経理初心者にオススメの勉強法は?経理に必要な知識・スキルをご紹介!
これから経理職を目指している方や経理初心者の方にとって「就業先でスムーズに業務ができるかな…」という不安や心配は尽きないもの。
「日商簿記3級は取得したけれど、もう忘れているかも…」「Excelが苦手で心配!」そのようなお悩みがある方は、経理の基礎知識やPC操作の復習をしてから、新しいお仕事に臨んでみてはいかがでしょうか。
今回は、経理初心者の方がスムーズにお仕事を始めるために、就業前に復習しておきたい経理の基礎知識やオススメの勉強法をご紹介します。
- 目次
- 就業開始までに復習しておきたい経理の基礎知識やスキルって?
- 勉強法①簿記の復習をする
- 勉強法②経理の基本業務をおさらいする
- 勉強法③Excelの基本スキルを磨く
- 専門スクールやeラーニングを利用した経理業務全体のおさらいも◎
- 就業前は基礎をおさらいして、知識やスキルを磨いておこう!
就業開始までに復習しておきたい経理の基礎知識やスキルって?
経理職は会計データの入力、計算、請求書・納品書の作成や確認など、数字を扱うことが多いお仕事。スピードと正確さが求められ、時には膨大なデータの集計や分析を任されることもあります。
これまで経理に必要な勉強をしてきた方でも、就業前に再度復習をすることで、自信を持って業務に臨むことができるでしょう。
ここでは、経理初心者の方が実際に就業するまでに復習しておきたい、経理の基礎知識やスキルについてご紹介します。それぞれの項目の詳しい内容は、後半でご紹介してきます。
※関連記事:『経理とは|経理の仕事内容について詳しく解説!』
簿記の知識のおさらい
実際の業務をスタートする前に、経理に必須となる簿記の基本知識をおさらいしておきましょう。ここでは簿記の基本となる概念、考え方をまとめました。
取引
簿記上の「取引」とは、お金やモノ(会社の商品や資産)が増えたり減ったりすることを意味します。具体的には、実際に商品を購入したり、その手続きを行ったりしたことにより、「会社の資産、負債、純資産(資本)、収益、費用が増減すること」が取引にあたります。
仕訳
「取引」を記録する手段が「仕訳」。仕訳をスムーズにできるようになるには、次の項目にある「5つのグループと勘定項目」を覚えて「借方」「貸方」を理解することが重要です。「借方」「貸方」は、取引があったときに記帳する仕訳の勘定科目の位で、伝票の左側に「借方」と右側に「貸方」を記入します。
簿記の5つのグループと勘定項目
簿記においての各取引を、資産・負債・資本・収益・費用といった5つのグループに分けて勘定項目を記載していきます。会社を出入りするお金を5つのカテゴリ別に分け、勘定科目というインデックスをつけていくと考えると、わかりやすいでしょう。
- 資産…現金や預金、売掛金などの事業における資金・資産
- 負債…借入金や買掛金、未払金など返済が発生するお金
- 資本…株主から預かった資本金など事業の元金
- 費用…人件費や接待交際費など事業を営むのに使われるお金
- 収益…売上高や雑収入など事業収入全般
決算書(貸借対照表・損益計算書)
決算書とは、会社のお金の状況を表す書類のことで、毎年社内外に向けて事業年度における会社の成績を発表・開示しなければいけません。一般的に決算書は、「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」「株主資本等変動計算書」「キャッシュフロー計算書」の4つから構成されています。
このうち重要なのが、「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」という書類。
貸借対照表では、会社の資産と負債のバランスをまとめたデータが記載されています。一方、損益計算書は、会社の1年間の損益を計算した計算書のこと。
貸借対照表や損益計算書で良く使用される基本的な勘定科目は、ぜひ覚えておきましょう。また、それぞれ書類の見方についても、就業開始前までにしっかりとおさらいしておいてくださいね。
Excelの基礎知識やショートカットをマスター
経理職ではExcelや会計ソフトを使ったデータ入力や集計作業が主な業務になります。参考書などを見ながら、基本操作や便利なショートカットなどをマスターしておきましょう。
電卓のタッチタイピング
経理職のパートナーと言えば電卓。最近はExcelや会計ソフト上での作業が主流ではありますが、伝票や領収書の処理など、簡単な計算は電卓を使ったほうが早い場合も。
早打ちの練習を行うことで、電卓の計算スキルは確実に上達しますよ。また、PCのキーボードと同様に、電卓のタッチタイピングをマスターすることで、日常業務の作業効率もアップするはず!
