未経験から経理に転職できる?経理未経験者のお仕事探しの方法やおススメの経理資格をご紹介!
経理のお仕事に興味があるけれど、「未経験では難しそう…」とチャレンジをためらっている方もいるのではないでしょうか。経理未経験であっても、これまでの職歴や保有資格、就業する雇用形態によっては、経理のお仕事に応募できます。
今回は経理未経験の方のお仕事探しについて、身につけておきたいスキルやおススメの経理資格と合わせて解説します。転職活動の際に参考にしてみてください。
経理事務のお仕事内容について詳しく知りたい方は、以下記事をご覧ください。
※関連記事:経理事務とは|仕事内容や1日のスケジュール、向いている人は?|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-
- 目次
- 未経験から経理に転職はできるの?
- 経理のお仕事内容って?
- 未経験から経理に転職しやすい“3つ”のポイント
- 未経験者におススメ!経理に関する主な資格とは?
- 経理で専門スキル以外に求められる能力
- 未経験からお仕事を探すなら、派遣の経理事務という選択肢も
- 未経験から派遣の経理事務になるためのポイントとは?
- 未経験者が経理職を目指すなら、派遣からチャレンジしてみよう!
未経験から経理に転職はできるの?
経理はどの企業においても必要な職種であり、特に繁忙期になると欠員補充などで業務経験者を募集することが多くあります。
また、業務経験が少ない場合でも、昨今では経理のお仕事は業務の分担化が進んでいるので、会計書類のデータ入力や経理補助といったサポート業務など、経理未経験から始められるポジションもあります。経理事務の業務知識を身につけておくと、活躍の場もより広がりやすくなるでしょう。
未経験者の経理のお仕事探しは、まず募集要項の業務内容をしっかり理解して、要求されている知識やスキルを身につけるところから始めてみましょう。
経理のお仕事内容って?
経理のお仕事を一言で表すと、会社のお金や資産を管理することです。
具体的なお仕事内容は、日々の経費精算から1年間の決算まで多岐にわたります。
それぞれのお仕事内容について解説していきます。
日次業務
日次業務とは、「1日」単位で社内のお金の流れをチェックし、記録・管理するお仕事です。
企業の経営活動を支えるためには、経理の日次業務を通して資金の動きを正確に把握しておくことが重要になります。
<例>
◆経費精算:営業活動に使用した交通費や出張費を精算する
◆伝票起票:取引先との記録を伝票として発行する
◆現金出納(すいとう):銀行預金や現金の出入金を管理する
◆その他、会計システムへのデータ入力や領収書の保管、整理、仕分作業など
日次業務の多くは、専門知識よりも業務効率や正確性を求められます。
未経験から挑戦しやすいお仕事ですので、まずは日次業務から徐々に経験を積みましょう。
月次業務
月次業務とは、「1ヶ月」単位で社内のお金の流れをチェックし、記録・管理するお仕事です。
経理が1ヶ月ごとの収支を正しく管理することで、企業は経営状況を把握し、改善に役立てることができます。
<例>
◆買掛金・売掛金の管理:取引先に未払いのお金(買掛金)と取引先から未回収のお金(売掛金)を管理する
◆給与計算:従業員の給与額と控除額(所得税・社会保険費など)を正確に算出する
◆月次決算:月内に発生した利益や損失を月次決算書にまとめる
月次決算は損益計算書、試算表、決算書の作り方や計算方法を知っておく必要があり、経理として一定の経験を積んでから任される業務です。
年次業務
年次業務とは、「1年」単位で社内のお金の流れをチェックし、記録・管理するお仕事です。
経理の年次業務をもとに、企業は毎年自社の業績を決算として取りまとめます。決算は社内外に発表する義務があるため、経理業務の中でも特に責任のあるお仕事です。
<例>
◆連結決算:親会社だけではなく子会社を含めたグループ全体の経営状況をまとめる
◆年次決算:1年間の経営状況を年次決算書にまとめる
◆税務申告:利益や損失をもとに税額を計算して、税務署に申請する
年次業務は企業の経営にも深く関わるので、日次業務や月次業務を経験、実務に熟知した方が担当することが多いです。
未経験から経理に転職しやすい“3つ”のポイント
未経験からの経理のお仕事探しで身につけておくと良いスキルや、未経験から転職しやすいお仕事のポイントをご紹介します。
1.簿記の資格を持っている
