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2020/02/28

【簿記】日商?全商?全経?3つの簿記検定の違いを解説します!

【簿記】日商?全商?全経?3つの簿記検定の違いを解説します!

経理・会計分野における3大簿記技能検定といえば、「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」。名前が似ているため「それぞれ何が違うの?」「結局どの試験を受ければ良いの?」と、迷っている方も多いのではないでしょうか。

これら3つの検定は、出題範囲や受験対象が少しずつ異なるため、自分のレベルや目的に合った検定を受けるのがオススメ。

そこで今回は、簿記関連の検定試験である「日商簿記」「全商簿記」「全経簿記」3つの違いや各級のレベル、開催時期などについて詳しくご紹介します。

目次
①日商簿記:簿記の王道!知名度も難易度もハイレベル
②全商簿記:主に商業高校の生徒向けの資格
③全経簿記:主に経理専門学校の学生向けの資格
経験・未経験問わず、資格は「強み」としてアピール可能
就職・転職で簿記資格を活かす場合は、日商簿記3級以上を目指そう

①日商簿記:簿記の王道!知名度も難易度もハイレベル

①日商簿記:簿記の王道!知名度も難易度もハイレベル

一般的に「簿記資格」といえば、この「日商簿記」を指すことがほとんどと言っても過言ではありません。

日商簿記は、日本商工会議所主催のもと1954年から始まった歴史ある検定試験で、知名度や受検者数もNo.1!2018年の年間受検者数は約51万人にのぼり、企業の経理担当や、経理職を目指す方が多く受検しています。

というのも、企業によっては日商簿記を経理の必須資格としていたり、昇進・昇格の評価基準や資格手当の対象にしたりするところもあるため、転職やキャリアアップを目的に受検する方も多くいます。

各級のレベルって?(試験範囲、難易度、学習時間の目安)

簿記初級

簿記4級の廃止に伴って2017年より新設された簿記初級は、簿記の基本用語や企業の日常業務における複式簿記の仕組みを問うものです。

経理担当者に限らず全てのビジネスパーソンを対象としており、決算に関する問題は出題されません。

試験はインターネットで行われる「ネット試験」を採用しており、商工会議所主催のPC教室や民間のPCスクールなど、商工会議所が認定した「商工会議所ネット試験会場」会場にて受験します。

原価計算初級

2018年よりスタートした原価計算初級は、原価計算の基本的な考え方を問うもので、出題範囲には原価計算の計算問題などが含まれます。従来、原価計算は2級以上の出題範囲とされていましたが、原価計算初級は、簿記を学習したことがない方でも原価計算の基本を学べる内容となっています。

3級(試験科目:商業簿記・会計学)

3級では、簿記の基本原理から、各種取引の処理方法、決算書類の作成など、小規模の株式会社を想定した商業簿記の基本知識を問われます。商業簿記・会計学の基礎を習得できる資格として、経理担当者のみならず幅広い業種、職種の方が受検しています。

なお、合格に必要な勉強時間の目安は100時間程度と言われています。初心者でも、独学でチャレンジしやすいレベルと言えるでしょう。

2級(試験科目:商業簿記・会計学・工業簿記※原価計算を含む)

2級からは商業簿記に加えて、工業簿記・原価計算も出題範囲に加わります。商業簿記・工業簿記の全般的な知識が問われるため、経理・会計分野のプロを目指すなら、ぜひ2級は取得しておきたいところ。実務経験と共に日商簿記2級があれば、転職にも活かせるでしょう。

なお、合格に必要な勉強時間は、200時間以上と言われています。

1級(試験科目:商業簿記・会計学・工業簿記※原価計算を含む)

1級では、より専門的な商業簿記・工業簿記の内容に加え、会計基準および企業会計に関する法令についての知識も求められます。経営管理や経営分析など、専門分野のエキスパート志望者が狙う、極めて高度なレベルです。

合格すると、税理士試験の受験資格を得ることができ、税理士や公認会計士志望者の登竜門としても有名。合格に必要な勉強時間は、約1,000時間が目安とも言われています。

各級の合格基準・合格率・受験料(2018年~2019年のデータから算出)

日商簿記の合格基準は、スコア制でなく正解率。受検者の約9割が合格している原価計算初級、約半数が合格している簿記初級・3級に比べると、いかに1級が難関であるかは一目瞭然ですね。

