スキル

2023/11/08

【例文付き】議事録の書き方とは?基本構成や素早くきれいにまとめるコツを紹介

著者: パソナ キャリアコーチ

議事録の書き方とは?基本構成や素早くきれいにまとめるコツを紹介

会議に参加するときに上司から「会議の議事録作成よろしく」と突然任されたものの、書き方が分からなくて困ってしまうこともあるでしょう。

議事録作成には、会議中の会話から必要な情報を的確に選び、わかりやすい表現を使用してテキストにまとめるスキルが求められます。そもそも議事録の目的は、会議に参加した人だけでなく、参加できなかった人にも会議の内容を伝えるために行います。

しかし、議事録で要点がまとまっていなかったり、重要な内容が抜けていたりすると、後で困ってしまいます。今回は、会議の議事録を作成するときのまとめ方のポイントや基本的なフォーマット、記載例について詳しく紹介します。

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目次
議事録とは
議事録を取る目的とその重要性
誰が見てもわかる!議事録の基本構成
議事録をきれいにまとめる4つのコツ
【例】基本フォーマット
議事録作成スキルを身につけるメリット
議事録に関するQ&A
議事録を取る際はポイントを押さえて、簡潔にまとめよう

議事録とは

議事録とは、社内外を問わず会議や打ち合わせで話し合われたことや決まったことを、テキストにして残しておくことです。後で内容を確認できるように備忘録として記録を残し、関係者に共有します。

議事録と似たものに「アジェンダ」がありますが、アジェンダは会議を円滑に進めるために議論する項目やスケジュールを、事前共有するものとして利用されています。

※関連ページ:研修・スキルアップ|パソナ

議事録を取る目的とその重要性

議事録を取る目的とその重要性

議事録は簡単なメモ程度のものから、法律で記載事項が決まっている取締役会議などの議事録まで、会議の規模や種類によってさまざまなものがあります。

それぞれ形式は違っていたとしても、議事録を取る目的は共通しています。まずは、議事録の目的や重要性について、紹介します。

議事録を取る目的

議事録を取る目的は、大きく分けて2つあります。

一つ目は、会議の決定事項の共有です。会議に出席していない人にも、分かりやすく内容をまとめることが重要です。

二つ目は、会議の備忘録を残すという目的です。時間の経過による記憶違いや勘違いがあっても、議事録を読めば正確な内容を振り返ることができます。

議事録の重要性

もし議事録がなければ、会議を欠席した人は参加者に決定事項や内容を確認しなければなりません。
また、口頭での説明は伝達漏れや間違いが起こりやすく、内容が正確に伝わらない可能性もあります。

会議に出席できなかった関係者にも正しい情報を共有できるほか、会議で発言された内容や決定事項を振り返ることができる議事録は、とても重要な存在です。

誰が見てもわかる!議事録の基本構成

議事録は多くの人の目に触れるため、誰が見てもわかりやすい書き方にすることが必要です。

書き慣れていないと難しく感じるかもしれませんが、議事録はある程度フォーマットが決まっています。以下の構成に沿って必要な情報を埋めていけば、簡単に作成できます。

なお、会社や部署によっては議事録のフォーマットが決まっている場合もあるので、わからない時には上司や先輩に相談してみましょう。

1.概要(開催日時・参加者など)

会議の名前や開催日時・場所、参加者などの概要を記載します。

参加者を書く時は、序列に気をつけましょう。社外の参加者がいる場合は、必ず敬称をつけ、続いて自社のメンバーを敬称抜きで役職が高い順に書いていきましょう。

社内メンバーだけの会議であれば敬称をつけても良いですが、「敬称略」として役職を抜いて記載する場合もあります。

2.議題(議論された内容)

会議の目的や趣旨、どんな議論が交わされたのかを明記します。また、後から見返したときに、誰が発言したのか分かるようにしましょう。

発言の要点を抜き出したり、同じ人の発言はひとつにまとめたりと、工夫して書いてみてください。

3.決定事項

会議で決まった内容を記載します。決定事項だけでなく、そこに至るまでの経緯を記載すると、欠席者が後で見返したときにも分かりやすくなります。また、保留事項があれば併せて記載しましょう。

