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2022/03/10

「紹介予定派遣」とは?メリット・デメリットや正社員を目指すための方法を解説!

著者: パソナ キャリアコーチ

「紹介予定派遣」とは?メリット・デメリットや正社員を目指すための方法を解説!

紹介予定派遣について「派遣社員との違いが分からない」「正社員ではなく紹介予定派遣を選ぶメリットって?」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。この記事では、紹介予定派遣について、派遣社員・正社員との違い、メリット、採用されるために必要な準備、面接対策をまとめました。

目次
「紹介予定派遣」とは?
派遣社員とは何が違う?
紹介予定派遣のメリット
紹介予定派遣のデメリット
紹介予定派遣の就業までの流れ
よくあるご質問
正社員を目指すなら「紹介予定派遣」にチャレンジしてみませんか

「紹介予定派遣」とは?

紹介予定派遣とは、正社員・契約社員といった直接雇用を前提とした契約のもと、就業先企業で働く雇用形態。まずは派遣社員として就業先で一定期間働き、派遣契約が満了した時点で、就業先企業と本人の双方による合意の上で、直接雇用の正社員や契約社員として採用されるという仕組みです。

なお、紹介予定派遣の派遣期間は、最長6ヶ月間。就業先によって異なりますが、一般的には3ヶ月程度が多く、中には1ヶ月というケースもあります。

通常、正社員としての転職だと、採用後に数ヶ月間の「試用期間」が設けられるケースもありますが、紹介予定派遣の場合は、この期間を試用期間としてみなされるため、直接雇用後に新たな試用期間が設けられることはありません。

派遣社員とは何が違う?

派遣社員とは何が違う?

次に、通常の「派遣」と「紹介予定派遣」の違いを整理しておきましょう。大きな違いは、以下にご紹介する3つです。

雇用元が変わる

通常の派遣社員と同様に、紹介予定派遣として派遣就業する期間は、派遣会社を雇用元として雇用関係を結ぶことになります。

しかし紹介予定派遣の場合は、派遣期間終了後に「就業先を雇用元とした直接雇用になる」ことを前提として働くこととなります。

履歴書の提出や面接がある

紹介予定派遣の場合、就業までの流れも通常の派遣社員とは異なります。派遣社員の場合、就業先への履歴書・職務経歴書の提出や面接はありませんが、紹介予定派遣の場合は、採用に関する選考が可能になるため、書類提出や面接が必要となるケースがほとんど。

まず書類選考があり、通過すれば面接に進むのが、一般的な流れです。また、紹介予定派遣で働いた後、直接雇用に切り替わる際に、改めて企業が面談などを行う場合もあります。

なお、紹介予定派遣の場合、自分で直接企業に応募するのではなく、派遣会社がお仕事を案内してくれます。また、派遣会社の担当に、提出書類の添削や面接対策などを相談することができます。

※関連記事:『採用担当が見るのはココ!紹介予定派遣の「面接」対策って?

一定の雇用期間が決まっており、更新はない

通常の派遣とは違い、紹介予定派遣の雇用期間は、最長6ヶ月までと決まられており、「契約更新」はありません。

1ヶ月・3ヶ月・6ヶ月などの雇用期間が一般的ですが、万が一紹介予定派遣の派遣就業期間を延長する場合でも、派遣会社・派遣社員・就業先、三者の同意を得る必要があり、トータルで6ヶ月という期間を超過することもできません。

※関連記事:『派遣社員と契約社員の違いって何?メリット・デメリットを徹底比較!

 

紹介予定派遣のメリット

紹介予定派遣のメリット

紹介予定派遣は、直接雇用で働く前に試用期間という意味合いも兼ねて、派遣社員として就業するという特徴的な働き方。続いては、紹介予定派遣で働く3つのメリットをご紹介します。

転職活動の手間や時間のロスを減らせる

通常、自分で転職活動をするとなると、求人情報の収集、応募書類の作成、求人への応募、複数回の面接、待遇面の交渉など、たくさんのステップを踏むことになります。お仕事を続けながら転職活動を進める場合、かなりの労力・時間を費やすことになるでしょう。

しかし、紹介予定派遣であれば、派遣会社から直接お仕事を案内され、企業との選考に関するやりとりも基本的に派遣会社が行います。そのため、紹介予定派遣の仕組みを利用することで、転職活動の手間を省き、スムーズな転職が可能になるでしょう。

