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2022/10/31

派遣先とは?派遣社員が「勤務先」を書くときの記載方法をケース別に解説!

著者: パソナ キャリアコーチ

派遣先とは?派遣社員が「勤務先」を書くときの記載方法をケース別に解説!

派遣社員として働く中で耳にする、「派遣先」という言葉。派遣元や就業先といった似た言葉がたくさんあるので、違いがよくわかっていない方も多いかもしれません。
また、派遣社員として働いていて、クレジットカードの申込書や保育園の緊急連絡先に、勤務先を書くときに「派遣先」と「派遣元」のどちらを記載するのか、迷ってしまうこともあると思います。
今回は、派遣先や派遣元の定義について、わかりやすく説明します。派遣社員の方が勤務先を書くときの記載方法もケース別に解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

目次
派遣先とは?
派遣社員の「勤務先」は?
自分の「勤務先」はどっち?【4つのケース別に解説!】
「勤務先」は就業していれば書ける
まとめ

派遣先とは?

派遣先とは?

派遣先とは、派遣社員が実際に働く企業のことです。お仕事の指揮命令は派遣先から受けるため、
「自分がお仕事をする場所」と捉えるとわかりやすいでしょう。

派遣元との違いって?

派遣は「雇用される企業」と「実際に働く場所」が違う働き方です。派遣社員は、派遣会社と雇用契約を結び、派遣された先の企業で勤務します。派遣会社のことを「派遣元」、派遣された先の企業のことを「派遣先」といいます。

派遣社員にとって雇用主は派遣元ですが、お仕事の指揮命令は、実際の職場である「派遣先」から受けます。一方、お給料の支払いや社会保険の手続きなどは、雇用主である派遣会社が対応します。
派遣社員の仕組みについて詳しくは、下記記事をご確認ください。

※関連記事:派遣とは?派遣の種類や特徴、メリット・デメリットについて解説|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-

似ている言葉をまとめて整理

「派遣先」には、同じ意味を持つ言葉があります。似ている用語を整理しておきましょう。

派遣先(実際に派遣されて働く職場のこと)=就業先・就業先企業・派遣先企業
派遣元(雇用契約を結ぶ派遣会社のこと)=派遣会社・雇用主

※当サイト『みんなの仕事Lab シゴ・ラボ』では、派遣先のことを「就業先」という言葉で統一しています。

派遣社員の「勤務先」は?

派遣社員の「勤務先」は?

派遣社員として働いていて、クレジットカードや賃貸住宅の契約をするとき、勤務先を聞かれることもあると思います。ここでは、派遣社員が勤務先を聞かれたときの答え方について解説します。

派遣社員の勤務先は「派遣元」

勤務先を聞かれたら、原則として「派遣元」を答えるようにしましょう。派遣社員が勤務先を聞かれるのは、基本的に「雇用の有無」を確認されるときが多いです。

たとえば、クレジットカード会社は、申込書の勤務先を見て「契約者が企業に雇用されているのか(収入があるのか)」を確認します。このとき、雇用主である派遣会社の社名が記載されていれば、クレジットカード会社は雇用確認を派遣会社へ行います。

一方、「派遣先」は派遣社員との直接的な雇用関係がありません。そのため、申込書に派遣先の社名を書いても、雇用の証明にはなりません。基本的に勤務先の欄には、雇用関係を証明できる「派遣元」を書くようにしましょう。

例外もあるので注意しよう

ただし、勤務先を聞かれて、必ずしも派遣元を答えれば良いというわけではありません。

たとえば、「緊急の際にどの勤務先へ連絡すれば良いですか?」と聞かれた場合、派遣先と派遣元のどちらを答えるべきか悩みますよね。もし派遣会社の社名を答えてしまうと、自分の働いている職場ではないので、緊急時にすぐ連絡がつくとは限りません。このように勤務先を聞かれたときの状況によって、答え方を変える必要があるので注意が必要です。

