた」
「派遣のお仕事を通じて身についたスキルを活かして、ステップアップしてみたい」
「ブランク期間があり、働くのが不安だったけど、派遣のお仕事を通して自信がついた」
などのさまざまな理由から、正社員への転向を前向きに検討している方もいるでしょう。
派遣から正社員に雇用形態を変えるにはどんな方法があり、働き方には違いがでてくるのでしょうか。
今回は、派遣社員が正社員を目指すための準備や、注意点、派遣社員から正社員になるための方法について紹介します。
※ご紹介した情報は、掲載した時点での情報です。掲載した時点以降に変更される場合もあります。
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- 目次
- メリットの多い働き方はどっち?派遣と正社員の違いを紹介
- 派遣から正社員になる3つの方法
- 「未経験の業界や職種の正社員」への転職は可能?
- 正社員になるためのポイント
- 派遣社員として働いた職歴の活かし方
- 正社員登用の面接でよく聞かれる質問
- 紹介予定派遣について詳しくご紹介
- 派遣から正社員への転職に関するQ&A
- 紹介予定派遣を賢く活用しよう
メリットの多い働き方はどっち?派遣と正社員の違いを紹介
そもそも派遣と正社員にはどんな違いがあるのでしょうか。雇用期間、仕事内容や就業場所、福利厚生についてそれぞれの違いについてまとめました。
雇用期間
正社員:無期雇用
正社員は基本的に、自ら離職するか解雇されない限り継続して勤務することができます。
派遣社員:有機雇用
派遣の種類にもよりますが、基本的に派遣契約は期間を定めて行われ、派遣期間が終了した時点で派遣会社との雇用契約も終了します。
契約期間満了の1ヶ月前には、派遣会社から次のお仕事の案内をもらえたり、自身でお仕事を探したりすることもできます。お仕事探しのサポートが手厚い派遣会社であれば、ブランクが空くことなくお仕事を続けることもできるでしょう。
仕事内容・就業場所
正社員:昇進・昇格・異動・転勤の可能性がある
正社員で総合職採用の場合、業務上の裁量が大きく、昇進・昇格のチャンスがあることが特徴です。
ひとつの会社でキャリアを築くことができ、会社の中核業務に携わることも多いです。
また、人事異動の対象となり職種・業務内容が変更になる可能性もあります。
就業場所は、雇用契約の内容によっては、転勤が発生することもあるでしょう。
派遣社員:契約の範囲内で決まったお仕事を担当
派遣社員の仕事内容は、契約で定められた業務を就業先の指揮命令に基づいて行います。
責任ある判断や部下の管理などを行うポジションに就くことは少ないですが、契約期間中は仕事内容が変わる可能性は基本的にありません。
就業場所も契約の際にあらかじめ決められているため、転居をともなう転勤や望んでいない部署へのジョブチェンジが起きることはほとんどないといえます。
福利厚生
正社員も派遣社員も法定の福利厚生が適用される
福利厚生制度には法律で定められているものがあり、正社員も派遣社員も一定の条件を満たしていれば利用できます。法定の福利厚生制度は、健康保険・厚生年金・雇用保険などの社会保険、産休・育休、有給休暇、健康診断などです。
派遣社員の場合は、登録する派遣会社の福利厚生が適用されます。福利厚生が充実した派遣会社では、交通費が支給されたり、保育所やがん検診も利用できたりするケースもあります。
※関連ページ:福利厚生 | パソナ
※関連ページ:ベネフィット・ステーション | パソナ
正社員が向いている人と派遣が向いている人、それぞれの特徴
正社員は「ひとつの職場でキャリアを積みたい方」におススメ
正社員として働く場合、企業規模によっては転居をともなう異動の可能性もありますが、幅広い実務を通して専門的なスキルを高めることができ、昇進も目指せます。福利厚生が手厚い企業であれば、長く勤めるほど給与や退職金にも期待できるでしょう。
派遣社員は「勤務時間・就業場所にこだわりたい方」におススメ
一方で、勤務時間や就業場所に制約がある方や、家庭・趣味・地域活動といった仕事以外の生活をより重視したいという方は、派遣社員がおススメです。
お仕事の内容は契約であらかじめ決まっているため、転勤の心配はありません。
また、時短で働けるお仕事や、残業の少ないお仕事を選ぶことで、ライフスタイルにあった理想の働き方も実現できるでしょう。
派遣から正社員になる3つの方法
派遣から正社員になるには大きく3つの方法があります。それぞれ正社員として働き始めるまでの流れが異なるため、ここで整理しておきましょう。
1. 正社員のお仕事を探して転職する
正社員の求人に応募して転職活動を行う方法です。派遣のお仕事探しとは異なり、企業への連絡や面接日の調整、履歴書など応募書類の準備をすべて自分で行う必要があります。自分の強みやアピールできるスキルを整理して、希望のお仕事に就くために準備をしましょう。
派遣のお仕事を続けながら転職活動を行う際は、契約満了日との兼ね合いなどにも注意が必要です。
一般的には、契約満了日の3ヶ月ほど前から転職準備を進めると良いと言われています。
2. 紹介予定派遣のお仕事を見つける
紹介予定派遣とは、就業先企業での正社員や契約社員などの直接雇用を前提とし、一定期間派遣社員として働く制度です。派遣期間は最長6ヶ月で、派遣契約が終了するタイミングで就業先企業と派遣社員、双方の合意のもとに直接雇用に切り替わります。
3. 今の就業先で正社員に登用される
就業先企業が正社員登用制度を設けている場合、派遣から正社員に登用される可能性もあります。
紹介予定派遣との違いは、派遣契約開始時点では直接雇用を前提としていないということです。
派遣期間中の働きぶりやスキルを評価されて正社員登用に至ります。大企業より中小企業のほうが正社員登用されやすい傾向にあり、就業先企業から打診される場合が多いようです。
「未経験の業界や職種の正社員」への転職は可能?