※関連記事:『覚えておきたい電卓スキル!業務効率をアップさせるための電卓計算術!』
勉強法①簿記の復習をする
経理として就業する前に身に付けておきたい基礎知識やスキルについて、ここでは具体的な勉強方法をご紹介します。まずは経理職にとって必要不可欠な「簿記」の勉強法をご紹介します。
「日商簿記検定3級」をおさらい
簿記の基本概念を改めて理解するために、日商簿記検定3級をおさらいしておくとスムーズに実務に入れます。例えば、「簿記上の取引が発生したら、まず仕訳をして帳簿に転記する」という一連の流れを把握しておきましょう。
3級では、仕訳(取引を勘定項目に分類すること)を行い、仕訳した内容を元に「総勘定元帳」という日々の取引を勘定科目ごとにまとめた帳簿を作成。総勘定元帳を元に、決算書(「貸借対照表(B/S)」「損益計算書(P/L)」)という書類を作成するところまでを学びます。
すでに資格を取得されている場合は、テキストをじっくり読み込んで、総復習しましょう。電卓を片手に、ひたすら過去問を繰り返し解くことがオススメ。
まだ取得していない方は、取得に向けて市販の問題集を繰り返し学習しましょう。合格するために必要な学習時間の目安は50~100時間と言われています。実際にお仕事がスタートする前に集中して取り組みましょう。
また、新しい就業先が製造業や建設業であれば、原価計算の仕方をおさらいしておくと大きく役に立つでしょう。
※関連記事:『経理は簿記何級が必要?簿記検定はどの種類を取れば良いのかご紹介』
勉強法②経理の基本業務をおさらいする
経理パーソンにとって、仕訳やデータ集計は必須の業務。経理特有の計算書などは繰り返し見て馴染んでおきたいもの。また、タッチタイピングは、就業前に繰り返し練習しておきましょう。
仕訳の練習
簿記の基礎概念の内容を踏まえて、実務に備えて「仕訳の練習」をしてきましょう。
貸借対照表・損益計算書を見て基本的な勘定科目を把握
会社の財務状況を知るための「貸借対照表(B/S)」。会社の利益を確認するための「損益計算書(P/L)」。
これら2つの作成は経理にとって欠かせない業務。特に「貸借対照表」は慣れないうちは複雑に感じることもあるので、就業前に貸借対照表のサンプルをしっかり読み込んでおきましょう。参考書を繰り返し見ることがおすすめです。
勉強法③Excelの基本スキルを磨く
Excelを使って、数字集計や資料作成をすることが多い経理のお仕事。就業前にExcelの基本スキル+αをマスターしておけば、作業の効率もアップし、より活躍の幅が広がりますよ。
計算がスムーズになる関数や、集計作業で役立つピボットテーブルなど、経理業務で役立つExcelのテクニックをいくつかご紹介します。
基本的な計算の関数
SUM関数:=SUM(参照範囲)
指定したセル内の数字を合計する
AVERAGE関数:=AVERAGE(参照範囲)
指定したセル内の数値の平均を出す
MIN関数:=MIN(参照範囲)
指定した範囲のセル内の数値の最小値を出す
MAX関数:=MAX(参照範囲)
指定した範囲のセル内の数値の最大値を出す
COUNT関数:=COUNT(参照範囲)
空白以外のセルの数を数えてくれる
集計で役立つ関数
IF関数:=IF(論理式,[値が正しい場合],[値が誤りの場合])
条件を満たす内容のセルを数える関数。テキストや数値、計算式が条件として指定できます。テキストを指定する際はダブルクォーテーション「“”」で囲みましょう。
VLOOKUP関数 :=VLOOKUP(検索値,検索範囲,列番号,検索方法)
指定した範囲の中から、検索条件に合うデータを探し出してくれる関数。「検索する値」や「検索する範囲」などを入力するだけで、膨大なリストの中から必要なセルが簡単に見つかります。