自分の「勤務先」はどっち?【4つのケース別に解説!】

自分の「勤務先」はどっち?【4つのケース別に解説!】

派遣社員が勤務先を聞かれたときの答え方を4つのケースにわけて解説します。契約書や緊急連絡先の書き方に迷ったときに、ぜひ参考にしてみてください。

1.クレジットカードやカードローンの契約

クレジットカードやカードローンを契約するときは、基本的に在籍確認と呼ばれる審査が行われます。在籍確認とは、「契約者に返済能力があるかどうか」を確かめるために、クレジットカード会社が契約者の勤務先を審査することです。在籍確認の際、クレジットカード会社は申込書に書かれた勤務先に電話をして、実際に契約者が在籍しているのかを調査します。

在籍確認でチェックされるのは、主に「契約者と雇用関係があるかどうか」です。そのため、申込書の勤務先欄には、派遣社員として雇用契約を結んだ「派遣元」の社名を記載するようにしましょう。
そうすれば、在籍確認の際に派遣会社から「○○さん(契約者)は弊社(派遣会社)に在籍しています」と証明してもらえます。

パソナでは、クレジットカード会社から在籍確認の電話がきたら、まずは本人に連絡して情報開示の了承を得たうえで、審査に応じるようにしています。クレジットカード会社によっては、勤務先欄に「派遣先の社名を記載ください」「派遣先と派遣元の両方をお書きください」と指定している場合もあります。その際は、申込書や入力フォームの指示に従って、勤務先を記載しましょう。

2.賃貸契約

アパートやマンションなどの賃貸住宅を契約するときには、居住審査があります。居住審査とは、「居住者が家賃の支払い能力を持っているか」を確かめるため、大家さんや管理会社が実施する審査のことをいいます。

居住審査でチェックされるのは、クレジットカード会社の在籍確認と同様、「雇用の有無」です。そのため、契約書の勤務先には、雇用関係を証明できる「派遣元」の社名を書くようにしましょう。

3.保育園の緊急連絡先

保育園で緊急連絡先を聞かれた際、勤務先の電話番号を記入することもあると思います。この場合、派遣元である派遣会社の番号を書くと、連絡が遅れてしまうかもしれません。

そのため、緊急連絡先として勤務先を書く場合は「派遣先」が望ましいでしょう。派遣先は実際に就業している場所なので、スムーズに連絡を受けられます。

ただし、緊急連絡先について事前に派遣先の了承を得ていないと、連絡の受け渡しがうまくいかない可能性もあります。そのため、できるだけ就業前に派遣会社に相談して、「派遣先の電話番号を緊急連絡先にしたい」と伝えておくことも大切です。そうすることで、派遣会社を通じて派遣先の企業へ協力を依頼できるので、緊急時の連絡も届きやすくなるでしょう。

4.履歴書・職務経歴書

履歴書、職務経歴書には、「派遣元」と「派遣先」の両方を書くようにしましょう。

履歴書・職務経歴書は、自分の経験してきた業界や仕事内容を説明するための書類です。これまでどのような職務経験を積んできたのかが伝わるように、派遣元の社名だけではなく、派遣先の社名や部署名、実際に担当した業務を記載しましょう。派遣元については「○○株式会社に登録」、派遣先については「○○株式会社に就業」と記載すると、よりわかりやすくなります。
履歴書・職務経歴書の書き方について詳しくは、下記記事をご確認ください。

※関連記事:派遣会社に提出する履歴書の書き方とは?内容や書き方のポイントについて解説|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-

「勤務先」は就業していれば書ける

「勤務先」は就業していれば書ける

「派遣会社に登録したが就業はしていない」という状態の方もいると思います。その場合、クレジットカード会社や賃貸住宅の契約で、勤務先に「派遣元」の社名を書いても良いのか迷いますよね。

派遣登録だけの状態ではなく、実際にお仕事に「就業」していれば書くことができます。雇用関係の確認が目的なので、勤務先として記載するには、実際に就業していることがポイントと言えるでしょう。

まとめ

派遣社員にとって、「派遣先」は派遣されて働く職場、「派遣元」は雇用関係を結んだ派遣会社となります。クレジットカードや賃貸住宅の契約書に勤務先を書くときは、雇用関係を証明できる「派遣元」の社名を記載するようにしましょう。

また、保育園の緊急連絡先には「派遣先」の電話番号を書くことによって、連絡がつきやすくなる場合もあります。入園の際に勤務先を聞かれたら、事前に派遣会社へ相談することをおススメします。

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