簿記の資格を持っていると、業務経験はなくても専門知識を備えていることをアピールできます。
代表的な資格である日商簿記検定には、小規模企業の事業や会計実務において適切な経理処理を行えるレベルの目安となる3級と、財務諸表の数字から経営状況を把握し、適切な会計処理・分析を行えるレベルの目安となる2級があります。2級は高度な処理や分析ができるレベルのため実務で活かしやすく、取得するとお仕事の幅が広がる可能性が高まるでしょう。
日商簿記検定は未経験から受験できますので、まずは3級の取得を目指してみてください。
2.経理に活かせる職歴がある
経理は未経験でも、経理に近い業務経験があれば、応募できるお仕事もあります。
経理に近い業務とは、一般事務の請求書発行や売上管理、営業事務の商品の受発注や在庫管理、金融事務の社会保険の手続きなどが挙げられます。
また、営業の見積書作成、接客販売の収支管理なども経理のお仕事に活かせる業務経験です。このように「お金の流れ」を管理する業務経験があれば、経理未経験であっても応募することができます。
なかには、会計処理にExcelを使用するお仕事の募集もあります。その場合、Excelの操作スキルを求められることが多く、四則演算やIF関数、VLOOKUP関数などの使用経験があると良いでしょう。
一般事務などの業務の中で会計処理に使用しそうなスキルを幅広くスキルを幅広く身につけておくことも、未経験から経理を目指すためのひとつの方法です。
3.未経験から応募できるお仕事を探す
未経験から応募できるお仕事であれば、高度な専門知識が問われないことも多いため、応募しやすいでしょう。
現金出納や経費精算、請求書発行、会計システムへの入力作業などの日次業務は、経理未経験でも就業できるお仕事もあります。未経験で入社し、日次業務で経理の経験を積み、月次業務、年次業務と、徐々に担当できる業務内容を広げていきましょう。
また、配属部署は経理ではないものの、経理に近い業務内容のお仕事もあります。
例えば、給与計算や社会保険の手続きに携わる総務職、現金出納や支払・請求業務に携わる営業事務などです。関連性の高いお仕事で業務経験を積み、本格的な経理業務へキャリアアップするという選択肢もあります。
未経験者におススメ!経理に関する主な資格とは?
未経験者が経理を目指す場合、まずは基礎知識を習得するために資格取得に挑戦するのがおススメです。経理関連の資格は複数ありますので、それぞれの違いを紹介します。
日商簿記検定
簿記検定の中でも圧倒的な知名度で、年間約60万人が受験していると言われている資格です。
受験者は学生から社会人まで幅広く、就職にも有利な資格としても知られています。初級、3級、2級、1級の4つがあり、経理の求人では2級以上が応募条件になっていることが多いです。
未経験から経理を目指す際は、まずは3級で基礎的な簿記の知識を習得した後、2級以上の取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。なお、1級は税理士試験の受験資格として認められています。
全経簿記検定
全国経理教育協会が主催する検定で、日商簿記よりも比較的に取りやすいといわれています。
簿記初心者の方なら、日商簿記とあわせてチャレンジしても良いでしょう。基礎、3級、2級、1級、上級の5階級があります。上級は税理士試験の受験資格として認められています。
簿記の種類や違いについての詳細は、以下記事をご覧ください。
※関連記事:全商・日商・全経簿記の違いって?3つの簿記検定の種類の違いを解説|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-
PASS(経理事務パスポート検定)
一般社団法人日本CFO協会が主催し、事務のお仕事で求められる経理知識に特化した検定試験です。
e-ラーニングで知識を習得してから試験を受けられるため、比較的取得しやすく、2級では現預金管理や請求処理など、初級経理レベルの実務に関連する内容が出題されます。
FASS(経理・財務スキル)検定
一般社団法人日本CFO協会主催の「会計・財務分野に特化した実務スキル」を客観的に測定する検定試験です。
資産、決算、税務、資金の4分野から出題され、合否ではなく獲得したスコアからA~Eの5段階で評価されます。先にご紹介したPASSよりも専門的であり、経理としてスキルアップを目指す方におススメの検定です。
給与計算実務能力検定
一般社団法人実務能力開発支援協会が主催している検定試験です。
