派遣の時給ってどれくらい?相場が知りたい!

派遣では、月給や年棒といった給与形態がとられることはあまりありません。多くの派遣社員は、時給制で仕事をしています。時給で働く派遣社員にとって気になるのが、「みんなはどのくらいもらってるの?」ということではないでしょうか。自分の時給が適正かどうか知り、より時給の高い仕事に就くためにも、派遣の時給の実態について知っておきましょう。今回は、派遣の時給を紹介するとともに、条件のよい仕事へとキャリアアップしていくポイントについてもご紹介します。
派遣の時給が知りたい!
派遣として働いている人は、実際にどのくらい時給をもらっているのでしょうか?一般社団法人 日本人材派遣協会が発表している調査結果をもとに、それぞれの仕事分野と経験年数ごとの、時給額の平均をまとめました。
仕事分野 | 経験3年未満 | 経験3年以上 |
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オフィスワーク系 | 1,491円 | 1,564円 |
営業・販売・サービス系 | 1,407円 | 1,455円 |
IT技術・通信系 | 1,760円 | 1,924円 |
クリエイティブ系 | 1,638円 | 1,673円 |
※東京都・愛知県・大阪府における業務別の派遣就業時の平均時給
※参照元:一般社団法人 日本人材派遣協会『派遣社員WEBアンケート調査』2018年1月24日 NEWS RELEASE
上の表にある仕事分野に該当する具体的な職種や仕事内容は、下記の通りです。
オフィスワーク系
一般事務や営業事務、経理といった事務系のお仕事で、派遣社員の方が従事することも多い職種です。データ入力業務もオフィスワークに含まれます。
営業・販売・サービス系
いわゆる営業職や、店舗の販売員などのお仕事です。住宅展示場での接客や受付などもこのカテゴリに該当します。
IT技術・通信系
ヘルプデスクやネットワークの監視業務、WEBシステム、スマートフォンアプリのプログラミングといった、システムやインターネット関連のお仕事です。
クリエイティブ系
ホームページやスマートフォンアプリなどの制作進行管理・運用、WEBデザイナーなどのお仕事です。
このデータから、職種や経験年数によっても、時給平均が異なることがわかります。あくまで平均値ではありますが、どの職種であっても、経験年数が長くなれば時給が高くなる傾向にあります。これは、単純に経験年数が長いことが理由ではなく、経験年数を積むことで、その業務の知識やスキルが高まり、より高度な仕事を担うためだと考えられます。
さらに、スキルを必要とするお仕事や、人材が不足している専門分野のお仕事は、その希少性から必然的に時給が高くなります。その職種での実務経験があれば、さらに評価されることでしょう。たとえ実務経験がなくても、資格を取得したことが、スキルの証明にもなります。オフィスワーク系であればMOS、プログラマーであれば扱える言語の種類、デザイナーであればデザインソフトの使用経験、翻訳者であればTOEICの成績など、それぞれの職種や業務内容によって、求められる指標は異なります。また、高いスキルを持っていたからといって、業務自体がスキルを活かしたものでないなら、時給UPにはつながりづらいでしょう。時給をあげるためには、スキルアップして市場ニーズの高い職種にチャレンジするか、職種のプロフェッショナルとして経験を積み、そのスキルを活かせるお仕事に就くことが近道といえます。
ところで、アルバイトと派遣の違いは?
「時給で働く」というと、アルバイトを思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか。アルバイトと派遣、どちらで働くのがよいのか、迷っている方もいるかもしれません。そこで、ここではアルバイトと派遣の違いについて考えてみましょう。
業務の内容、求められること
一般的にアルバイトと派遣では業務内容の性質や、企業から求められることが異なります。
アルバイトの場合、オペレーション業務が中心で、決められた単純業務や定型業務が多くなっています。週4以下のシフト制や時短勤務であることが多く、勉学の傍らで働きたい学生やダブルワークなどに向いている働き方でもあります。
一方で派遣は、その職種に特化したスキルや専門的な知識が求められることが多くなっています。また、教育機会が少ないアルバイトに比べ、派遣のほうがキャリアアップしやすい環境が整っているといえるでしょう。
時給面
アルバイトも派遣も、多くの場合は時給制で給与が支払われますが、一般的に、アルバイトよりも派遣の方が時給は高い傾向にあります。この理由として、先ほどご紹介したように、派遣は即戦力として専門性の高いスキルや知識を求められるため、必然的に派遣のほうが時給もよいということが挙げられます。
雇用元
派遣社員は派遣会社に雇用され、派遣先で就業し、アルバイトの場合は直接就業先に雇用されるという点が異なります。
アルバイトは直接雇用のため、待遇を上げるためには、自分自身で就業先に交渉や相談をする必要があります。一方、派遣の場合、雇用主は就業先ではなく派遣会社のため、交渉や相談などは派遣会社に就業先との間に入って調整してもらうことができます。「直接交渉や調整は苦手・・・」という方には特に、この点はメリットになるのではないでしょうか。
このように、アルバイトと派遣社員では求められることや待遇など、さまざまな点で違いがあります。自分のライフプランに合った働き方を選びましょう。今後、正社員としてフルタイムで働きたいと考えている方や、キャリアアップを目指している方、将来フルタイム勤務に復帰したいと考えている方などは、よりスキルを高めやすい派遣で働くのがおすすめです。また派遣の場合、契約期間、就業日数・時間などが契約で決められているため、自分のライフスタイルに合わせた予定や、キャリアプランの計画を立てやすい、というのも大きなメリットです。
時給がよいお仕事に就くには?
