経理初級者のステップアップ「分析トレーニング」
今回のテーマは「分析力」。経理・会計初級者のネクストステップといえば「分析業務」ですが、その準備段階として「どうやって分析力を養っていけばいいのか?」について、知りたい方も多いようです。そこで今回は、初級者がステップアップを実現するための「分析トレーニング」についてご紹介いたします。
データ分析のポイントはグラフ化
現金残高や収入などをデータとしてまとめても、その資料が単なる数字の羅列では分析するのは難しいもの。資料を見ても「数字がいっぱい並んでるなぁ…」としか感じられないかもしれません。しかし、せっかくデータをまとめるなら、ひと目でポイントが分かるように工夫したいところです。
「ではどうすればわかりやすくなるの?」といえば、答えは簡単。グラフを使えば良いのです。
グラフを用いることで、「どこで大きな変化があったか」がひと目でわかるようになります。数値を分析するなら、グラフ化の作業は欠かせません。
グラフを作るにはExcelなどを使うのが一般的ですが、Excelでの基本的なグラフの作り方については、詳しい関連記事などを参考にしてみてください。
※関連記事:
『【エクセル】グラフの作り方・追加・削除方法をおさらい』
『【エクセル】グラフ軸の数字の向き・単位を変えたい』
『【エクセル】折れ線・棒グラフをまとめた「複合グラフ」の作成』
手近な数値を使って分析トレーニングに挑戦
毎日の空き時間を使ってできる、手軽な分析トレーニング法をご紹介します。その方法とは、「現金・預金の額を毎日記録してグラフ化すること」です。
毎日の現金と預金の残高をチェックして、その合計額をExcelに記録していく。そして、ある程度のデータが溜まったらグラフにしてみて、その変化を観察するのです。もちろん、過去のデータを使っても良いでしょう。
上記のようなグラフが完成したら、毎月どのタイミングでお金が増えて、どのタイミングでお金が減るのかを把握します。
月別のデータが溜まったら、さらに季節(四半期)ごとの傾向を探ってみましょう。そうして会社の「バイオリズム」を把握して、事前に予定していた数値との違いも確認します。
この数値が変化した要因を考えることが「分析」です。もし、預貯金が大きく上下しているなら、大きな入金・支出があったと考えられます。「ではその入金・支出は何なのか?」という疑問が浮上しますので、続いて入金・支出のデータを探ることになります。
特に支出については内訳についても調べてみましょう。例えば、「交際費」がかかりすぎていたなら、なぜそうなったのかも探る必要が出てきます。
他の数値を組み合わせれば「応用問題」に
大切なのは、「変化に敏感になること」と「その要因を探るために、どんな情報が必要なのかを考えること」です。今回の例では現預貯金だけの数値を使いましたが、他にもあらゆる数値を組み合わせて、自分で応用問題を作ってみるとおもしろいかもしれません。
好奇心を持っていろいろな角度から考えてみるのが、経理・会計・財務という仕事を楽しむコツですよ!
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【経理用語集】実務で役立つ!頻出・経理用語100
「実務で役立つ!頻出・経理用語100」は、経理初心者の方や経理としてステップアップしたい方のための経理用語集です。日々の業務や毎月の経理イベントでよく使われる基本的な用語を100個ピックアップし、わかりやすく用語の解説をしています。ダウンロードして、ぜひご活用くださいね。
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