育休中に資格は取れる?取得のメリットと復職後に活かせる資格5選をご紹介!
現在育休中の方やこれから育休を取得予定という方のなかには「育休の間に、お仕事に活かせる資格を取っておきたい」と考える方も多いようです。
もちろんお子さんの育児を行うことが育休の目的ですが、育休明けのお仕事復帰に備えて、育児の合間の時間は有効活用しておきたいもの。
今回はそんな方に向けて、育休中に資格を取得するメリットやオススメの資格、資格取得を叶えるためのコツについてご紹介します。
育休とは
まずは、育休制度についての概要や取得条件、休業期間などの基礎知識をご紹介します。
育休の目的・概要
「育休」とは、一般的に法律で定められた休業制度である「育児休業」のことを指します。
場合によっては、企業ごとに制度化されている「育児休暇」を指すこともありますが、両者には明確な違いがあります。「育児休業」と「育児休暇」、それぞれの内容を整理しておきましょう。
育児休業
育児休業とは、育児・介護休業法によって定められた「原則として1歳に満たない子どもを養育するための休業制度」です。男女ともに一定の条件を満たした、子どもを養育する労働者が申請できます。当記事で「育休」としているのは、こちらの育児休業のことを指します。
なお、育児休業は、法律で定められている制度のため、取得要件に当てはまる労働者から休業の申出があった場合、企業(事業者)はその申出を拒むことはできません。
育児休暇
一方の育児休暇は、「育児のための休暇を取得すること」を指します。育児休暇の制度は、各企業が独自に設定しているため、取得条件や休暇の期間、給与の有無などは企業によってさまざまです。
育休の取得可能期間
育休の期間は、産後休業後となる産後57日から(男性労働者の場合は、配偶者が子どもを出産した日から)、子どもが1歳の誕生日を迎える前日までです。
ただし、保育所への入所ができないなどの事情がある場合、子どもが「1歳6ヶ月に達する日の前日」、更に1歳6か月時点でやむを得ない事情がある場合は「2歳の誕生日前日」まで延長することも可能です。
なお、育休は原則としてひとりの子どもに対して、1度だけ取得できます(パパ育休やパパママ育休プラス利用で一定要件を満たす場合を除く)。
育休の取得条件
育休を取得できるのは、性別を問わず子どもを養育する労働者です。正社員だけでなく、派遣社員やパートも対象となります。
なお、派遣社員のように有期の契約で働く方は、以下の要件を満たすことが必要です。
①同一の事業主(派遣社員の場合は派遣会社)に過去1年以上継続して雇用されている
*派遣社員の場合、就業先が変わっていたとしても、同じ派遣会社で1年以上勤務していれば適用されます。
②子どもの1歳6ヶ月の誕生日以降も、引き続き雇用されることが見込まれる
*そのほかに、労使協定の締結により週2日以内の所定労働日数の方は除外できるという規定があるため、詳しくは派遣会社にご確認をお願いします。
育休の申出
1歳までの育児休業については、原則として、休業開始予定日の1ヶ月前までに申出が必要になります。
産休(産前・産後休業)と連続して育休を取得しようとする場合は、産前休業に入る前や産前休業中など、早めの申出を行うようにしましょう。
※関連記事:『派遣社員は産休・育休を取れる?復帰方法や未経験から働きやすいお仕事をご紹介!』
育休中に資格を取得するメリットとは
ここまでご紹介してきた通り、育休は「(原則として)1歳に満たない子を養育するための休業」を目的とした制度です。
しかし、育休明けのお仕事復帰に備えて、休業期間中に準備を進めておくことも大切な心がけのひとつ。
そこで、育休の期間を有効活用し、お仕事復帰を見据えて「資格取得」を目指すのはいかがでしょうか。育休中の資格取得には、以下のようなメリットがあります。
育児の合間の時間を有効活用できる
出産後すぐは、育児だけで精一杯かもしれませんが、育児にも慣れ、子どもがまとまって寝てくれるようになれば、ある程度時間に余裕が生まれることもあります。
子どものお昼寝タイムなどを有効活用して、資格の勉強時間に充てると良いでしょう。
お仕事復帰に備えることができる
元居た職場に戻る場合であったとしても、1年程ブランクが空いた後のお仕事復帰には不安がつきもの。
お仕事の勘を鈍らせないためにも、休業期間中に業務で役立つ資格取得を目指すのは良い方法だと言えるでしょう。
資格の勉強を通して、お仕事復帰の準備や自信につなげることができるほか、将来的にキャリアアップや転職を目指す際にも、取得した資格が武器になるでしょう。
育児中の不安やストレスが軽減される
毎日子どもにつきっきりの生活をしていると、社会から切り離されたような孤独感や不安感が生じてしまう可能性も。また、育児を頑張りすぎることもストレスにつながります。
育児中は、育児以外のことにも没頭する時間を持つことが、実はとても大切。資格の勉強は、良い気分転換にもなるでしょう。
また、明確な目標を持って学習に取り組むことで、目的意識や計画的な行動が自然と身につくはずですよ。
育休中の取得をオススメしたい資格5選
育休中の資格取得を目指す場合、忙しい育児の合間を縫って勉強することになります。そのため、取得する資格は、お仕事の分野や職種に適したものを選ぶのが得策です。
ここでは、育休中の取得をオススメしたい、実務に活かせる5つの資格をご紹介します。
MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)
MOSは、WordやExcel、PowerPointなどのMicrosoft Office製品の操作スキルを証明する資格です。