ここまで派遣社員から正社員を目指すための方法について紹介してきましたが、なかには「実務経験はないけれど、正社員として希望するお仕事に就きたい!」と考えている方もいるでしょう。
派遣社員から、未経験の業界や職種の正社員を目指すためには、どうすれば良いのでしょうか。
未経験の業界や職種で正社員を目指す際の転職活動のポイントを紹介します。
これまでのスキルや経験を活かす
未経験の業界や職種であっても、これまでの経験がアピールポイントにつながります。
例えば、接客業から事務職を目指すのであれば、接遇応対のスキルやコミュニケーションスキルをオフィス業務でも活かすことができるでしょう。異なる業界や職種からの転職であっても、お仕事に活かせる自分の経験やスキルを見つけて、強みとしてアピールしてみてください。
志望理由を明確にする
面接で志望理由を聞かれたときは、お仕事への熱意をしっかりと伝えましょう。
転職先の業界や職種を志望した理由や、目指すきっかけについて面接官に好印象を持ってもらえるような回答を用意しておくことが大切です。
キャリアプランについて明確なビジョンを持つ
曖昧な気持ちでその業界や職種を目指すのではなく、自分の中でのキャリアプランをより明確にしておきましょう。希望のお仕事を経験することで将来何を目指したいのか、面接用の受け答えを考えるだけでなく、自分の中での明確なビジョンを持つことで、しっかりとしたアピールができるでしょう。
正社員になるためのポイント
派遣社員から正社員になるためには、具体的にどんなことをすれば良いのでしょうか。
転職活動の準備を進める中で4つのポイントについて紹介していきます。
1. 自分の経験・スキルを振り返る
自分のこれまでの経歴やスキルについて棚卸しをしておきましょう。
採用担当者は、応募してきた人にどんなスキルがあり、どんな経験があるのかを確認します。
自分の経歴やスキルの整理ができていないと的確にアピールすることはできません。
場当たり的に答えるのではなく、あらかじめ自分のこれまでの経験やスキルについて振り返り、自己分析をしておきましょう。
2. 経験・スキルの活かし方を考える
経験・スキルの棚卸しができたら、次に「スキルや経験をどのように活かして、将来につなげられるのか」考えてみましょう。
一般的に、派遣社員は「スペシャリスト」として、専門分野に特化したスキルを求められますが、正社員の場合は「ジェネラリスト」として、専門分野以外の対応や交渉、マネジメントなど、ビジネスにおける複合的な知識・経験も求められるケースが多くあります。
正社員を目指したいと考えるのであれば、専門分野はもちろんのこと、それ以外のビジネススキルも伸ばせるよう意識しておくことが大切です。普段からどんなお仕事でも役立つビジネスコミュニケーションやPCスキルなどを磨いておけば、正社員になったときにも経験やスキルを活かせます。
3. 業界研究を行う
転職活動では、志望する業界や企業について詳しく調べることも必要です。
業界全体の動きや、志望企業の業界内での立ち位置、今後の見通しなどを調べておきましょう。
正社員は、一般的に雇用期間の定めがない雇用形態です。契約満了で退職ということがないため、就業後のミスマッチを防ぐためにも、面接で的確な受け答えをするためにも、業界の研究・分析は必須と言えます。
4. 今後のキャリアプランを考える
自分のキャリアプランについても改めて考えてみることが大切です。進みたい分野や働き方への希望、そもそもどうして正社員になりたいのかなど、自分の考えをしっかり掘り下げることで、具体的なキャリアプランが導き出せるでしょう。
例えば、仕事選びで重視する条件に優先順位をつけてみるのもひとつの方法です。お仕事や働き方において何を大切にするかを明確にすることで、迷ったときの判断軸が明確になります。
そして、3年後、5年後…と、長期的なプランに目を向けることも重要です。
会社規模やスキルを重視するのかによっても、応募する企業は変わってきます。大企業で大きなプロジェクトにかかわるお仕事がしたいのか、企業規模を問わずスキルを活かすお仕事がしたいのかなど、具体的な仕事内容の希望についても考えてみましょう。
派遣社員として働いた職歴の活かし方
派遣社員としての就業経験が多い、または経歴が長いという方のなかには「正社員としての就職を目指すのは、難しいかもしれない…」と思う方もいるでしょう。しかし、派遣社員から正社員へ転職をされている方も多くいます。
