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2022/06/14

サプライチェーンって何?意味や具体例を交えて詳しく解説

著者: パソナ キャリアコンサルタント(貿易担当)

サプライチェーンって何?意味や具体例を交えて詳しく解説

ニュースなどで頻繁に見かける「サプライチェーン」という用語。皆さんはこの言葉が何を意味しているかご存知ですか?本記事ではサプライチェーンの意味や具体例、またサプライチェーンマネジメントの意味や導入メリット、サプライチェーンリスクについて詳しく解説しています。

目次
サプライチェーンとは?
サプライチェーンの具体例
サプライチェーンマネジメント(SCM)について
サプライチェーンマネジメントを実施するメリット
サプライチェーンリスクの深刻化について
まとめ

サプライチェーンとは?

私たちの暮らしに欠かせないモノの多くは、原料の調達から始まり、製造、在庫管理、配送、販売など多くのプロセスを経て、消費者の元に届きます。サプライチェーンとは、このように製品や商品が生産者から消費者に届くまでの一連の流れのことをいいます。

1980年代のアメリカで生まれた経営用語であり、生産から流通までのプロセスが鎖のように連なることから「サプライ(供給)チェーン(連鎖)」の名がつきました。

サプライチェーンの具体例

サプライチェーンをイメージするために、身近な商品を例に考えてみましょう。スーパーやコンビニで買える「お惣菜」。使われているお肉や野菜、調味料は、全国の生産者によって作られていたり、海外から輸入されていたりします。食材は業者を通じて工場に運ばれて調理、包装されて店頭へと届けられます。このように、商品が店頭に並ぶまでの間には多くの事業者が介在し、数々の取引を経て消費者に届いているのです。

サプライチェーンマネジメント(SCM)について

サプライチェーンマネジメント(SCM)について

昨今のグローバル化により、サプライチェーンは複雑化の一途をたどっています。そこで重要になるのが、サプライチェーンマネジメント(SCM)です。サプライチェーンマネジメントについて詳しく解説します。

サプライチェーンマネジメントとは

ひとつの製品や商品が消費者へ届くまでのサプライチェーンは多くの事業者で構成されています。コスト削減や業務効率化に加えて顧客ニーズへ迅速に応えられるよう、原材料の仕入れや製造、供給体制などを見直し、企業内また企業間のやりとりの一つひとつを最適化することが重要です。この取り組みがサプライチェーンマネジメントです。

「物流」「ロジスティックス」とは何が違うのか

サプライチェーンマネジメントと意味が似ている言葉に、「物流」や「ロジスティックス」があります。それぞれの違いを整理しておきましょう。

・物流
サプライチェーンに関わる取引の中で重要な役割を果たすのが物流です。野菜を例にすると、畑で作られた作物を集荷場へ運ぶ「輸送」、そこでの積み下ろしを行う「荷役」、選別場へ移すまでの一時的な「保管」、作物を選別する「流通加工」、袋詰めや箱詰めをする「包装」、そして物流を効率良くコントロールするための「情報」。これら6つが物流の主要機能です。

・ロジスティックス
サプライチェーンマネジメントがサプライチェーン全体の最適化を表すのに対し、ロジスティックスはひとつの企業内での最適化や、物流の管理を指す場合が多いようです。つまりロジスティックスは、サプライチェーンマネジメントの一部であると言えます。

サプライチェーンマネジメントを実施するメリット

サプライチェーンマネジメントを実施するメリット

サプライチェーンマネジメントの実施によって得られるメリットはさまざまです。サプライチェーンの最適化を実現し、無駄なコストを削減できれば、安定した経営が実現できるでしょう。それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。

サプライチェーンを最適化できる

サプライチェーンマネジメントの実施によって仕入れ、在庫管理、製造、物流、販売などの業務プロセスを最適化できれば、それぞれの課題が明確になり、解決策を立てやすくなります。例えば在庫管理の最適化には、仕入れや販売などの関連情報を紐づけることで、より精度の高い在庫管理が実現できるでしょう。

需要変動に対応できる

それぞれの業務プロセスから収集した情報をもとに分析できることもメリットです。専門知識がなくても常に在庫を最適化でき、需要の大幅な増減にもスムーズに対応することが可能です。年々製品のライフサイクルが短くなっていることからも、適切な在庫管理や需要予測は経営の効率化につながるでしょう。必要な製品や商品を速やかに消費者に届ける体制も実現しやすくなります。

コストを削減できる

サプライチェーンマネジメントを導入すれば、仕入れの適正量や店舗への最適な配送など、各プロセスの情報が一元管理できます。これにより物流プロセスにおける無駄なコストの大幅削減が期待できるほか、作業開始から完了までのリードタイム短縮にもつながり、時間的コストも削減できます。また各プロセスにかかる作業工数から適切な人員配置が実現でき、人件費の削減にもつながります。

サプライチェーンリスクの深刻化について

サプライチェーンリスクとは、組織の内外で発生する事象により、計画通りに需要を満たす供給ができなくなるリスクのことです。リスク要因として大規模な自然災害が挙げられますが、昨今多くの企業がサプライチェーンリスクに直面したのが2020年に発生した新型コロナウイルス感染症のパンデミックと言えるでしょう。コロナ禍では世界的に多くの物資が供給不足に陥り、国際物流にも大きなインパクトを与えました。国内でもマスク価格の高騰や、生産体制の見直しを余儀なくされたケースもありました。

特に生産プロセスがグローバル化したサプライチェーンでは、こうした世界的なパンデミックが起きた場合、直接的・間接的に受ける長期的な影響が危惧されています。

そして近年はサイバーセキュリティのサプライチェーンリスクも深刻化しています。ITインフラの急速な発展の弊害として、サイバーセキュリティに関する重大な事件が多発しており、不正アクセス、人的ミス、また内部不正などのセキュリティリスクが深刻です。部品の供給元、仲介業者、業務委託先など、サプライチェーンを構成する事業者はさまざまです。発生しうるリスクを把握し、サプライチェーンリスクに供えることが大切です。

まとめ

サプライチェーンとは、製品や商品が生産者から消費者に届くまでの一連の流れのことです。そして原材料の調達、製造、在庫管理、配送、流通などの各プロセスを一元管理して最適化するサプライチェーンマネジメントの実践により、需要予測や適正な在庫管理が可能です。安定した経営の実現に役立つ取り組みですが、同時にリスクも孕んでいます。自然災害、世界的なパンデミックに加え、近年はサイバーセキュリティに関する事件が多発しており、サプライチェーンリスクは深刻化しています。

リスクへの備えを万全にしながら、時代に合ったサプライチェーンマネジメントを実現できれば、私たちの暮らしはより豊かになると言えるでしょう。

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