直接雇用後のミスマッチを防ぎやすい

通常の転職活動だと、働く前に細かい業務内容や職場の雰囲気を把握するのは、なかなか難しいもの。実際に、紹介予定派遣として就業先で働いてみることで、求人情報だけでは分からない詳しい業務内容や職場の雰囲気を体験し、お仕事や職場との相性を測ることができます。

また、派遣就業中は、派遣会社が間に入ってフォローを行うので、気になることがあれば派遣会社の営業担当に相談することもできます。

派遣期間中は、企業にとっても働く本人にとっても、お互いを「見極める」期間。入社後をイメージしながら、就業先とのミスマッチがないかをじっくりと確認することができるのが、紹介予定派遣の大きなメリットのひとつです。

未経験の方もお仕事に就きやすい

最長6ヶ月の派遣期間があるため、未経験の方や経験の浅い方のお仕事が決まりやすいのも、紹介予定派遣の特徴です。企業によっては、本人のポテンシャルや就業意欲を評価してくれることも。

また、正社員での求人募集を出していない企業の求人が見つかることもあります。派遣就業中は、ぜひ意欲的に業務に取り組んだり、スキルアップのための資格取得に励んだりして、前向きな姿勢をアピールしましょう。

大手企業の社員になれる可能性がある

紹介予定派遣は、企業にとっても多くのメリットがあります。本人の適性や働きぶりを見極めてから採用を判断できることもあって、新卒や中途採用を行わずに紹介予定派遣のみを利用する企業も。紹介予定派遣なら、憧れていた大手企業の求人が見つかるかもしれません。

紹介予定派遣のデメリット

紹介予定派遣としての就業を考えている方は、紹介予定派遣のメリットだけでなくデメリットも確認しておきましょう。

必ず直接雇用になるわけではない

紹介予定派遣では、派遣就業期間が満了する前に、派遣社員と就業先企業に対して、直接雇用に関する意思確認が行われます。その意思確認で、どちらかまたは双方が直接雇用を希望しない場合、直接雇用にはなりません。

そのため、派遣期間を終えた後に、就業先企業の合意が取れない場合や、派遣社員側から直接雇用を見送る場合もありえます。

雇用形態は正社員だけではない

紹介予定派遣では、派遣期間満了後に双方合意の上で直接雇用となりますが、直接雇用になる際の雇用形態は、正社員だけではなく契約社員などの場合もあります。直接雇用後の詳しい条件や雇用形態については、事前にしっかりと確認しておきましょう。

また、直接雇用についての意思確認の際、再度待遇などについての条件も提示されますが、雇用元が変わるため、待遇が今までと全く同じということはありません。場合によっては、給与が下がってしまう可能性も。

給与や残業代、賞与など、直接雇用となった際の待遇は、事前に派遣会社の担当者へしっかり確認するようにしましょう。

通常の派遣のお仕事と比べて競争率が高い

派遣のお仕事の数と比べると、紹介予定派遣の求人数はやはり少なめ。その分、お仕事によっては競争率が高くなる可能性もあります。

そのため、最初から希望条件を絞りすぎずに、視野を広く持って紹介予定派遣のお仕事を探してみると、思わぬ出会いがあるかもしれません。

紹介予定派遣の就業までの流れ

紹介予定派遣の就業までの流れ

次に紹介予定派遣制度における「就業までの流れ」について、詳しくご説明していきましょう。

①派遣会社に登録

まずは、派遣会社への登録が必要となります。派遣会社を選ぶ際に注意しておきたいことは、「すべての派遣会社が紹介予定派遣を扱っているわけではない」ということ。

必ず紹介予定派遣のお仕事を扱っている派遣会社へ登録し、「紹介予定派遣のお仕事を探している」という旨を伝えましょう。

また、登録時には職歴や自身の得意分野、希望条件、希望職種などについてのヒアリングがあります。どんな紹介予定派遣のお仕事を探しているのか、自身である程度情報をまとめておくと良いでしょう。

※関連記事:『必ず事前準備を!派遣会社に登録して転職活動をする際に知っておくべきこと

②派遣会社からのお仕事案内

派遣会社への登録が完了したら、派遣会社から紹介予定派遣のお仕事を案内されます。

このとき、会社名や業務内容、派遣時の雇用条件、直接雇用後の条件などが提示されるため、気になった点は確認しておきましょう。

なお、この時点で提示される直接雇用後の条件は、就職後の評価によって変わる可能性もあるため、目安として考えておいてください。

③選考(履歴書・職務経歴書の提出、面接)

案内されたお仕事を希望する場合は、選考に進む旨を派遣会社へ伝えます。

選考は派遣会社を通して、履歴書・職務経歴書の送付や面接の申し込みが行われます。企業によって面接の有無や回数など、選考フローが異なるため、選考時の流れについても派遣会社へ確認しておくと良いでしょう。

※関連記事:『採用担当が見るのはココ!紹介予定派遣の「職務経歴書」対策って?