雇用形態に関わらず、経験やスキルを適切にアピールすることが大切
採用担当者が重視するのは、雇用形態よりも「今までどんな仕事をしていたのか」「何ができるのか」ということです。
例えば、調理師として3年間正社員で働いた経験がある方と、経理職の派遣社員として3年間就業した方が、経理の正社員募集に応募してきた場合、どちらが有利になるでしょうか?
極端な例ですが、雇用形態にこだわるよりも希望の職種に合った経験やスキルをアピールすることが大切だということです。
「働く中で身につけたスキルや資格」「今まで経験したことのある業務内容」「会社にどのように貢献できるのか」などを面接で伝えることができれば、採用に近づくことができるでしょう。
就業期間が短い場合の注意点
転職活動で、自分の職務経歴や経験業務を説明する際、就業期間が極端に短い場合は、理由を問われる可能性があります。
正社員採用の場合、企業は長く活躍してくれる人材を求めているため、「採用してもすぐに辞めてしまうのでは」といった懸念を抱かれやすいでしょう。
派遣の場合は有期契約が多く、短期間のみのお仕事もあるため、しっかりと面接で説明できる理由があれば、就業期間を気にしすぎる必要はありません。
短期間で多くの企業を経験している方は、理由をきちんと説明できるようにしておきましょう。
正社員登用の面接でよく聞かれる質問
派遣では採用面接がないため、何を聞かれるのかイメージしにくい方もいるでしょう。正社員登用の面接でよく聞かれる質問について紹介します。
今まで派遣で働いていた理由
この質問は、お仕事に対する価値観や目的意識を確認するためのものです。派遣を選んだ理由が、家庭との両立や時間的な制約によるものだったとしても、ポジティブな言い回しを心がけてください。
「子どもが小さかったので時間の融通が利きやすい派遣を選んでいたが、将来的には正社員として働けるよう実務スキルを磨き続けた」など、積極的な姿勢を伝えるようにしましょう。
これから正社員として働きたい理由
正社員として働く魅力のひとつは雇用の安定や収入面、充実した保障などですが、面接の場においてはお仕事に対して消極的な印象を与えかねません。
派遣ではなく正社員だからできること、会社で実現したいキャリアプランなどを答えましょう。
「これまでの経験を活かして、より責任のある仕事をしてやりがいを得たい」「じっくり腰を据えて仕事に取り組みたい」など、熱意を持って長く活躍したいという意思を伝えてください。
※関連ページ:企業面接へ向けて | パソナ
紹介予定派遣について詳しくご紹介
派遣社員から正社員を目指す方にとって、紹介予定派遣は多くのメリットがある制度です。
なぜ紹介予定派遣がおススメなのかを紹介していきます。
紹介予定派遣とは
紹介予定派遣は、正社員や契約社員などの直接雇用を前提として、一定期間(最長で6ヶ月間)就業先企業で派遣社員として働く雇用形態です。派遣社員としての就業期間満了後に、派遣社員と就業先企業、双方の合意のもとで直接雇用となります。
<メリット1>直接雇用後のミスマッチを防げる
紹介予定派遣は、直接雇用前に一定期間派遣社員として就業先企業で働く制度。実際の仕事内容や働く環境を体験したうえで、その企業の正社員として長期的に働けるかどうか判断できるため、直接雇用後のミスマッチを軽減することができます。
<メリット2>派遣会社のサポートを受けられる
転職活動では、希望に合った求人情報を探したり、書類作成や面接対策の準備をしたりすることが負担になりがちです。紹介予定派遣の場合は、派遣会社を介して就業先企業の選定や選考が行われます。
派遣会社からのお仕事案内や、書類作成・面接対策のサポートも受けられるため、効率的に転職活動を行うことができるでしょう。また、派遣就業中も派遣会社が就業先企業との間に立ってフォローしてくれるため、安心して働くことができます。
<メリット3>経験が浅い場合でも就業のチャンスがある
紹介予定派遣では、最長6ヶ月間という派遣就業期間があるため、その期間に働きながらスキルアップしたり、働きぶりをアピールしたりすることができます。
経験・スキルよりもポテンシャルや人柄重視の採用を行っている企業もあり、紹介予定派遣は正社員登用のチャンスが多い働き方と言えるでしょう。