級数 合格基準 合格率 検定料(税込)
1級 正解率70%以上 約10% 7,850円
2級 正解率70%以上 約20% 4,720円
3級 正解率70%以上 約50% 2,850円
簿記初級 正解率70%以上 約50% 2,200円
原価計算初級 正解率70%以上 約90% 2,200円

※参考元:日本商工会議所『「簿記」受験者データ』2020年1月時点

開催時期

・1級:6月、11月(年2回)
・2~3級:6月、11月、2月(年3回)
・簿記初級、原価計算初級:試験施行機関(ネット試験会場)が日時を決定

※関連記事:『経理は簿記何級が必要?簿記検定はどの種類を取れば良いのかご紹介

②全商簿記:主に商業高校の生徒向けの資格

②全商簿記:主に商業高校の生徒向けの資格

全商簿記の正式名称は、「全国商業高等学校協会主催 簿記実務検定」。その名の通り、経理・会計畑の門を叩く学生向けの資格で、受験者の大半は商業高校の生徒です。

「学校で学んだ学習成果を確認する」という側面も持つ検定のため、日商簿記に比べると難易度は低めに設定されています。全商簿記の1級取得を、推薦入試の基準にしている大学も。

各級のレベルって?(試験範囲)

3級(商業簿記)

個人商店を想定した商業簿記の取引、記帳、決算といった会計処理に関する問題が出題されます。

2級(商業簿記)

3級から発展した個人商店向けの商業簿記に加え、株式会社の基本的な会計処理に関する問題も出題されます。

1級(商業簿記・工業簿記※原価計算)

大学の推薦入試でも基準となる1級は、「会計」と「原価計算」に科目が分かれており、両方とも合格した場合に1級合格となります。

会計

会計では、株式会社における会計処理を中心に会計法規や企業の業績測定などが出題されます。

原価計算

原価計算では製造業の簿記(工業簿記)に基づいて、製品の製造に要した金額(原価)の計算手続きに関する問題が出題されます。

各級の合格基準・合格率・受験料(2018年~2019年のデータから算出)

級数 合格基準 合格率 検定料(税込)
1
会計 正解率70%以上 約38% 1,300円
原価計算 正解率70%以上 約44% 1,300円
2級 正解率70%以上 約47% 1,300円
3級 正解率70%以上 約55% 1,300円

※参考元:全国商業高等学校協会『平成30年度 第86回 簿記実務検定試験申込者数・受験者数・合格者数集計表

開催時期

・1~3級:1月、6月(年2回)

③全経簿記:主に経理専門学校の学生向けの資格

③全経簿記:主に経理専門学校の学生向けの資格

全商簿記が商業高校の生徒向けの検定であるのに対し、全経簿記は社団法人全国経理教育協会が主催する経理・会計専門学校の学生向けの資格です。

難易度は、全商簿記より高く日商簿記より少し低めに設定されていて、全経簿記2級なら、日商簿記3級と同等のレベルと捉えて良いでしょう。

日商簿記を受ける前の予行演習や、知識向上のために受検する経理職以外のビジネスパーソンも多い傾向にあります。また、上級に合格すれば、税理士試験の受験資格が付与されるというメリットも。

各級のレベルって?(試験範囲、難易度、学習時間の目安)

基礎(簿記会計)

帳簿記入や複式簿記、元帳への転記、貸借対照表と損益計算書の作成などが出題されますが、あくまで簿記入門レベルのため、難易度は低め。

仕訳の正誤判断や、あらかじめ示してある勘定科目へ正しい金額を記入するといった、基本的な簿記の仕組みを問われます。

3級(商業簿記)

小規模株式会社における基本的な帳簿作成、複式簿記の仕組み、決算書類の作成といった商業簿記の問題が出題されます。

2級(商業簿記/工業簿記)

2級は商業簿記と工業簿記の2科目があり、合格者にはそれぞれ「2級商業簿記」「2級工業簿記」の合格証書が交付されます。

商業簿記は、中規模の株式会社の経理担当者や経営者に必要な簿記知識が求められます。具体的な出段範囲は、複式簿記の仕組みの理解、資本調達・運用活動のための帳簿作成、決算整理および翌期の再振替、損益計算書、貸借対照表の作成など。

一方、工業簿記は製造業における簿記の学習導入部とされていて、現場の経理担当者として工程管理や、実際原価に基づく基本的な帳簿作成の知識を問われます。

難易度はそこまで高くなく、合格率は70%程度と高め。なお、必要な勉強時間は100~120時間程度が目安です。

1級(商業簿記&会計学/工業簿記&原価計算)

