倉庫担当者にもわかりやすく!「パッキングリスト(Packing List)」
貿易取引では、輸送する貨物をどのように梱包しているか、細かく記載された明細が存在します。今回は、この貿易実務で扱う重要な書類「パッキングリスト」に関して、どのようなことが書かれているのか、また、記載の心構えなどについて解説します。
「パッキングリスト(Packing List)」は、貨物の梱包明細書
「パッキングリスト」とは、貨物の梱包数から重量、サイズ、外装に記したマークまで、貨物の梱包明細が記載された重要な書類です。
ちなみに、海外へ貨物を発送する際の書類には、インボイス(Invoice/送り状)もありますが、これも「パッキングリスト」と同じく輸出者が作成します。
「パッキングリスト」の記載内容は、輸出入者双方の名称・住所・船積地と仕向地・作成日など、インボイスの記載と重なる項目もありますが、Packing Listという英語が本来意味している、“梱包明細”として記載される項目は以下の5つです。
①梱包状態…何に詰められているのか(段ボール箱/木箱/ドラムなど)
②正味重量(Net Weight) …商品単体(梱包前)の重量
③総重量(Gross Weight) …梱包を含めた重量
④容積(Measurement)
⑤荷印(Case Mark/Shipping Marks)…貨物が梱包された状態でも、商品が特定できるようにするために記載された情報(輸出者名・商品名・量・荷姿など)
*「正味」は「しょうみ」、「荷印」は「にじるし」と読みます
貿易取引では各国の商習慣の違いによる例外も多々あり、断言することはできませんが、上記の5項目は多くの「パッキングリスト」に記載されています。
※関連記事:『【貿易書類】「インボイス」の3つの役割と記載しておくべきこと』
輸入者にわかりやすい「パッキングリスト」を!
輸出者として「パッキングリスト」を作成する際には、輸入者、とりわけ倉庫担当者にわかりやすい内容であるよう心掛けることが大切です。
例えば洋服や靴は、型番違いだけでなく、色違いやサイズ違いなど、たくさんの種類が一度に輸出されることが多い製品です。
仮に「パッキングリスト」へ詳細な記載がなく、どの梱包にどの商品が詰められているのかがわからなければ、輸入者(倉庫担当者)は、到着した商品の確認に多くの時間を費やすことになります。
つまり、貨物の梱包明細がしっかりと記載された「パッキングリスト」には、確認などにかかる作業時間の無駄を防ぐ役割もあるのです。
商社や貿易会社にはインボイス同様、「パッキングリスト」のテンプレートが存在します。新商品の輸出時など「パッキングリスト」の記載を考えるときには、輸入者(倉庫担当者)がわかりやすい表記なのかどうかを考えてみると良いでしょう。
最後に、貿易用語では、信用状をL/C、船荷証券をB/L、などと略語で表しますが、インボイス(Invoice)やパッキングリスト(Packing List)にも略語が存在します。海外には、I/V、P/Lと略す方もいるので、ぜひ覚えておきましょう。
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