経理ならではのプレッシャーって?乗り越えるためのヒントを伝授します!
日々、会社のお金の流れを記録し、管理している経理のお仕事。当然ながら、すべての業務が会社のお金に関係するため、責任の大きさを感じる方も多いようです。
常に慎重さと正確さが求められる環境にプレッシャーを感じたり、自分のスキルや将来への不安を抱えたりしながら、お仕事をされているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、経理職の方が感じやすいストレスやプレッシャーを乗り越えて、前向きにお仕事に取り組むためのヒント、そしてその対処法をご紹介します。
- 目次
- 経理業務で感じやすい「プレッシャー」の3つの原因とは
- ミスへの不安の解消法・対策
- スキルに関する不安の解消法・対策
- 働き方に関する不安の解消法・対策
- メンタル面の不安の解消法・対策
- プレッシャーを乗り越えることで、経理としての成長につながるはず!
経理業務で感じやすい「プレッシャー」の3つの原因とは
“プレッシャー”とは、一般的に「外からの圧力」や「精神的に感じる重圧」を意味する言葉です。
お仕事で感じるプレッシャーは、ある意味で「周りから自分への期待を感じている」証拠でもあり、「期待に応えたい」「成功させたい」という想い自体は悪くないものです。そのため、適度なプレッシャーはプラスに働いて、やる気やモチベーションにつながるでしょう。
しかし、あまりにプレッシャーが大きすぎると、「失敗するのが怖い」「周りに迷惑を掛けたくない」という想いから、ストレスやパフォーマンスの低下につながったり、場合によっては、体調を崩したりしてしまう可能性もあります。
プレッシャーを肯定的に受け止め、成長の糧にするためには、まずは、自分が何に対してプレッシャーを感じているのか知ることが大切です。
正確さが求められる経理の場合、以下のような原因がプレッシャーにつながる可能性があります。
①ミスへの不安
会社の大切なお金を扱う以上、経理業務にミスは許されません。とはいえ、人間は誰しもミスをしてしまうもの。経理業務で起きやすいミスとして、計算ミス、入力ミス、二重計上ミス、処理方法の間違いなどが挙げられますが、経験が浅いうちは仕訳などの定型業務も多く、ミスが増えてしまう傾向にあるようです。処理スピードや正確性も求められることから、ミスへの不安を感じる方が多いようです。
②スキルに関する不安
お仕事をするなかで、自分の実力不足を感じたり、期限内に仕事を終わらせることができなかったり…そんな自分のスキルに対する不安が、プレッシャーにつながることもあります。
また、中途採用で転職してきたばかりの方の場合、「経験者だから」という周囲からの期待を、重荷に感じることも少なくないようです。経理業務や職場環境に慣れないうちは、こうしたストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
③働き方に関する不安
経理は、定期的に繰り返し行うルーチンワークや、細かい数字の入力・集計・確認作業が多いお仕事。
そんなルーチンワークや細かい作業が合わない方は、経理のやりがいや楽しさを感じにくいかもしれません。また、期限が決まっている業務が多いため、スケジュールに追われることに対し、不安を感じる方も。
さらに、営業部門とは違い、個人の成果を数値化しにくい経理部門では、自身の実績が思うように評価されない点に悩む方も多いようです。
このように、経理の経験が浅いために起こるプレッシャーもあれば、経験を積んでいるからこそ感じるプレッシャーもあるでしょう。こうしたプレッシャーを乗り越えるために、ここからは、お悩みごとの解決策や対策法のヒントをご紹介します。
ミスへの不安の解消法・対策
ミスを完全になくすことはできなくても、工夫次第でミスを減らすことはできます。ご紹介するメンタル面の不安解消法と、具体的なミス防止策を参考に、「ミスへの不安」によるプレッシャーを解消しましょう!