試験科目はWord、Excel、PowerPoint、Access、Outlookがあり、Officeのバージョンごとに受験できます。また、WordとExcelには、スペシャリストレベル(一般レベル)とエキスパートレベル(上級レベル)の2種類があります。
効率的なOfficeソフトの操作スキルが身につくため、資格取得によって作業効率アップも叶うはず。「Excelでデータ集計・分析ができるようになりたい」「PowerPointでプレゼン資料を作れるようになりたい」など、目的に応じて受験科目やレベルを検討しましょう。
※関連記事:『【資格】経理・会計畑で役に立つ資格「MOS」の正体とは?』
日商PC検定
こちらもOfficeソフトの操作スキルを測ることができる、日本商工会議所主催の検定です。試験は「文書作成(Word)」「データ活用(Excel)」「プレゼン資料作成(PowerPoint)」の3つで、いずれも「実技科目」「知識科目」の2科目があります。
Officeソフトの操作方法に加えて、ビジネス文書の書き方やネット社会におけるコンプライアンスの知識などを、幅広く身につけることができます。
PASS(経理事務パスポート検定)
PASSとは、「Passport for Accounting Skill Standard」の略称で、事務スタッフに求められる基本的な経理知識が問われる検定試験です。
学習範囲には、コミュニケーション能力や帳簿書類の保管などの実務的な内容も含まれ、経理分野はあくまで基本的な知識に限定されています。
経理担当者だけでなく、これから経理職を目指す方や一般事務の方にもオススメです。
※関連記事:『【資格】経理や財務に役立つ資格「PASS」とは?』
日商簿記検定
企業会計の基礎となる簿記の知識の習得度を測れるのが「日商簿記検定」。数ある簿記資格の中でも最も知名度が高く、最上級の1級に合格すると税理士試験の受験資格が与えられます。
簿記の基本的な知識が問われる3級は独学でも取得しやすく、経理未経験の方や営業関連の職種の方にもオススメ。また、経理経験者の方が2級を取得すれば、実務の幅が広がるだけでなく、将来的に転職を有利に進めることも可能です。
じっくりと腰を据えて勉強できる育休中に、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
※関連記事:『【簿記】日商?全商?全経?3つの簿記検定の違いを解説します!』
秘書検定
秘書検定は、社会人が身につけておきたいビジネスマナーや接遇応対の知識・スキルが問われる検定。
電話応対や来客応対、お客様のご案内など、日常的に役立つ知識を学べるため、お仕事復帰に向けたトレーニングとしてもピッタリ。
特に秘書や受付、アシスタント業務など、人と接することが多い職種の方に向いていますが、他の職種の方でもお仕事に活かすことができるでしょう。
※関連記事:『【独学での秘書検定対策】2級~1級に合格するための勉強のコツをご紹介』
育休中に資格を取得するためのコツ
育休中の資格取得には、多くのメリットがあります。
ただし、やみくもにいろいろな資格の勉強に手を出したり、きちんと計画を立てずに始めたりすると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。そうならないために、確実に資格を取得するためのコツを押さえておきましょう。
今の自分に必要な資格を見極める
時間には限りがあり、資格取得を目指すためには、育児と勉強の両立が必要になってきます。
そのため、勉強を始める前に、まずは今の自分に必要な資格が何か、どんな資格を取るべきかを考えてみましょう。
資格選びの際は、自身の専門分野や復職に役立つ資格をいくつかピックアップし、難易度や試験範囲などを踏まえて、現実的に取得可能かどうか見極めてみてくださいね。
資格勉強のスケジュールを立てる
育休中は、多くの時間を子育てに充てることになります。そうした育児の合間で、効率的に学習を進めるために、試験日までの学習計画を前もって立てておきましょう。
子育て中は、子どもの体調不良などイレギュラーな事態も発生するもの。無理のないスケジュールで、自分に合った計画を立ててみてくださいね。
スケジュールを立てる際は、予定やタスクの管理ができる手帳・アプリを活用するのもオススメです。
※関連記事:『あなたは手帳派?アプリ派?お悩み別・スケジュール管理術!』
自分に合った学習方法で学ぶ
効率良く勉強を進めるコツは、自分に合った学習方法を選ぶこと。
通信教育や参考書を使った独学のほかにも、最近はeラーニングの講座やWEB上での学習プログラム、セミナー動画、学習アプリなどが増えています。
子どもを寝かしつけた後や家族に面倒を見てもらっている間など、ちょっとしたスキマ時間にスマホやタブレットで受講できる講座もあるので、自分に合った学習方法を探してみてくださいね。
お仕事復帰に備えて、計画的な育休中の資格取得を目指そう
お仕事に復帰してからの資格取得は、何かと時間のやりくりが大変。だからこそ、育休の期間を活用して、取りたかった資格や復職後に役立ちそうな資格の勉強に取り組んでみてはいかがでしょうか。
今の自分に必要な資格やスキルを取得すること、余裕を持った学習スケジュールを立てること、育児のスキマ時間に利用しやすい学習方法を活用することなど、今回ご紹介したポイントを参考に、ご自身のペースで資格取得を目指してみてください。
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