用語

2017/06/05

輸出者が代金回収までのあいだに融資を受ける「輸出金融」

こんにちは!貿易女子の円(まどか)です。今回は「貿易金融」をご紹介します。貿易金融というのは、輸出や輸入に必要な資金を銀行などから融資してもらうこと、またその業務のことなど、貿易にかかわる金融のことすべてを指す総称です。貿易金融を大きく分けると輸出金融と輸入金融に分けられるのですが、今回は「輸出金融」についてお話しますね。

金融機関の輸出者に必要な資金を融資する仕組みを知ろう!

冒頭から少し細かな説明となりますが、「輸出金融」というのは、一般的に輸出者が輸出商品についての生産(製造)、調達、出荷(船積)などに必要な資金を、海外の輸入者から商品代金を回収するまでのあいだ、金融機関から借り受ける融資のことを指します。

これまでにも繰り返ししてきた話になりますが、貿易取引は外国間同士の取引ということもあり、契約に関するやりとりや輸送などに時間がかかるため、輸出者(売主)が輸入者(買主)から商品代金を回収するのに時間がかかります。

さらに、輸出者は、その商品を生産(製造)するのに原材料を仕入れたり、加工したりする必要も多いため、仮に輸入者(買主)が見つかって契約したとしても、商品を作るためのお金がなければ輸出できない…という事態も起こりえます。輸出者がこのような事態を避けるため、(契約が成立していれば)銀行など金融機関から借り受けできる融資も「輸出金融」のひとつです。

ちなみに「輸出金融」は“船積みを起点として”船積前に融資する「船積前(輸出前)金融」と「船積後金融」の2つに分けられます。それぞれの融資について見ていきましょう。

■ 船積前金融

船積前金融には、(1)輸出つなぎ融資、(2)輸出前貸し、の2種類あります。どちらの場合も、輸出者は貨物の船積後、銀行へ呈示する荷為替手形※の代金によって返済します。

※荷為替手形は、為替手形(Bill of Exchange)と、貨物の引き取りに必要な船積書類(B/L、インボイス、パッキングリスト、保険証券など)を合わせたものです。
関連記事:「貿易用語って難しい…(泣)荷為替手形って何のこと?

(1)輸出つなぎ融資
“輸出契約が成立する前の”見込み生産・加工・出荷(船積)などのために、金融機関が必要な資金を融資するものです。通常、金融機関は代金回収の目処がたっていないのに融資することはないのですが、季節的な産品(農産物、水産物など)では例外的に認められることがあります。

(2)輸出前貸し
“輸出契約の成立後”、金融機関が輸出者に船積みまでに必要な資金を融資するもので、いわゆる前貸し(貸付)です。船積前金融といえば、この輸出前貸し融資のことを指します。通常、銀行は約束手形による手形貸付のかたちをとります。

■船積後金融

船積後金融とは、下図「信用状(L/C)取引の流れ」⑧~⑩の期間に必要となる、輸出地銀行による輸出者への融資のこと。

輸出者から輸出貨物の荷為替手形を買い取った銀行は、輸入地の銀行からその手形金額を回収するまでは、輸出者に対し先行して手形金額を支払っている(=融資している)ため、船積後金融と呼ばれています。

信用状取引では毎回発生するので、貿易の現場で船積後金融という言葉を聞くことはまずありませんが、貿易金融の知識として知っていただけたらと思います。

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