冒頭の「派遣の時給が知りたい!」で、市場ニーズが高く、専門性の高いスキルや知識を持っていると、高時給につながりやすいというご紹介をしました。それでは、実際に高時給の仕事に就くためには、何をすればよいのでしょうか?
一つ目の方法としては資格をとり、スキルを目に見える形で表すことが挙げられます。オフィスワークであれば、MOS(WordやExcel、Accessなどの資格)、日商簿記(2級以上を取得していると経理の仕事に就く際の強みになる)、TOEIC(高得点を取れば、英文事務や外資系企業での就業の可能性が高まる)といった資格がおすすめです。
また、今まで働いていた経験やスキルを活かしつつ、+αの知識を身につけて、別の仕事にキャリアチェンジするという方法もあります。たとえば、前職で販売の経験がある場合、コミュニケーション能力を活かして受付や秘書に転身することで、より高い時給を得られることもあります。
一方、総務や人事であれば、労務や人事、給与計算の仕事に就く道も選べます。この場合は、事務職全般に効果の高いMOS資格や、外資系企業にも努めやすいTOEIC、実力をアピールしやすい給与計算実務能力検定などの資格取得もおすすめです。
また、前職と同じ職種に就いた場合であっても、+αの知識によって専門性をより高めていくこともできます。今後どういった方向性でキャリアアップしていきたいかを考えて、お仕事を選ぶとよいでしょう。
時給をアップさせるための方法は?
皆さんの中には「今現在、すでに派遣社員として働いているけれど、さらに時給をアップさせたい」と考えている人も多いでしょう。そのようなときも、資格が役に立ちます。資格の取得は、仕事をしながら目指すこともできる上、保有しているスキルの証明にもなりますす。
業務上、資格取得者が必須なものもあれば、資格取得者が優遇される職種もあります。そうでない場合でも、知識を増やして、できることが増えれば、時給アップのための材料にもなるでしょう。また、業務の実績が純粋に評価されて、時給があがるというケースもあります。
時給アップは、なかなか自分から言い出すのは難しいことです。しかし、「さらに高度な業務ができるように、資格を取得した」「任せてもらう業務量が増えた」「精度の高い仕事ができるようになった」というタイミングであれば、相談もしやすくなります。派遣社員の場合、直接交渉ではなく派遣会社を通して希望を伝えることができるため、直接雇用の社員よりも時給交渉がしやすい環境ともいえるでしょう。
また、同じ就業先での時給アップが難しい場合、専門性を高めて、より高度なお仕事を探してみるというのもひとつの方法です。時給が高く、よりハイレベルな業務を希望する旨を伝えておくことで、希望にマッチした仕事を紹介してもらえる可能性が広がります。
※関連記事:『知りたい!派遣で時給アップを叶えるための4つのポイント』
キャリアコーチに相談し、納得がいく働き方を
同じ時間働くのであれば、より自分のスキルを活かして高い時給をもらいたいと思うのが当然です。高時給を得られるということは、それだけ仕事が認められているということなので、働きがいにもつながるでしょう。
自分自身のスキルと時給のバランスを考えたときに、納得できる企業で働きたい、と思ったら、一度パソナのキャリアコーチにご相談ください。これまでの経験やスキルを踏まえた上で、その方に合ったお仕事をご紹介します。
また、キャリア相談やキャリアデザイン講座といったサポート体制が整っているので、就業後にさらなるキャリアアップを目指すことも可能です。パソナのキャリアサポートについては、こちらで詳しくご紹介していますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
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参考サイト: