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2023/05/22

【インコタームズ】FCAとCPT、貿易取引で輸入者が仕切りやすいのはどっち?

著者: パソナ キャリアコーチ(貿易担当)

【インコタームズ】FCAとCPT、貿易取引で輸入者が仕切りやすいのはどっち?

貿易実務のお仕事では欠かすことのできない、インコタームズ(Incoterms/貿易条件)の知識。今回は輸入者の立場に立って、コンテナで輸送する貨物の売買取引において用いられる、FCA、CPT条件について詳しく解説します。

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目次
輸入者が貨物の輸出日等を仕切りやすいのは“FCA条件”
FCAとCPTの危険負担・費用負担の範囲
輸入者が仕切りやすくなるためには、現地フォワーダーとの連携が必要

輸入者が貨物の輸出日等を仕切りやすいのは“FCA条件”

インコタームズとは、貿易取引において輸出者と輸入者の費用負担の範囲、運送リスク(危険負担)の範囲を定めた国際規則です。

インコタームズ2010は、全部で11条件あります*1。その中のFCA、CPT、CIPという条件*2は、輸出者と輸入者の負担範囲がおよそ半々になることから、コンテナ輸送する貨物の売買取引において、もっとも用いられるインコタームズと言われています。
*1:2020年1月1日には、インコタームズ2020が発効されました。
*2:CIP条件はCPT条件に保険料が加わるだけなので、本記事では割愛します。

「FCAとCPT条件で、輸入者が進行を仕切りやすいのはどちらなのか?」の結論としては、FCAの方が輸入者にとって仕切りやすい条件になります。なぜ仕切りやすいと言えるのか、費用負担の範囲、危険負担の範囲について、2つの条件を比較しながら紹介していきます。

※関連ページ:貿易事務の派遣|パソナ

FCAとCPTの危険負担・費用負担の範囲

FCAとCPTの危険負担・費用負担の範囲

上図のように、FCA条件では“輸入者”が輸出地から輸入地までの運送費を負担しているのに対し、CPT条件では“輸出者”が負担しています。この違いが、今回の重要ポイントになります。

「運送費を負担する」=「運送手配を行う」ということ。つまり、FCA条件は輸入者自身が輸出地からの運送手配ができるため、輸入者が仕切りやすいと言えます。

なぜ「仕切りやすい」と言えるの?

通常CPT条件では、輸出者が「運送費を支払う」=「運送手配も輸出者が行う」ことになります。

つまり、製造から輸出日(出荷日)まで、輸出者が立てたスケジュールのもとで行われ、輸入者はそのスケジュールを知ることができません。よって、立ち入る(口を挟む)ことが難しいのです。

しかし、FCA条件では、輸入者自身が運送手配を行うというポジションを活かすことで、輸入者は輸出者にスケジュール確認がしやすくなり、時にはスケジュール調整も依頼しながら進めることができます。

輸入者が仕切りやすくなるためには、現地フォワーダーとの連携が必要

実は、FCA条件の規約には“輸入者が運送手配を行わなければならない”と明記されているわけではありません。

FCA条件でも、輸入者が輸出者や運送手配を依頼し、運賃は輸入地支払いで輸出してもらう方法をとることもあります(宅配便における着払いのイメージ)。

そのため、輸入者がその取引の進行を仕切りやすくするためには、輸出地で船舶予約など運送手配ができるフォワーダー(Forwarder)と連携する必要があります。
*フォワーダーの中には、海外支社(支部)を持つ会社、海外のフォワーダーと業務提携している会社があります。

フォワーダーと連携することで、輸入者は輸出貨物の運送手配が可能になり、輸出者の製造や出荷のスケジュールにも関与しやすくなります。逆に言えば、現地フォワーダーと連携できない場合、「CPT条件と比べて仕切りづらい」ことになるでしょう。

実際に売買契約する際、FCA条件になるのかCPT条件になるのかは、輸出者の提示によるところも大きいですが、輸入者の立場としてインコタームズを選べる際は「どちらが仕切りやすくなるのか」を視野に入れて決めるようにしましょう。
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参考サイト:

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