ミスに対する心の持ちようを変える
経理業務で何かミスをしてしまうと、「次はミスできない」という状況がプレッシャーになりますし、「ミスを絶対にしない!」と気負いすぎると、自分自身にプレッシャーを与えてしまうことにもなります。とはいえ、人間である以上、ミスは起きてしまうもの。
お仕事と向き合うときの心のハードルを少し下げ、「誰にでも起こり得るもの」という前提で、「どうすれば同じようなミスを繰り返さないか」「ミスに気付ける仕組みを作るか」を考え、対策を練ることが大切です。ミスに対する心の持ちようを変え、具体的な対策をしていけば、ミスをすること自体へのプレッシャーも軽減されるのではないでしょうか。
ミス防止策
ミスへの不安を解消するための具体的な方法は、ミスが起きにくい環境を作り、ミス防止策をとることです。個人でできることから、部署のメンバーなど周りと協力しながら行うミス防止策まで、いくつかご紹介しましょう。
個人でできること
完了した自分の作業のセルフチェックを行う
真っ先に実行できるミス防止策は「セルフチェック」。セルフチェックのポイントは、2段階に分けて行うことです。
まずは伝票などの入力元となる書類を見ながら入力漏れがないかを確認し、次に打ち込んだデータをプリントアウトして内容をチェックします。「入力チェック」と「内容チェック」の2段階に分けることで精度が上がりますよ。
職場やデスク周りの整理、掃除をする
ミスの防止には、業務を行うための環境を整えることが大切。整えられた職場環境は、お仕事の効率や質を高めます。作業の妨げにならないよう、デスク周りは常に整理整頓しておきましょう。
休憩を定期的に入れて、疲れをとる
正確な作業には高い集中力が必要です。定期的に休憩を取って、頭や目を休めましょう。トイレ休憩のときに、軽いストレッチをするのもオススメ。
部署のメンバーや周りと協力して行うこと
- 経理業務のガイドラインやマニュアルを整備し、判断基準を統一する
- 確認や報告などのコミュニケーションを活発にとって、お互いに注意し合う
- 書類などのダブルチェックができる環境を整える
他にも、経理メンバー同士で、思わずヒヤリとした事例の共有をする「ヒヤリハット」を行うことで、ノウハウの共有や、ミス予防に役立てているケースもあります。ぜひ、ご自身の環境に合わせて、改善点を見つけてください。
こうした取り組みによってミスが減っていけば、徐々に自信がつき、プレッシャーを肯定的に受け止めることができるようになるでしょう。
※関連記事:『経理でよくある失敗談は?同じミスを繰り返さないヒント、教えます』『経理のチェック体制を改善しよう!ミスを“ゼロ”に近づける方法って?』
スキルに関する不安の解消法・対策
「自分にはスキルが足りていないのでは?」と思うと、焦ったり、自信をなくしたりしてしまいますよね。
このケースの解決策は「今の自分に足りないスキル」を知り、求められるスキルを磨いて、実務経験を積むこと。そうすれば、経理として着実にステップアップすることができるでしょう。経理の方にオススメのスキルアップは次の通り。
簿記のスキルを磨く
経理の基本スキルと言えば、やはり簿記。簿記の知識に不安がある場合は、簿記の勉強を復習したり、「日商簿記2級」に挑戦したりすると良いでしょう。簿記の学習では、独学以外にもスクールや社会人向けの簿記講座・セミナーに通う方法もあります。自分に合った学習法を選んで、スキルアップに励みましょう。
※関連記事:『【簿記】日商?全商?全経?3つの簿記検定の違いを解説します!』
PCスキルを磨く
経理業務で日常的に使うことが多い経理ソフトやExcelなどの操作スキルを磨いて、実務に活かしましょう。Excelなら、ショートカットなどの基本操作や主要な関数、ピボットテーブルを使った集計は覚えておきたいところ。参考書を見ながら、実際に手を動かして操作を覚える方法がオススメ。
覚えた知識や技術を実務で活かすことで、よりいっそう知識も定着し、着実にスキルを自分のものにしていけるでしょう。
※関連記事:『経理職に就くために最低限必要な「PCスキル」って?』
働き方に関する不安の解消法・対策
「経理のお仕事にやりがいを感じられない」「評価や待遇面で疑問がある」など、経理職としての働き方に不安を抱えている方は、まずどんな不安があるのか、何が重荷の原因になっているのか、洗い出してみましょう。
そのうえで、どうすれば働き方に関する不安やプレッシャーが解消をされるのか、お悩みごとに考えていく方法がオススメ。ご自身の状況に合わせて、下記の解決策も参考にしてみてくださいね。
時間の使い方やスケジュール管理を工夫する
日次から年次まで、定型業務やスケジュールが決まっていることが多い経理のお仕事。そのため、ある程度自分の采配で業務配分をコントロールし、メリハリをつけた働き方ができるという特徴があります。
