【経理用語】資本金って何ですか?
経理初心者の方は、専門用語を覚えるのも重要なお仕事のひとつ。今回は、経理の基本用語としてしっかり頭に入れておきたい、「資本金」について解説します。
「資本金」は会社が出資を受けた額
資本金とは「商売の元手になる財産」のこと。言い換えれば、「会社が経営のために出資を受けた額」を意味します。
一般的に、会社設立時は創業者が経営資金を出資するため、その金額が資本金に。資本金は、会社の体力や規模の指標となります。
ちなみに、資本金は出資を受けた額ですから、基本的に売上高などとは無関係。企業が今後どれだけ利益を上げても、それを理由にして資本金が増えることはありません。
資本金は増やすことができる!
では、どのようなタイミングで資本金が増えるかというと、ズバリ「増資」をしたときです。
増資は、事業が成長し新たに大規模設備が必要になるケースや、会社規模が大きくなり全体のセキュリティを強化したいケースなどに行うことが一般的。創業者を含む既存の株主、またはその他の第三者に新株を発行することで、新たな資産を調達するわけです。
資金調達というと“金融機関からの融資”が思い浮かぶかもしれませんが、増資は返済不要の資金調達法です。その代わりに、株主へ配当を支払うことなどで利益を還元します。
増資をすることで、財務基盤の強化や、会社の信用力向上も望めます。
増資しすぎるデメリット
資本金が増えると良いことずくめな気もしますが、実はデメリットも多数。以下の理由から、増資の際は慎重に考える必要があるのです。
株がもたらす利益の希薄化
新株を発行することで、一株あたりの利益が下がります。既存の株主からすれば、大きなマイナスポイントになり得ます。
議決権の減少
増資によって経営者の持株比率が下がり、経営における議決権が減少するというデメリットも発生します。
税負担の増加
資本金が増えると税金額も大きくなるため、会社にとって税負担も増加します。
資本金の概念はとても奥が深い
たとえば、「資本金1,000万円」というと、実際に「資本金」という名の1,000万円のお金が存在しているように感じるかもしれません。
しかし、最初にお伝えしたとおり、資本金はあくまで「これだけの出資を受けましたよ」という金額を表すものなのです。
株主から出資された1,000万円は、実際には現預金として資産に含まれていたり、あるいは、別の設備などの資産に変わっていたりします。よって、出資されたお金を使っても、貸借対照表(B/S)上の資本金の額が変わることはありません。
このように、「資本金」はよく聞く言葉ではあっても、実は理解しにくい概念でもあります。より詳しい内容については、業務を通して少しずつ理解を深めていってくださいね。
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