合格することで、労働基準法、雇用保険法、健康保険法、厚生年金保険法などの法律、複雑な給与計算の仕組みを理解していることを証明できます。
経理で専門スキル以外に求められる能力
経理には、会計や簿記の知識だけでなくプラスαの能力が必要です。
ここでは、実務で必要なスキルや知識について解説します。
ITリテラシー
経理業務では、会計ソフトの他にもWordやExcelなどのOfficeソフトを使用します。
そのため、正確なPC操作で業務を遂行する、最低限のITリテラシーは必須となります。
特に数字やデータを使う機会が多いことから、強化したいのがExcelのスキルです。
ピボットテーブルやVLOOKUP関数、SUBTOTAL関数などを扱うことができれば、作業効率アップにつながるでしょう。
コミュニケーション能力
経費処理や給与計算などを行うこともある経理の部門は、さまざまな部署と関わるポジションです。
また会計士や税理士など社外関係者とのやりとりも多く発生します。業務を円滑に進めるため、どのような相手とも柔軟なコミュニケーションが取れる能力は、経理にとって欠かせないものです。
学習力
簿記の仕組みそのものが変わることはありませんが、税法や会計ルールは定期的に変化していきます。特に税法は、毎年何らかの形でアップデートが行われますので、自発的に新しい知識をインプットし、実務に落とし込まなければいけません。経理として活躍し続けるためには、常に新しいことを学習する努力が求められます。
コツコツ取り組む姿勢
経理は企業の収支を正確に計算し、管理するお仕事です。正確性が求められるので、目の前のお仕事に集中してコツコツ取り組める方が向いています。データ入力や書類作成など、地道な作業を前向きに楽しめる方は活躍しやすいでしょう。
未経験からお仕事を探すなら、派遣の経理事務という選択肢も
未経験から経理を目指す場合、派遣社員という働き方を選ぶことで選択肢が広がります。
ここでは、未経験から経理を目指す方にとって、派遣社員をおススメする理由について解説します。
派遣の経理事務のニーズが高まっている
昨今、企業が人手不足を早めに解決したいという思いから、派遣社員を雇用するケースも増えています。理由として、「決算期の繁忙期に人材を確保したい」「産休・育休を取得している社員の補充をしたい」「月次・年次業務を正社員に任せて、日次業務を派遣社員にお願いしたい」などです。
さまざまな規模の企業で経験を積める
派遣の経理事務のお仕事はニーズが増えていて、大手企業からベンチャー企業まで就業先の幅が広いのも特徴です。企業規模などにより派遣に任されるお仕事の範囲はさまざまで、自分のスキルに合わせたお仕事探しが行えます。
◆大手企業の場合:経理部門が分業化されていることも多く、日常的な業務から任せてもらいやすい
◆中小企業の場合:少数精鋭な企業も多いため、日次業務から月次・年次業務まで幅広い業務に挑戦しやすい
◆ベンチャー企業の場合:成長中の企業も多く、経理部門の体制づくり・ルールづくりから参加できることがある
例えば、まずは大手企業で日次業務の経験を積み、中小企業やベンチャー企業でステップアップを目指すという方法もあります。お仕事の選び方次第で、着実にスキルを高めていけるのも派遣の経理事務の魅力といえるでしょう。
資格取得のための勉強時間を確保しやすい
経理は月ごとや年間を通したスケジュールがある程度決まっているため、繁忙期と閑散期の予測が立てやすいのも特徴です。
派遣という働き方であれば、残業が少ないお仕事を選びやすいため、ワークライフバランスを実現しやすいというメリットもあります。派遣の経理事務として勤務しながら、キャリアップのためにスクールや独学でより高度な専門知識を習得することもできます。
経理のワークライフバランスについての詳細は、以下記事をご覧ください。
※関連記事:経理はワークライフバランスがとりやすい?経理職の働きやすさについて|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-
派遣会社から資格取得の支援を受けられる
派遣会社のなかには、派遣社員の資格取得をサポートしている会社も数多くあります。
例えば、資格取得に向けたe-ラーニングやオンライン研修など、登録者であれば無料や特別価格で受けられることもあります。資格取得を目指す際に、支援を受けながらスキルアップできるのは派遣社員の大きな魅力のひとつです。
未経験から派遣の経理事務になるためのポイントとは?