④派遣社員として就業

選考の結果、紹介予定派遣での就業が決定したら、派遣会社との雇用契約を締結し、就業開始となります。

この期間は、派遣社員にとって「お仕事が自分に合っているか」「働きやすい職場か」を見極められる絶好の機会。就業先企業にとっても、派遣社員の仕事ぶりを確認する期間なので、自身の実力をしっかりアピールしていきましょう。

⑤直接雇用の意思確認

派遣就業期間終了の数週間~1週間前を目途に、派遣会社から派遣社員・就業先企業の双方に、直接雇用に関する意思確認が行われます。この時点で、直接雇用後の待遇・就業時間といった雇用条件について再度確認し、双方が合意した場合には直接雇用となります。

なお、就業先企業が見極めのために派遣期間の延期を希望した場合、派遣社員・派遣会社・就業先企業三者の合意があれば延長できますが、このケースにおいても6ヶ月を超える派遣就業は認められません。

⑥直接雇用

派遣会社との派遣契約が満了し、直接雇用の合意が取れたら、めでたく就業先企業への入社となります。

直接雇用での入社後は派遣期間中とは異なり、雇用元は就業先企業となります。入社の際は、就業先企業の制度や就業規則をよく理解し、自身のキャリアアップにつながるような働き方を心がけると良いでしょう。

よくあるご質問

紹介予定派遣について、よくあるご質問をピックアップしてご紹介します。

  • Q.資格を取得している場合は採用されやすい?

    A.資格の有無はあくまで採用基準のひとつです。ただし実務に活かせる資格を持っていれば、お仕事の選択肢が広がるでしょう。実務経験がなくても、業務に関係ある資格を持っていれば評価されるケースもあります。
  • Q.紹介予定派遣に向いている人は?

    A.転職活動を効率良く進めたい方、職場の雰囲気や自分に合っているお仕事かどうかをじっくり見極めたい方、未経験だけれど正社員や契約社員になりたい方などに向いていると言えます。紹介予定派遣を利用して、大手企業での直接雇用を目指す方にもおススメです。
  • Q.お仕事が合わなかった場合は?

    A.もしも自分に合わないと感じたら、直接雇用を辞退することは可能です。派遣契約満了前に派遣会社の担当者が派遣社員と就業先企業の双方に意思確認を実施するので、そこで辞退したいと伝えましょう。

    辞退理由を伝えることにためらう方がいらっしゃるかもしれませんが、派遣会社としても次のお仕事を紹介する際の参考材料になります。社風が合わない、業務内容がイメージと違っていた、家庭の都合など、正直に理由を伝えることが大切です。


正社員を目指すなら「紹介予定派遣」にチャレンジしてみませんか?

「転職活動を効率良く成功させたい」「自分に合う会社か見極めるため、実際に働いてみたい」「未経験から正社員を目指したい」という方に、ぜひオススメしたい紹介予定派遣という働き方。

今回ご紹介した紹介予定派遣の特徴やメリットが、自分に合っているかチェックしてみてください。

パソナでは、紹介予定派遣のお仕事を希望する方に向けて、求人のご案内だけでなく、履歴書・職務経歴書の書き方、面接のアドバイスなど、転職成功に向けてのサポートを行っています。

紹介予定派遣に興味を持ったなら、ぜひパソナに一度相談されてはいかがでしょうか。

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参考サイト

みんなの仕事ラボ(シゴ・ラボ)は、働くすべての方々に向けたキャリアアップ、スキルアップのためのお役立ちサイトです。
「仕事はずっと続けるつもりだけど、このままでいいの…?」「何かスキルを身に着けたいけど自分には何が向いているか分からない」「職場でこんなことがあったけど、これって普通?」など、お仕事をする上でのお悩みや困ったをお助けするヒントやちょっとしたアイデアをお届けします。