業務改善で経理業務がもっとスムーズに!経理の効率化に役立つ3つのヒント
効率の悪い業務を続けたあげく、月末にバタバタ焦ってしまいミスを連発…そんな失敗をした経験はありませんか?
そんな業務の無駄な時間をカットするためには、定期的な業務改善がオススメです。効果的な業務改善を行うことで、業務時間を短縮するとともに、ミスも少なくできたら一石二鳥!
今回は、経理職で起こりやすい入力ミスや資料探し、業務効率化についてのヒントや、オススメの業務改善方法をご紹介します。
- 目次
- 経理で起こりがちな「入力ミス」は、チェック方法を変えることで減らせる!
- 「探す時間の無駄」をなくす、文書整理のヒント
- 決算を見据えた「定期業務(日次・月次・年次)の早期化・効率化」
- 業務改善で生まれた時間と心の余裕を有効活用しよう!
経理で起こりがちな「入力ミス」は、チェック方法を変えることで減らせる!
会社のお金を管理する経理にとって、ミスなく業務を遂行する「正確さ」は欠かせません。とはいえ、どのような人でもヒューマンエラー、いわゆるうっかりミスはありえるものです。
特に、経理のお仕事で起こりがちなのが「入力ミス」。大前提として「ミスは起きるもの」と考え、早めに気づけるチェック体制を強化していきましょう。ここでは、代表的な3つのチェック方法をご紹介します。ご自身の業務内容と照らし合わせて、ベストなチェック方法を考えてみてくださいね。
セルフチェック
まず徹底すべきは、やはりセルフチェック。普段から、自身の業務に関する「チェックリスト」を活用している方も多いかもしれませんね。さらにチェックの精度を上げるコツは、「入力文字」と「入力内容」を別にチェックするということ。
① 入力文字のチェック(文字校正):伝票、領収書などの証憑(しょうひょう)書類と、打ち込んだデータを画面上で照らし合わせ、書類に印をつけながらチェックしましょう。なお、ここではシンプルに元の書類と入力文字の違いをチェックするだけに留めておきましょう。
② 入力内容のチェック:①で入力文字にミスがないことを確認できたら、次は打ち込んだデータを紙に印刷し、内容に間違いがないかチェックします。しっかりと読み込むことで、内容がおかしい箇所に気づくこともあります。
ダブルチェック
チームや部署内で二人一組になって、作成した書類をお互いにチェックします。ダブルチェックをお願いできる人がいない、経理担当が一人などの場合は、チェックポイントなどを記したガイドラインを作って、必ず第三者にチェックを依頼しましょう。
先ほどお伝えしたように、どんなに細心の注意を払っていても、人はミスをしてしまうもの。自分だけでは見落としてしまったポイントがあったとしても、ダブルチェックで発見できるような体制をつくりましょう。
クロスチェック
ダブルチェックが対応者を変えて同じ方法で複数回チェックするのに対して、やり方そのものを変えて、複数回チェックをするのが「クロスチェック」という方法です。
チェックの切り口、計算方法などを変え、異なる観点からチェックを行うことで、1回では見落としがちなミスを見つけることが期待されます。
いずれのチェック方法を採用するにしても、あらかじめ書類作成やセルフチェック・ダブルチェックの方法を文書としてマニュアル化しておくと、効率よくチェックが進められます。それらのマニュアルを、会計・財務担当全員が閲覧できるように共有しておけば、さらに効率アップにつながるでしょう。
※関連記事:『経理のミスを防止するチェック体制って?改善方法を解説!』
「探す時間の無駄」をなくす、文書整理のヒント
次にご紹介するのは、資料探しの手間を少なくする、文書整理について。探しものにかかる時間を減らし、業務に専念できる時間を増やすための文書整理術を実践していきましょう。
超簡単!埋もれた資料を探しやすくする3つの方法
企業でも徐々にペーパーレス化が進んでいるとはいえ、まだまだ日常的に使う機会の多い紙の書類。そのうち整理しようと思いながら、気づけば収拾のつかない状態になってしまった!そんな経験のある方も多いのではないでしょうか。
ですが、工夫次第で文書や資料を探しやすくする方法があります。次にご紹介する3つの方法は、簡単に実践できるものばかり。ぜひ、日ごろから習慣づけておきましょう。
① 資料を使用頻度に応じて3種類に分類する
ロッカーやキャビネット内の資料を、「よく使う」「たまに使う」「ほとんど使わない」の3つに分類します。それぞれ置き場所を分けても、デスクの引き出しに手前から優先度の高い順に並べてもよいでしょう。