繁忙期はあるものの、忙しくなる時期や業務の期限も、事前にわかっているケースがほとんどではないでしょうか。しっかりスケジュール通りにお仕事を進めていけば、大きなトラブルに発展することはないでしょう。
そのため、上手に時間のやりくりやスケジュール管理をして、閑散期には定時退社したり、積極的に有休を取ったりするなどの工夫をしてみてください。
周りの人に相談する
もし、自分だけで解決できないお悩みを抱えているなら、ぜひ信頼のおける周りの人にも相談してみましょう。「プレッシャーのもと」の原因が、業務内容や業務量、業務フローなら、まずは上司や先輩に相談し、部署内での業務分担や職場環境の改善に取り組んでみてください。
派遣社員の方の場合は、まず派遣会社の営業担当者へ今のお仕事のお悩みを話してみてください。営業担当があなたと就業先との間に立って、一緒に解決策を考えてくれるはずですよ。
※関連記事:『派遣社員の相談先は?仕事のトラブル・昇給・体調不良etc.困ったときに相談するところをチェック』
転職を検討する
いろいろチャレンジしてみたけれど、どうしても不安を払拭できない…という場合には、心身の健康を保つためにも、転職を考えるという方法もあります。
その際、「プレッシャーから逃れたい」という後ろ向きな発想ではなく、「こんな環境だったら、もっと自分らしくイキイキと働けるのでは」という、前向きな発想で、自分に合った転職先を考えてみてくださいね。
派遣社員の方が転職を検討する際は、現在のお仕事の契約期間を事前に確認しておくことが大切。少しでも迷ったら早めに、派遣会社の営業担当に相談すると良いでしょう。
※関連記事:『派遣先を辞めたい!トラブルなく辞めるために知っておきたいこと』
メンタル面の不安の解消法・対策
さまざまな経理ならではのプレッシャーを乗り越えるためには、心に余裕を持つことも大切。プレッシャーや不安としっかりと向き合い、自分の感情を整理することで、新たな気持ちでお仕事に向き合えるようになるかもしれませんよ。
不安な要素を書き出す
心の中にある不安要素をスマホのメモ帳や紙に書き出すことを「エクスプレッシブライティング」と呼びます。プレッシャーに感じていることや不安要素などをすべて書き出し、客観的に自分の感情と向き合うことで、次第にネガティブ感情やプレッシャーを感じづらくなる効果があると言われています。
また、不安要素を整理することで、その解決のために必要な行動が明確になるなど、多くのプラス効果がもたらされることでしょう。
ポジティブ思考や、お仕事を達成したときの「成功イメージ」を思い描く
お仕事で不安を感じたときは、お仕事をやり切ったときの「成功イメージ」を頭に描いてみてください。
たとえば、「月末処理で1円の誤差もなく数字がピタリと合ったとき」「ミスなくデータ入力できたとき」など、そのお仕事を完了させたときに得られる達成感を思い浮かべてみましょう。
お仕事をやり切ったときの成功イメージを重ねることで、いつしかプレッシャーもポジティブなものに捉えることができるようになるはずですよ。
「ピンチはチャンス」という言葉があるように、プレッシャーを乗り越えた先には、きっと新しい気付きや成長があるはずです。プレッシャーをネガティブに捉えすぎずに、「大変だけれど、このプレッシャーは自分が成長するためのチャンスでもあるんだ」と前向きに捉えることで、取り組み方も変わってきますよ。
心身ともにリフレッシュを
お仕事のプレッシャーに負けそうになるのは、疲れが原因の場合もあります。経理はデスクワークが1日中続くことも多いので、何かとストレスがたまりがち。次の日に疲れを残さないよう、しっかりと食事や睡眠をとり、規則正しい生活を心がけましょう。
また、四六時中お仕事のことを考えていると疲れてしまうので、オンオフのメリハリをつけるのも大切です。休日は、お仕事のことを忘れて、思い切り趣味に没頭したり、旅行に行ったり、身体を動かしたりと、上手に気分転換してみてくださいね。
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プレッシャーを乗り越えることで、経理としての成長につながるはず!
プレッシャーは、誰もが抱える可能性があるもの。プレッシャーとうまく向き合って、乗り越えていくことで、経理としてのステップアップや、自分自身の成長にもつながるはずです。悪い方にばかり捉えず、どうやったらうまく乗り越えられるかを考えて、行動してみてください。
もし自分の努力だけでは難しいと感じたときは、早めに会社の上司や派遣会社の営業担当など、周りに相談しましょう。思い切って職場や働き方を変えてみることで、解決する可能性もありますよ。
パソナでは、おひとりおひとりの働き方のご希望をうかがったうえで、条件に合った経理のお仕事をご案内しています。お仕事探しや今後のキャリアのことに悩んだら、ぜひ気軽にご相談にいらしてくださいね。
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