4.次のアクション

決定事項を誰がいつまでに担当するのかなど、次のアクションを書きます。次回の会議日程も忘れずに書きましょう。

議事録をきれいにまとめる4つのコツ

議事録を取る目的とその重要性

一般的に、議事録は会議の開催された当日中か、翌日の午前中には共有するのが望ましいとされています。議事録は、会議の記憶が鮮明なうちに作成しましょう。ここでは議事録をきれいに手早くまとめるコツを紹介します。

1.事前に会議の目的や課題を把握しておく

議事録をスムーズに作成するには、会議の目的や議題について十分に理解しておく必要があります。

5W2H(When:いつ/Where:どこで/Who:誰が/What:どうする/Why:何を/How:なぜ/How Much/How Many:いくら、いくつ)に基づき、事前にわかる情報は会議の前に調べておきましょう。

2.ボイスレコーダーや文字起こし機能を活用する

会議中は発言や議論の内容をメモに取りますが、メモを取ることに集中しすぎて会議の流れが分からなくなっては困ってしまいますよね。

メモと記憶だけに頼るのではなく、ボイスレコーダーや携帯電話のボイスメモ機能を使って、音声を録音すると良いでしょう。Web会議であれば、TeamsやZoomの自動文字起こし機能を活用するのもおススメです。

また、音声を自動でテキスト化し、議事録にまとめやすいよう整理してくれるAI議事録自動作成ツールが活用されるケースも増えています。

こうした便利なツールを積極的に活用して、正確な記録をもとに議事録を作成していきましょう。

3.一般的な会議の議事録は、会話文ではなく要点を箇条書きにする

一般的な会議の議事録では、簡潔に内容をまとめる必要があります。文章が長くなりやすい「です・ます調」(敬体)ではなく、「だ・である調」(常体)を用いましょう。また、箇条書きを使うと見やすくなります。

4.会議によって形式を使い分ける

議事録の書き方には「要約形式」と「会話形式」の2種類があります。形式を使い分けることで、目的に合った議事録を作成できるでしょう。

要約形式

会議の内容を整理して、要点のみを書き出す方法です。スピーディーに作成でき、出席していない人にも決定事項を分かりやすく伝えられるため、一般的な会議でよく使われています。

会話形式

発言を時系列で記録する方法で、会議の流れや発言者を把握しやすいことがメリットです。議事録のボリュームが増えるため要点を把握しづらいことが難点ですが、質疑応答のようにテーマや発言者が次々と切り替わる会議では役に立ちます。

【例】基本フォーマット

紹介した内容をもとにした議事録の「良い例」「悪い例」を見ていきましょう。

良い例

会議議事録
■作成日:2023年11月1日
■作成者:太田
■会議名:展示会出展の販促物に関する検討会議
■日時:2023年11月1日 10時00分~10時30分
■場所:B会議室
■参加者:若松部長、田中、東元、太田

■議題:展示会出展の販促物について
■議論内容
「展示会では新製品をアピールしたい」(田中)
「スペースの都合上、販促バナーの掲載枠は2製品分」(太田)
「A製品とB製品ではどうか」(田中)
■決定事項
・展示会の販促バナーにはA製品とB製品を掲載、若松部長承認済
・販促バナーのラフデザインを11/7(火)までに作成(担当:東元)
■次回会議について
11/8(水)ラフデザインの検討会議

悪い例

会議議事録
2023.11.1 14:00~
出席者:田中、東元、若松部長、太田
議題:展示会出展の販促物について
内容:
田中「展示会では新製品を大きくアピールしたいです」
太田「スペースの都合上、販促バナーに掲載するのは2製品に絞る必要があります」
田中「では、A製品とB製品でいかがでしょうか」
若松部長「それで良いんじゃないかな。東元君、それで進めてくれ」
東元「かしこまりました。いつまでに作成すればよろしいでしょうか?」
若松部長「そうだな、11/7までにお願いするよ」
決定事項:販促バナーにはA製品とB製品を掲載することに決まりました。東元さんがラフデザインを作成することになりました。

