【経理で役立つ電卓スキル】クリアキー・メモリーキー
著者：パソナキャリアコーチ（経理担当）

会計・財務業務における必須アイテムと言えば「電卓」ではないでしょうか。しかし最近は、電卓を十分に使いこなせる経理・会計・財務担当が減ってきている事実もあるのだとか。

そこで、年末調整や年次決算などで電卓をフル活用するためにも、今回は電卓機能の中でもよく使う「クリアキー」と「メモリーキー」について解説します。

今さら聞けない「クリアキー・メモリーキー」の役割について

電卓で数字を消してくれるボタンには「C」「CA」「CE」などがありますが、これらのクリアキーの違いをきちんと理解して使っていますか？　とりあえず消えたらOKと、やみくもにCボタンを連打しているうちは半人前。まずはどのような種類があるのか、一般的な機能と一緒に紹介しましょう。

キー	読み方	機能
C	クリア	途中までの計算結果と直近の入力数値を消去。例えば「2000＋5000」という計算をしたいのに「2000+6000」と打ってしまった場合、直後にCを押せば直近の「6000」を消せます。
CA	クリアオール	これまでの計算、設定をすべて消去。全部クリアして最初から計算をするのは効率が悪いというときに、間違ったところだけを消してすばやく計算を再開できます。
AC	オールクリア	「クリアオール」と同じ（カシオの電卓のみ）
CE	クリアエントリー	直近に入力した数値を消去。主に数値の入力間違いをした時に使う、PCで言うところのバックスペースにあたるもの。「5000」と打ちたかったのに「50000」と売ってしまった場合、CEを使うとゼロを一つ消せます。
CI	クリアインプット	「クリアエントリー」と同じ。
CE/C	–	1回押すとCE、2回続けて押すとCの機能となります。

同じ「数値を消す」という作業なのに、5つも種類があるのです。これらを使いこなせれば、作業効率がぐんとアップすること間違いなしです。ただし、メーカーによっては2つのクリアキーが1つになっていることもあるのでご注意ください。

みなさんは、少し複雑な計算をするときに、紙にメモを取りながら電卓を使ってはいませんか？

一人前の経理には、計算に紙とペンは必要ありません。というのも、メモリーキーは複数の計算式を扱う際に、「ある計算」を一時的に電卓に記憶させておくための機能だから。ここでは、メモリーキーの種類と機能を紹介しましょう。

キー	読み方	機能
M+	メモリープラス	メモリーに入力した数値や計算した結果を一時記憶させます。「100＋1」を計算してからM+を押すと、メモリーに「101」が残ります。
MR	メモリーリコール	メモリーに入っている数値を呼び出します。
RM	リコールメモリー	「メモリーリコール」と同じ。
M-	メモリーマイナス	入力した数値や計算した結果をメモリーから直接減算します。メモリーに「101」が残った状態で「50＋50」を入力し、M－を押すと「101」から100が引かれて「1」となります。この「1」を見るにはMRを押します。
MC	メモリークリア	メモリー計算に記憶されている数値を消去します。

簿記においてはあまり引き算がありませんので、「M－」を使用する機会は多くないかもしれません。ですが、いざというときにメモリーキーを使いこなせる会計・財務スタッフほどカッコイイものはありません。一度覚えてしまえばなんてことはないので、繰り返し使って身につけてくださいね。

仮に、スーパーで150円のサバ缶を5つ、200円のツナ缶を2つ買った際の合計金額を出すとします。

そんなときはまず「150×5」と入力し、「=」の代わりに「M+」を打ち込んでみてください。「750」という数字の他に「M」という表示が出るはずです。

続けて「200→×→2→M+」と順に入力すると、今度はディスプレイに「400」と「M」が表示。

その後に「MR（RM）」を押せば、「サバ缶5つ750円」と「ツナ缶２つ400円」の合計で、1,150円払ったことがわかります。

ちなみに、電卓上の「M」を消して別の計算をしたいときは、「MC」を押しましょう。

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