産後いつから仕事復帰する?出産後の職場復帰方法やお仕事の選び方を解説
出産後、「落ち着いたらお仕事に復帰したい!」と考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、「いつ頃復帰すれば良いのか」「産休・育休はいつまで取れるのか」など、仕事復帰のタイミングについての疑問もあるでしょう。
今回は、出産後に仕事復帰をするタイミングや、復帰する際の注意点、準備しておくと良いことについて詳しくご紹介します。
※ご紹介した情報は、2023年4月時点での情報です。掲載した時点以降に変更される場合もあります。
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出産後の仕事復帰のタイミングはいつ?
出産後、どの位の期間で仕事復帰されている人が多いのでしょうか。厚生労働省委託調査によると、女性の育児休業の取得期間は、「8週を超えて、末子が1歳になるまで」が9割以上を超える結果になっています。
出産後の女性の身体はとてもデリケートですので、体調が戻っていないのに焦ってお仕事を始めようとすると、赤ちゃんにもママにも負担がかかってしまいます。出産後、お仕事ができる身体に戻るまでは休暇を取ることが欠かせません。
そのため、出産後に最短で働ける時期は法律で定められています。ここでは労働基準法で定められている産後休業と、育児休業の期間についてご紹介します。
※引用資料:令和2年度 仕事と育児等の両立に関する実態把握のための調査研究事業|厚生労働省
産後休業の期間
産後休業では、出産の翌日から8週間(56日)は必ず休業する必要があるため、就業することはできません。ただし、産後6週間(42日)を過ぎた後、働きたいという本人からの申し出があった場合には、医師からの許可があるという条件付きで就業が認められます。
なお、産後休業は雇用期間や雇用形態などの条件に関わらず企業に所属していれば取得できますが、フリーランスや自営業の人には適応されません。
とはいえ、産後8週間までの赤ちゃんはまだ首が充分に座っておらず、授乳も2~3時間おきと、ママの生活はかなりハードです。産後で体調にも変化が出ている上に赤ちゃんのお世話で大変な時期なので、くれぐれも無理はしないようにしましょう。
育児休業の期間
法律で定められた育児休業は、子どもが1歳になるまでの間で希望する一定期間、育児のために休業することができ、子どもを保育所に預けられないなどの事情がある場合には、1歳6ヶ月までの延長も可能です。
また、2017年10月からは、1歳6ヶ月時点でも事情がある場合、再申し込みによって最長2歳になるまで休業を再延長できるようになりました。
育児休業も、雇用形態を問わず取得可能ですが、雇用期間に定めがある派遣社員などの場合は、次の条件を満たしている必要があります。詳しくは所属している会社に事前に確認しておきましょう。
- 子どもの1歳6ヶ月の誕生日以降も、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
*そのほかに、労使協定の締結により引き続き雇用された期間が1年未満の方は除外できるという規定があるため、詳しくは派遣会社にご確認をお願いします。
※引用資料:育児休業や介護休業をすることができる有期雇用労働者について|厚生労働省
3つのメリット
厚生労働省の調査によると、子どもがいる世帯で、女性が働いている割合は約7割で、年々上昇傾向となっています。専業主婦になるか、『ワーキングマザー』になるかで、生活はガラリと変わります。
子どもと過ごす時間が減ることや、独身時代のようにはお仕事に専念できないことなどを考え、復職することが自身や家族にとって本当に良いことなのだろうか…と迷っている人もいるかもしれません。
ここでは、出産後に仕事復帰するメリットをご紹介します。
※引用資料:2021年国民生活基礎調査の概況 I世帯数と世帯人員の状況|厚生労働省
1.収入が増えて家計が楽になる
夫婦共働きとなることで、当然ながら収入が増え、家計は楽になるでしょう。日中はお仕事で忙しい分、週末に美味しいものを食べたり、レジャーや旅行に行ったりと、生活に余裕ができるかもしれません。マイホームなどの大きな計画がある場合は、貯金に回すこともできるでしょう。
2.人や社会とのつながりが持てる
ずっと家にいて子育て中心の生活になると、社会とのつながりが途切れてしまったように感じる人も多いようです。出産前までバリバリ働いていた人はなおさら、限られた人とだけ接するという生活に物足りなさを感じてしまうかもしれません。
外で働くことで、家族以外の人や社会と接点を持てたり、もうひとつの居場所で誰かの役に立っていることを実感できたりするでしょう。
3.子どもや家族との時間をより大事にできる
日中お仕事をしていると、当然ながら子どもと過ごす時間は減ります。ただし、その分、子どもと一緒にいる時間が貴重になりより大切に過ごそうと思えるでしょう。
子育てで大切なのは一緒に過ごす「長さ」ではなく「質」である、というのはよく言われることですが、限られた時間だからこそ、たっぷりと愛情を注いであげられるのではないでしょうか。
復帰する際の注意点
子育て中は、予期せぬ事態がつきものです。例えば、朝は元気だった子どもが、急に体調を崩して保育園から呼び出しの電話が来ることもあるでしょう。
仕事復帰してからの生活はなかなかイメージしにくいものです。ここでは、実際に働き出してから慌てたり、事前に準備しておけば良かった…と後悔したりしないよう、仕事復帰する際の注意点と解決方法をご紹介します。
家族と役割分担をする
家事も育児も夫婦で分担するのが当然ではありますが、実際にはママの負担が大きい共働き家庭も多いようです。“説明してやってもらうより自分でやった方が早い”から、と結局すべて一人で済ませてしまうという人も多いのではないでしょうか。
多少時間がかかったり、やり方が違っていたりしても、「任せる」と決めたら手出しはしないというのもポイントのひとつ。何をして良いかわからないから動けないという場合には、具体的に何をしたら楽になるのかを相手に伝えることも大切です。
予定管理をしっかりする
子どもが産まれると、夫婦2人のときにはなかった予定が一気に増えます。例えば、家族の行事や子どもの予防接種などの予定が増え、そこにお仕事のスケジュールが加わるため、予定を管理するのが大変になります。
家族の行事の日と大事な会議がかぶってしまった……といったことにならないように、普段から予定はしっかり確認しましょう。
周囲への協力を依頼する
子どもは体調を崩しやすく、突然熱が出ることもあります。急なキャンセルや予定の変更を迫られることも多いでしょう。
祖父母、きょうだいや親せき、ご近所のママ友達など、何かあった時に協力してもらえそうな人には、あらかじめ相談しておきましょう。もし身近に頼れる人がいない場合は、お住いの市区町村のファミリー・サポート・センターなどを活用することをおススメします。保育施設までの送迎や子どもの預かりなどを依頼することもできます。
また、職場の仲間にも理解してもらえるように、普段からコミュニケーションを積極的にとっておきましょう。
仕事復帰の方法は?
