オトナ語ならぬ略語が多い貿易事務「ないか・がいか」
今回は、貿易業界で使われる「ないか=国内貨物」、「がいか=外国貨物」についてご紹介いたします。通関業者の間ではよく使われる略語ですので、貿易事務の方はぜひ覚えておいてくださいね。
外国貨物を「外貨(がいか)」、内国貨物を「内貨(ないか)」と略して呼ぶ
そもそも貿易事務は、通関業者などの専門業者と協力しながら、「外貨・がいか」と「内貨・ないか」を切り替えて商品を海外や国内に流通させるお仕事です。
ちなみにみなさんは、ある商品を輸入するとき、外国からきた商品(外国貨物=外貨・がいか)は、【いつ】【どこで】国内で販売できる商品(内国貨物=内貨・ないか)になるのかをご存知ですか?
<正解>
【いつ】…輸入許可が下りたあと(通関完了後)
【どこ】…保税地域
*保税地域は、主に湾港や空港の近くに設置され、輸出入の通関手続きが完了するまで蔵置される場所です
詳しくは、下の図をご覧ください。
輸入(外貨 → 内貨)
船は入港すると保税地域に横付けされ、貨物も保税地域に降ろされます。そして、ここで輸入通関が行われます。
関税や消費税を納付して、通関が許可されると「外貨」は「内貨」になり、この貨物は国内のどこへでも運ぶことができる(販売できる)ようになります。
輸出(内貨 → 外貨)
トラックに載っている間はもちろん、保税地域に搬入されても、輸出許可が下りるまでは「内貨」の状態ですが、許可が下りた瞬間から「外貨」になります。許可された貨物だけが船積みすることができ、船は外国に向けて出港します。
- まとめ
- ■外貨(外国貨物)
輸入許可が下りていない貨物
輸出許可が下りた貨物 - ■内貨(国内貨物)
輸入許可が下りた貨物
輸出許可が下りていない貨物
※*上の図では、船の場合を取り上げましたが、航空便の場合も通関手続きは保税地域で行われます
例えば、社内の輸入担当が「通関で止まっていた貨物が今日、内貨(ないか)になりました」と話していたならば、「内貨になった → 輸入許可が下りた」ということを意味しています。
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