② ファイルにラベルシールなどをつける
インデックス(=見出し)を使うのも、書類を分類するためのポイントです。ファイルの背表紙にラベルシールを貼ったり、インデックスシールやタブつきの仕切りを使って目印をつけたりしておけば、一目で何の資料かわかり、探しものをする手間が省けます。インデックスには、保管している文書の種類・保管期限はもちろんのこと、運用ルールや管理担当者なども記載しておくと、さらに便利になるでしょう。
③ ファイリングのツールを用途別に使い分ける
実は、ファイリングのツール選びも重要なポイントです。「フォルダ」は作業中や資料の持ち運び、「バインダー」は差し替え不要のマニュアルなどを入れるのが適切です。作業が終わったものはバインダーに入れるなど、ファイリングのルールを決めておくとよいでしょう。
紙の文書や資料は「電子(データ)化」するのもオススメ
次にオススメの文書整理術は、紙の文書・資料の電子化です。日本製紙連合会の調べでは、2010年以降、新聞用紙や印刷・コピー用紙などは減少傾向にあります。皆さんも普段の業務において、ペーパーレス化が進んでいることを実感されているのではないでしょうか。
紙を電子化することで検索性が上がるのはもちろん、他にもこんなメリットがあります。
文書や資料を電子化するメリット
① 置き場所を取らない:増え続ける書類の置き場所を確保しなくてもOK!
② 探しやすい:検索性が上がるため、書類を探す時間を短縮できます。
③ 劣化や破損が防げる:日焼けや経年変化による紙の劣化や文書の破損を防げます。
④ コスト削減:紙代や印刷代、ファイリングなどにかける人件費や保管場所のコスト削減にもつながります。
⑤ 不正を見つけやすい:資料の改ざんをしにくいことや、パスワード管理によって不正な閲覧を防ぐこともできます。
ただし、経理関係の書類は保存期間が法律で決まっているものもあるので、電子化の際には事前に確認しておきましょう。
※関連記事:『増え続ける経理書類……保存期間はいつまで?』
決算を見据えた「定期業務(日次・月次・年次)の早期化・効率化」
経理は、決算をはじめとして、日次・月次・年次ごとにルーチンや決まったイベントが多いお仕事。そのため、定期業務を前もって準備し、効率よく進めることで効率化につながります。次の閑散期などに、以下でご紹介する改善にぜひ取り組んでみてはいかがでしょうか。
① 業務をマニュアル化する
業務効率を上げるための第一歩は、定期業務のマニュアル化です。タスクごとのフローを共通フォーマットでまとめておけば、新人指導や確認の手間も減らせるだけでなく、業務が属人的(特定のメンバーしかやり方が分からない状態)になることを防げます。
② 作業フローを見直す
①とセットで取り組みたいのが、作業フローを見直すこと。定期業務の目的や流れを理解したうえで、効率化できるところはないかを考えてみましょう。たとえば作業の工程を変えてみる、チェック体制を見直す、あるいは不要と思える項目を思い切って削除するのも方法のひとつです。
③ 業務を前倒して進めてられるよう、スケジューリングしておく
決算業務なども見据えて、できることを前倒しで進めるのも大切。テンプレートを作成しておく、資料で変動する数値部分以外を作り込んでおくなど、早めに対応できる業務を考えてみましょう。繁忙期に備え、ある程度の業務を前倒して進めることで、ミス防止やトラブルが起こった際の対応にも余裕が生まれます。
※関連記事:『【業務改善】決算業務の効率化に関わる4つのポイント』『【効率化】来期に向けてルーチンワークを考え直してみる』
業務改善で生まれた時間と心の余裕を有効活用しよう!
今回ご紹介した3つのポイント、「ミスをなくす」「書類の整理」「定期業務の早期化・効率化」を実践して、よりスムーズな経理業務を目指していきましょう!
効率化が成功すれば、ミスを減らせるだけでなく、業務時間の短縮にもつながります。時間と心の余裕が生まれたことで、今まで取り組めなかった業務や、経理スキルの向上に向けたチャレンジも可能になるかもしれません。良いことづくめの業務改善、ぜひ取り組んでみてくださいね。
参考サイト:
- 経理のミスを防止するチェック体制って?改善方法を解説!│シゴ・ラボ
- 【業務改善】決算業務の効率化に関わる4つのポイント│シゴ・ラボ
- 【効率化】来期に向けてルーチンワークを考え直してみる│シゴ・ラボ
- 増え続ける経理書類……保存期間はいつまで?│シゴ・ラボ