いざ、働こうと決意したものの、何から始めたら良いのか、迷ってしまう人もいるのではないでしょうか。ここでは、仕事復帰の方法について、いくつかのパターン別にご紹介します。
元の職場に復帰する場合
出産前の職場に戻る場合は、産休・育休前や産休・育休中に会社と面談などを行い、復帰後の勤務時間や業務内容について調整しておきましょう。
産休・育休中に職場の体制変更や、同僚の異動などは起こりうることです。長年勤務していた職場でも、出産前とは職場の体制や雰囲気が変わっている可能性があることも頭に入れておきましょう。
新しくお仕事を探す場合
出産前と後ではライフスタイルが変わり、時間の制約なく働くことは難しくなるでしょう。
子育て中の方が長期的に働き続けるために大切なのは、無理をしないこと。子どもが小さいうちは、これまでのキャリアより子どもを優先して少しペースを落として働くことも選択肢のひとつです。
「時短勤務ができるお仕事を選びたい」「保育園から近い職場を探したい」など、家庭の状況に応じて、勤務日数や勤務時間、業務内容、勤務地など自身に合ったお仕事・雇用形態を選びましょう。また、子どもの成長に合わせて働き方を変えるという方法もあります。
正社員の場合、転職活動に時間がかかったり、勤務時間の制約などもあるため、「パート・アルバイト」や「派遣社員」を選ぶ方も多くいます。
例えば、給与や仕事内容よりも時間の融通が利きやすいことを優先して「パート・アルバイト」を選ぶ、これまでの経験を活かせるオフィスワークのお仕事で給与も安定している「派遣社員」を選ぶなど、今の自身に合う雇用形態を考えてみましょう。
仕事復帰前に準備しておくこと
自身に合う方法でスムーズにお仕事をスタートさせるためにも、事前準備はしっかりしておきましょう。ここでは、仕事復帰前に準備しておくと良いことについてご紹介します。
保育園の申し込みをする
仕事復帰したい方にとって、子どもを希望の保育園に預けられるかどうかは大きな問題です。保育園は、児童福祉法に定められた基準を満たし、国から認可されている認可保育園と、それ以外の認可外保育園に分けられます。
認可保育園の経営元には公立と私立がありますが、どちらも公費によって運営されています。保育園がある市区町村に保護者が在住・在勤・在学していて、基本的に就労や介護などで日中保育が必要な0歳~未就学児がいる家庭のみが対象。保育料は、自治体ごとに異なり、所得や家庭環境に合わせて決められます。4月に入園したい場合、入園の申し込み期間が決まっているので、お住いの自治体で確認しましょう。
認可外保育園の保育料は施設ごとに決まっていて、募集枠に空きがあれば希望者は入園可能です。各施設に直接申し込むことができ、年度途中・4月入園を問わず、施設ごとに募集が行われています。
なお、東京都の認可基準を受けている認証保育園や、企業が従業員向けに設置した企業主導型保育園なども認可外保育園に該当します。
保育園によって運営方針や保育環境なども異なるため、子どもが元気に過ごせて、家族のライフスタイルに合った保育園を選ぶことが大切です。
元の職場に復帰予定の場合など、復職の時期が決まっている場合は、妊娠中から保活(保育園を探す活動)を始めている人もいます。都市部など、待機児童が多い地域では定員オーバーで希望の保育園に入れないという声も聞かれるため、早めの情報収集をおススメします。
緊急時に頼りになる人やサービスを把握しておく
子どもの急な発熱や体調不良は頻繁に起こります。どうしても対応できないときにサポートしてくれる家族や友人をはじめ、ファミリー・サポート・センターなど、地域ごとの子育て支援サービスやかかりつけ医などを事前に確認しておきましょう。
職場環境や育児サポート制度などを確認しておく
子育てと仕事を両立しやすい職場環境かどうかも事前に確認しておきましょう。
例えば、子どもの急な体調不良や保育園の行事などの際の休暇の取りやすさや、会社で利用できる育児サポート制度なども事前に確認しておくことをオススメします。先輩のママ・パパ社員から情報収集をするのも参考になります。
もし子育てと仕事の両立が難しそうな環境であれば、別のお仕事を探すという選択肢もひとつです。
子どもの成長や家庭の状況に合わせてお仕事を選ぼう
出産後の働き方は、それぞれの家庭環境や子どもの状態などによっても異なります。仕事内容や雇用条件も大切ですが、子どもの成長に応じて働きやすい勤務形態や働く場所を選ぶことは重要です。
そのため、就業時間や勤務地を選びやすい派遣のお仕事は、子育て中の方にもおススメの選択肢だと言えるでしょう。
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