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2017/03/10

【未経験】決算ってどんなことをするの?

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

【未経験】決算ってどんなことをするの?

経理初心者にとって、3月に迎える初めての年度末決算は何かと心配なもの。ですが、一大イベントの前に、経理担当者がやるべきことを確認しておけば安心です。そこで今回は、決算で行われる基本的な内容についてご紹介します。

決算で欠かせない5つの重要ポイント

経理・会計が決算時にやることは、大きくわけて5つあります。その内容と、押さえておくべきポイントをチェックしておきましょう。

1.現金の実際残高と出納帳残高を確認する

実際の現金と、帳簿上のお金がズレていないかを確認します。もし一致しない場合、何かしら記帳漏れをしている可能性が考えられますので、しっかり原因を究明する必要があります。ちなみに現金のほうが多い場合は入金の記載漏れ、現金が少ない場合は、出金の記載漏れの可能性が高いです。

ちなみにこの時、ズレが生じていたからといって現金を出し入れして「こっそり合わせちゃおう~」という行為は絶対にNG。どうしても原因がわからなかった時は、「雑収入」「雑損失」で計上して合わせるようにしましょう。

2.棚卸作業

決算日には、棚卸資産の現物を実際に見て数量や種類、品質を確認する「実地棚卸」を行います。日常的には帳簿上で在庫などを確認する「帳簿棚卸」を行っていると思いますが、破損や紛失などで数が合わないことはよくある話。だから実際に確認する必要があるのです。

ちなみに、在庫は「決算日時点で倉庫にあるもの」だけでなく、「買ったもので使っていないもの」も含まれます。つまり当期内で買掛金計上するものであれば、決算日前日に注文するなどして期内に未着(倉庫にない)のものも在庫に含まれるということです。

3.預金・借入金の確認

決算日時点での預金残高を確認するために、金融機関から残高証明書をもらいましょう。そして次にすることは…もうわかりますね! そう、残高証明書と帳簿の金額が一致しているか確認します。していない場合は、その原因を調べます。

また、借入金がある場合は、決算日時点での借入金の残高証明書をもらいましょう。こちらも証明書と帳簿の金額が一致しているかを確認します。ちなみに、借入金の利息は、経費として計上できます。細かい金額を把握するために、返済予定表などをあらかじめ用意しておくと良いかもしれませんね。

4.売掛金・買掛金の確認

売掛金・買掛金の金額が、管理表の金額と一致しているかどうか、取引先ごとに確認します。一致していない場合は、請求漏れや記入漏れなどが考えられますので、原因をしっかり突き止めましょう。取引で手形を使っている場合も同様に、手形と帳簿の残高が一致しているかどうか、しっかり確認しておきましょう。

5.固定資産の確認

総勘定元帳の固定資産の金額と、固定資産台帳の金額を確認します。固定資産に該当するものを廃棄した場合は、資金の動きがないため見落としが発生しやすいです。金額が一致しない場合は、その可能性も踏まえて調べると良いでしょう。

決算とは、確認の連続です!

毎日の経理・会計業務ももちろんですが、決算でも確認が何より大事だとわかりましたか? 決算を経験して経理が思うことは、大きくわけて2パターンあります。それは「毎日しっかり帳簿つけててよかった~」と、「もっとしっかりつけとけばよかった~」の2つ。さすがに今からではできることは限られてしまいますが、決算で泣きを見ないためには、毎日の正確な作業の積み重ねが大事だということです。

 

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参考サイト

 

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