貨物をコンテナに詰める「バンニング」のときに注意することは?
今回は「コンテナ」についてご紹介します。と言っても、テーマはコンテナではなく「コンテナに詰め込む作業」。貿易業界ではこの作業を「バンニング」「バン詰め」とも呼びますが、作業中には注意すべきポイントがいくつもあります。
貨物をコンテナに詰めるとき、どんな注意が必要なのでしょうか。詳しく見ていきましょう!
輸出者自身でコンテナに貨物を詰め込む機会が増えている
かつて輸出貨物をコンテナに詰める作業(バンニング、バン詰め)は、原則として保税地域で行う決まりになっていましたが、近年は輸出者の工場や倉庫などで、輸出者自身が直接コンテナへ積み込むことも増えています*。
*2011年10月より、一事業者が貨物をひとつのコンテナを使用して輸送するFCL貨物に限り、事前に税関へ申出書を提出することなく、自社の工場や倉庫で貨物を積み込むことができるようになりました。貿易の現場では、そのことを「コンテナ扱いで輸出する」と表現することがあります。
ただ、バンニングは誰でもできるというわけではなく、貨物が海上で揺れても荷崩れが起きないよう気を配り、輸入地で取り出しやすいようにする必要があります。
貿易事務の実務において、自らバンニングの作業をする機会はほとんど無いかと思いますが、工場や倉庫などでコンテナに積み込む現場への指示を出したり、調整を行ったりすることもあるので、基本的な知識はぜひ覚えておいてください。
貨物がダメージを受けないようにバランスよく積み、しっかり固定
では、コンテナに貨物を詰め込む際に、気をつけていただきたい3つのポイントをご紹介します。これらのポイントは、どんな貨物を詰め込むにしても大切なことなので、自社でバンニングを行う輸出者の方はぜひ頭に入れておきましょう。
コンテナ内で貨物がダメージを受ける恐れがないかチェックする
当たり前のことですが、コンテナの床や壁が汚れていたり、穴が空いていたりすると、コンテナに入れるだけでダメージを受ける可能性があります。貨物を詰め込む前には、必ずコンテナの内部を確認しましょう。
貨物の形状や重量などを考慮し、バランスよく配置する
コンテナに貨物を積み込む前に、荷崩れなどを起こさないよう配置を事前に考えておくようにしましょう。例えばコンテナの片方だけに詰め込んだりして、コンテナ内の重量が片側に寄っていると、クレーンでコンテナを持ち上げたときや輸送のときにバランスを崩しやすく、コンテナ内で貨物が片寄ったり、ひっくり返ったりしてしまう可能性がありますす。最悪の場合は横転など事故につながるので、十分に気をつけましょう。
貨物をコンテナ内にしっかり固定する
コンテナは貨物船で輸送されるため、海が荒れていれば激しく揺れることがあります。そのため、コンテナ内で貨物が崩れて商品がダメージを負うようなことがないように、しっかりと固定しましょう。
商品がダメージを受ければ、クレームが発生し、その損害を保障しなければいけなくなる可能性もあるので注意が必要です。
日本の貨物の梱包クオリティはレベルが高いとされていますが、念には念を入れて、以下の方法などでしっかりと固定してください。
(A)重みのある箱はあまり高く積み過ぎない
(B)パレットからすべり落ちないようにラップでパレットごと巻きつける
(C)緩衝材をパレットとパレットのあいだに挟み込む
(D)コンテナ内にある設置されている輪などを通してひもでしっかり固定する
バンニングに関する不安があるときは、国際物流のプロフェッショナルであるフォワーダーに相談するのもひとつの方法です。貨物の通関を依頼しているフォワーダーからなら、役立つアドバイスをくれる可能性も高くなるでしょう。
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