SUBTOTAL関数:=SUBTOTAL関数(集計方法,参照範囲)
合計や平均などの数値を集計するのに使える関数。引数を変更すれば、平均値や最大値なども簡単に計算できます。表の間に小計がたくさん含まれ、最後に総合計を求めるような表を作成する場合には、便利な関数です。
ピボットテーブル
Excelの基本的な集計機能。作成した表の項目を選択するだけで、クロス集計や平均値算出、データ集計の詳細化などが簡単にできます。
これらのテクニックを習得するには、Excelの参考書を見ながら繰り返し作業を練習することが大切。実際にExcelを操作しながら、習得を目指しましょう。
※関連記事:『【エクセル】新米経理が絶対マスターしたい3つのテクニック』
専門スクールやeラーニングを利用した経理業務全体のおさらいも◎
経理は、さまざまな知識が必要となる専門性の高いお仕事。参考書を使って独学で学ぶのもひとつですが、身につけておきたい基礎知識・スキルも多いため、専門スクールやeラーニングを利用して、経理業務全体のおさらいをする勉強法も効果的です。
資格取得に特化した講座から、実務に役立つ講座、PCスキルに特化した講座など、さまざまなラインナップがあります。短期間で集中的に学習し、学んだ内容を業務に活かしていきましょう!
ここでは、専門スクールやeラーニングを利用するメリットについてご紹介します。
専門スクールやセミナーに参加する
経理未経験者の方は、就業前に「座学」で知識を深めると良いでしょう。基礎知識を固めるためにも、しっかり腰を落ち着けて集中的に学べる専門スクールやセミナーが効果的です。専門家から直々に教わることで実践的な知識が身につくので、就業後に対応できる業務の幅も広がるでしょう。
また、派遣会社に登録していると、研修・講座を受けられたり、提携している専門スクールを特別価格で利用できたり場合もあります。ぜひ調べてみてくださいね。
※参考元:株式会社パソナ『パソナ提携スクールの紹介』
eラーニングを利用する
オンライン上で好きな時間に学べるのが、eラーニング。比較的低価格で、自分の都合が良い時間帯で学べることから人気を集めています。
スマホやタブレット、PCがあればすぐに始めることができ、家事の合間や移動中などのスキマ時間で学べるというのも大きなメリット。スクールに通う時間が取れない方や、在宅で学びたいという方は、eラーニングがオススメですよ。
また、派遣会社でeラーニング講座を実施している場合もあります。パソナでは、スキルアップや資格取得に役立つ専門講座など幅広いメニューがありますので、気になる方はぜひチェックを!
※参考元:株式会社パソナ『eラーニング』
専門スクールにもeラーニングにも、それぞれメリットがあります。独学が苦手な方は「専門スクール」、スキマ時間を活かしたい方は「eラーニング」など、自分に合った勉強法を見つけてくださいね。
就業前は基礎をおさらいして、知識やスキルを磨いておこう
新しいお仕事をスタートするときには、誰でも不安を抱くもの。
特に、専門性の高い経理職では未経験スタートの場合、知識やスキル面で業務についていけるか心配になる方が多いようです。しかし、基本的な簿記の知識やPCスキルさえ身につけておけば、あとは働きながらより高度な専門知識を身につけていくこともできるので、自信を持ってお仕事をスタートできるでしょう。
今回ご紹介した経理の基本スキルをおさらいして、経理パーソンとしての第一歩を踏み出してみてくださいね。
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