なかには、紹介予定派遣のみで募集している企業の非公開求人に出会える可能性もあります。
紹介予定派遣の流れ
1.派遣登録
まずは派遣会社に名前や連絡先、職歴、スキルなどの「プロフィール」を登録します。
2.お仕事探し
自身でWeb上に掲載されている情報を見てエントリーすることも、派遣会社の担当者から希望にあったお仕事を案内してもらうこともできます。エントリー企業から応募書類や面接が求められるケースもありますので、派遣会社の担当者と準備や対策を行います。
3.派遣社員として勤務(最大6ヶ月)
派遣会社と雇用契約を結び、就業先で派遣社員として働きます。派遣期間中に悩みや困り事があれば、派遣会社の担当者に相談しましょう。問題解決のためのアドバイスや、就業先企業との調整・交渉など、悩みが解消できるように動いてくれます。
4.社員として採用
派遣契約が終了するタイミングで本人と就業先企業のどちらも合意することで、社員として直接雇用されます。
※関連ページ:紹介予定派遣で正社員を目指す | パソナ
紹介予定派遣から直接雇用への就業データ
紹介予定派遣は、派遣の中でも人気があります。厚生労働省の調査によると、令和3年度は求人数に対して約8倍の申し込みがありました。高い倍率を通過して紹介予定派遣として働いた方のうち、7割以上にあたる12,630人が直接雇用になっています。希望条件やスキルとマッチするお仕事が見つかれば、直接雇用の可能性は十分にあると言えるでしょう。
※参考資料:令和3年度 労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)|厚生労働省
紹介予定派遣から正社員に転職した方の体験談
経歴:ベンチャー企業で人事・採用・総務を担当
その後、紹介予定派遣を活用し、金融業界の正社員に転職
正社員として就業していた、ベンチャー企業が事業を畳むことになり、紹介予定派遣を利用して金融業界の正社員へと転職しました。
紹介予定派遣を選んだ理由は、お仕事を1から自分で探すのは大変だったため、派遣会社に希望とマッチしたお仕事を探してもらえることに魅力を感じたからです。派遣会社に伝えた希望は、「経験を活かせて、オンオフをはっきりつけられるお仕事」でした。
派遣社員として勤務する中で、同僚たちの集中力やお仕事に取り組む姿勢を見て、自分にぴったりだと感じました。派遣期間中は就業先に好印象を持ってもらえるように、ポジティブな姿勢をアピールし、無事直接雇用に結びつきました。
※関連ページ:金融業界のお仕事インタビュー | パソナ
派遣から正社員への転職に関するQ&A
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Q.派遣から正社員になる際に年齢は関係ある?
A.労働人口の減少や中堅層の人材不足などの理由から、業界を問わず40代を超えても正社員として採用される可能性は十分にあります。実務経験に加えて、これまでの社会人経験で培ったコミュニケーションスキルや臨機応変な対応力などがアドバンテージとなるでしょう。 -
Q.派遣から正社員になることで給料は上がる?
A.正社員になれば必ず給料が上がるとは言い切れません。時給換算すると、正社員と派遣社員の収入の差はそこまで開かず、スキルによっては派遣社員のほうが正社員より高時給になるケースもあります。ただ、賞与などを含めた年収ベースで見ると、やはり正社員のほうが高い傾向にあります。※関連記事:派遣の時給ってどれくらい? 職種別の相場や、時給アップを目指す方法を紹介!|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-
紹介予定派遣を賢く活用しよう
今後のキャリアビジョンを明確にして、自身の経験やスキルをしっかりアピールすることができれば、派遣から正社員を目指すことは十分可能です。紹介したポイントを参考に、転職活動の準備を進めてみましょう。
派遣会社のサポートを受けながら正社員を目指せる「紹介予定派遣」は、派遣社員から正社員を目指す方におススメの働き方です。正社員を目指すためのステップとして、紹介予定派遣を賢く利用してみてはいかがでしょうか。
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