2級が科目ごとの資格取得となるのに対して、1級は商業簿記&会計学と原価計算&工業簿記の両方に合格してはじめて1級の資格取得となります。

ただし、どちらかの科目のみ合格した場合でも、1年以内にもう一つの科目に合格すれば1級を取得したことになります。

1級の商業簿記&会計学では、大規模な株式会社の経理担当として、複式簿記の仕組みに精通し、複数業種に応用できる能力が求められます。連結財務諸表の初歩的な知識や、税金処理、決算整理、株式資本等変動書の作成などが出題範囲となります。

一方、工業簿記&原価計算では中小規模の製造業企業の経理・管理者レベルを対象としており、製造原価報告書および製造業の損益計算書と貸借対照表の作成などが問われます。

上級(商業簿記・会計学/工業簿記・原価計算)

上級では4つの科目が登場し、「商業簿記・会計学」と「工業簿記・原価計算」の2つに試験が分かれています。

日商簿記1級と同様の出題範囲ですが、全経簿記1級のほうがより工業簿記や原価計算のレベルが高いという特徴があり、上級合格者には税理士試験の受験資格が付与されるというメリットも。

上場企業の経理担当者や、税理士・公認会計士などの会計専門職を目指している方を対象としたレベルの試験です。

商業簿記・会計学:最新の会計基準を理解し、これに基づく財務諸表を作成する能力や、経営管理者レベルの会計情報利用スキルが問われます。

工業簿記・原価計算:原価に関わる簿記を行い、損益計算書と貸借対照表を作成できる能力があすことを証明する試験です。

また、製造・販売過程の責任者ないし上級管理者として、意思決定や業績評価のための会計運用ができるレベルの問題が出題されます。

各級の合格基準・合格率・受験料(2018年~2019年のデータから算出)

級数 合格基準 合格率 検定料(税込)
上級 正解率70%以上* 約16% 7,800円
1
商業簿記&会計学 正解率70%以上 約41% 2,600円
工業簿記&原価計算 正解率70%以上 約58% 2,600円
2
商業簿記 正解率70%以上 約47% 2,200円
工業簿記 正解率70%以上 約71% 2,200円
3級 正解率70%以上 約59% 2,000円
基礎 正解率70%以上 約70% 1,600円

*上級のみ、各科目の得点が40点以上で全4科目の合計得点が280点以上を合格とする。
※参考元:公益社団法人 全国経理教育協会『簿記能力検定受験データ』2020年2月時点

開催時期

上級:2月、7月(年2回)
1~3級、基礎:2月、5月、7月、11月(年4回)

経験・未経験問わず、資格は「強み」としてアピール可能

経験・未経験問わず、資格は「強み」としてアピール可能

ここまで日商簿記・全商簿記・全経簿記という3つの検定の違いをご紹介してきましたが、簿記検定は学生から社会人まで、幅広い方に役立つ資格です。

経理職のスキルアップに限らず、ビジネスパーソンとしてのキャリアアップや転職に活かしたい方、実務経験がない経理未経験者など、それぞれのレベルに合った検定・級を見極め、取得に向けての勉強に取り組んでいきましょう。

特に、これから経理職を目指している方は、簿記の資格取得が転職の際の大きな武器のひとつになります。

もちろん、簿記関連の資格を持っていなくても、経理職に就くこと自体は可能ですが、実務経験がない場合、資格をアピールして自らのポテンシャルを伝えることで、経験をカバーできる可能性も十分にあります。

それぞれの目指すキャリアプランに合わせて、資格を上手に有効活用していってくださいね。

就職・転職で簿記資格を活かす場合は、日商簿記3級以上を目指そう

日商簿記・全商簿記・全経簿記という3つの検定の中でも、未経験から経理職への転職を目指すなら、まずは日商簿記3級以上の取得を狙うのがオススメ。

なお、即戦力を求める正社員採用では、日商簿記2級が応募条件とされていることも多いのですが、派遣なら日商簿記3級レベルの知識でチャレンジできる経理アシスタントのお仕事も充実しています。

日商簿記3級で経理・会計の基礎知識を身につけ、アシスタントとして実務経験を積みながら、さらに上の日商簿記2級を目指すというキャリアステップも可能ですよ。

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