経理のキャリアプランをスタートする方法として派遣の経理事務を選ぶ場合、どのようにお仕事探しを進めると良いのでしょうか。
ここでは、未経験から派遣の経理事務になるためのポイントについて解説します。
経理のお仕事の件数が多い派遣会社を選ぶ
派遣会社によって、取り扱うお仕事の件数や職種はさまざまです。管理部門のお仕事が多い、営業や販売系のお仕事が多いなど、派遣会社の特徴をチェックしましょう。お仕事検索ができる場合は、自分の希望に近い経理のお仕事条件を入力し、お仕事詳細ページを見てみることをおススメします。
登録をする派遣会社を選ぶポイントについては以下記事もご覧ください。
※関連記事:Web上で派遣登録を完結できる?「Web登録」と「来社登録」それぞれのメリットを解説|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-
プロフィールの職歴を充実させる
派遣のお仕事探しは、派遣会社にこれまでの職歴や希望するお仕事条件などを共有することから始まります。
派遣会社に登録するプロフィールには、経理に活かせる職歴やスキル、保有資格をできるだけ具体的に伝えることが大切です。取得に向けて勉強中の資格がある場合は、「取得予定の資格」として派遣会社に伝えましょう。
プロフィールの職歴が具体的であるほど、本人のスキルや希望条件に近いお仕事を派遣会社から案内されやすくなります。
※関連記事:派遣登録に履歴書は不要?職歴の書き方やプロフィール入力のポイントを解説!|みんなの仕事Lab-シゴ・ラボ-
派遣会社の担当者に相談する
派遣社員の場合、お仕事選びや今後のキャリアについて迷ったときには、派遣会社の担当者に相談することができます。未経験から経理を目指したいときは、派遣会社の担当者に伝えてみましょう。
「最初はどのレベルの業務から挑戦すべきか」「未経験者が就業しやすい経理のお仕事の内容」など、迷っていることや分からないことを相談すると、アドバイスをもらうことができます。気持ちを整理することで、より前向きにお仕事探しが進むようになるでしょう。
未経験者が経理職を目指すなら、派遣からチャレンジしてみよう!
経理はどの企業でも必要な職種であり、安定した需要が見込めるお仕事です。分業体制が取られることが多く、業務の繁閑が予測しやすいことから、特に派遣の経理事務は求人ニーズが高い傾向にあります。
未経験から経理に転職を目指す方は、派遣の経理事務のお仕事から始めてみてはいかがでしょうか。
未経験でも応募しやすい「日次業務」のお仕事で経験を積み、「月次業務」「年次業務」と徐々に経験やスキルが求められるお仕事に挑戦し、派遣の経理事務でキャリアアップを目指してみましょう。
パソナへのご登録は、下記ページからご確認ください。
※関連ページ:パソナへ登録|パソナ