解説

実際に議事録を作成してみると、敬体と常体が混在してしまったり、発言内容をそのまま記載してしまったりというケースはよく見られます。

議事録を作成し終えたら、内容を一度見直しましょう。客観的な目線で、会議を欠席した人でも分かりやすい内容になっているかチェックしてください。

議事録の共有はメールで送付するほか、印刷して部署内で回覧することもあります。印刷する際は、内容をすぐに把握できるよう、A4用紙1枚程度でコンパクトにまとめるよう心がけましょう。

議事録作成スキルを身につけるメリット

分かりやすい議事録の書き方を身につけることで、議事録以外のスキルの向上や、キャリアアップにも繋がるでしょう。

コミュニケーション力を高められる

議事録を作成するときには、会議中の発言の意図や要点を掴むことが重要です。そのため、議事録作成スキルを高めることで、話の本質を理解する「聞く力」が身につきます。さらに、上手な議事録には、論理的思考力や読み手に分かりやすくまとめるスキルなどの「伝える力」も欠かせません。

このように、議事録の作成を通して「聞く力」と「伝える力」が身につくため、日頃の上司や同僚・取引先などとのコミュニケーションもスムーズに行えるようになるでしょう。

重要な会議に出席できる

議事録作成スキルが評価されると、経営会議や取締役会といった重要な会議での議事録係を任される可能性もあります。なかでも秘書や営業事務など、上司をサポートすることの多いお仕事ではとくに評価されて、キャリアアップに繋がる可能性があります。

議事録に関するQ&A

議事録に関するQ&A

  • Q.議事録作成に割く時間は1週間でどれくらい?

    A.キヤノンマーケティングジャパン株式会社の議事録作成経験のある、全国のビジネスパーソンを対象にした調査では、議事録作成にかかる時間は1週間で平均6.13時間とされています。

    オンライン会議が普及されたことにより会議数も増え、議事録作成の負担は大きくなっています。

    ※参考資料:ビジネスパーソン*は平均約320時間/年も議事録作成に費やしている!議事録の作成業務における現場の負担とDXの浸透を調査 – キヤノンMJのプレスリリース|PR TIMES

  • Q.議事録を早く書くコツは?

    A.会議終了時までに、議事録のベースとなる内容をできるかぎり準備しておくことです。

    会議前には会議の目的や課題を把握するなどの準備を行い、会議中は要点をしっかりメモしましょう。メモを整えるだけで議事録を作成できる状態になっていれば、会議後に素早く提出できます。

    ※関連記事:仕事が覚えられない人必見!早く覚える方法って?4つの覚え方のコツをご紹介!|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-

  • Q.メモが追いつかないときはどうする?

    A.すべてをメモしようとすると追いつかなくなってしまうので、要点のみをメモしましょう。

    数字を優先してメモしたり、ひらがなや記号など素早く書ける表記を活用したりすると、遅れてしまうのを避けられます。また、メモだけに頼るのではなく、ボイスレコーダーやWeb会議ツールの文字起こし機能などを使うことで、正確な議事録づくりに活かせます。

    ※関連記事:思い通りに使いこなそう!Word上手になるための裏技【文字入力編】|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-

議事録はポイントを押さえて、簡潔にまとめよう

複数の人が関わるお仕事を進めるうえで、会議の議事録作成は重要な業務です。議事録をしっかりと取っておくことで、情報共有やタスクの再確認などを行うことができます。

また、議事録作成を通して「聞く力」と「伝える力」も向上していくでしょう。上司の目に触れる機会も多いので、わかりやすい議事録が書けると評価につながることもあります。今回紹介したポイントを押さえて、分かりやすい議事録作成を心がけてみてください。

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