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2016/08/29

ブランド品を間接的に仕入れる!?「並行輸入」

ブランド品を間接的に仕入れる!?「並行輸入」

日本には、百貨店や都市部の路面店などに世界的に有名なブランドショップがたくさんありますが、海外のハイブランド(メーカー)がどのように日本へ輸出し、販売しているのかをご存知ですか?

今回は「並行輸入」という輸入形態について、海外ブランドの輸入品を例に挙げながら解説します。

ブランド品がブランドショップ以外でも販売されている理由は「並行輸入」にあり

海外ブランドの中には、日本に支社や子会社を持ち、自社で輸入販売していることもありますが、一般的に日本の商社(専門商社)が輸入総代理店契約、もしくは、総販売店契約を交わして販売しています。

ブランドショップは正規輸入店であり(厳密に言えば直営店ではありませんが)、ひとつのブランドだけで構成されたお店は、限りなく直営店に近い形態になります。

※関連記事:『貿易取引における「代理店契約」「販売店契約」のこと 』

ブランドが交わす契約のほとんどは、「Aというブランド商品を直輸入(正規輸入)し販売できるのは、その国ではB社だけである」となっているようです。しかし実は、メーカーからの直輸入でないルートで仕入れたブランド品を販売することも認められています。

それが、海外の販売代理店から仕入れる「並行輸入」という方法です。

ブランド品がブランドショップ以外でも販売されている理由は「並行輸入」にあり

みなさんも、有名ファッションブランドの財布や時計・バッグなどを、生活雑貨店やディスカウントストアで見かけたことがあるかと思います。それらのショップで販売されているブランド品は、並行輸入業者によって輸入されているのです。

*総代理店・総販売店が卸している可能性もあるため、ブランドショップ以外のお店の商品がすべて並行輸入品だという断言はできませんが、問屋街にはブランド品ばかりを扱っている貿易会社(卸商)があり、「並行輸入」で仕入れたブランド品を販売している小売業者があるのは事実です。

「並行輸入」は、裁判の判決でも認められた輸入方法

実は、かつてブランド品の「並行輸入」は、ブランドの商標権を侵害するという理由から許可されていない時代がありました。

しかし1971年に大阪高裁で「並行輸入される商品が真正商品(=本物)であれば、商標権の侵害にはあたらない」と判決がくだされ、その後は公に認められている輸入方法となっています。

その背景には、ブランド(商標権者・総代理店・総販売店)による独占的な販売で、「消費者がより割安に商品を購入することができなくなるのはおかしいのでは?」「独占禁止法に抵触するのではないか?」などの見解があったようです。

確かに、国内の市場に正規輸入品しか認められていなければ、ブランド自身が価格をつりあげても誰も止めることができませんが、並行輸入品が市場にあることで、公正な価格競争が維持されますし、消費者にとっても意味がありますよね。

「並行輸入」というのは、こうした理由で、真正商品であればブランドの名声や信用を損なわず、不利益を与えないことを条件に輸入することを認められ、現在も定着している制度なのです。

 

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参考サイト

 

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