これぞ未来の国際物流!フォワーダーが取り組む「3PL(Third Party Logistics)」って?
最近、国内の大手運送会社が人手不足に悩み、これまでの配送料では配送できないという事情が浮き彫りとなって話題になりました。
これはスマートフォンを持つ方が増え、より一層オンラインショッピングが身近になったことで引き起こされた事態です。
見方を変えると、かつて縁の下の力持ち的な存在だった物流会社、運送会社が、今まで以上にチカラを持つようになったとも言えるのかもしれません。
今回は、フォワーダー(Forwarder)の新たな取り組みとして普及しつつある「3PL(サード・パーティ・ロジスティックス)」という物流用語をご紹介します。
物流会社がチカラを持つ時代に突入した
冒頭でご紹介した時代の流れは、国内物流だけでなく、国際物流においても同じです。
IT技術の発展は消費者のニーズに応えることを可能にしました。しかしその一方で、事業のスピードが早くなり、これまでは自社で物流をある程度コントロールしていた商社・メーカーが、本業(コア事業)に勤しむ必要が出てきたのです。
加えて、どんどん複雑・高度化する国際物流については、に任せる必要性が出てきたのです。
フォワーダーもまた、輸出入者のニーズや消費者のニーズを把握し、港で荷役を行う海貨業務や通関業務、貨物の保管・管理業務、運送業務などをひとつずつ受託して行うのではなく、それらを一括して請け負い、貨物の持ち主(荷主企業)に代わる第三の当事者(サード・パーティ)として、最適な物流(ロジスティクス)サービスを提供する体制を整えてきています。これが「3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)」です。
以前にも増して、フォワーダーは、輸出入者にとってパートナーとしての存在価値が高まっているのです。
フォワーダーが行っている業務を把握しておこう
フォワーダーも大小さまざまで、すべての会社が行っているとはいえませんが、一般的にフォワーダーが「3PL」で担っている業務を以下にリストアップします。
- 海貨業務(港や空港での貨物の荷役業務)
- 通関業務(税関への申告など)
- 倉庫などの貨物の保管場所の運営管理
- 貨物(商品)の仕分け
- 工場や倉庫、小売店など販売先への配送業務
- 海外のフォワーダーとの連携(業務提携)
これらの機能を駆使すれば、国際物流でいうところの「ドアツードア・デリバリーサービス」を提供できるのと同じになります。
つまり、フォワーダーは「荷主企業に代わって物流戦略を考え、実際に貨物の管理も行う」という、荷主企業にとっては心強い物流パートナーとなることもご理解いただけるのではないでしょうか。
フォワーダーの「3PL」業務は、今はまだ、大手企業から少しずつ浸透しているようなサービスですが、数年後にはすっかり定着しているかもしれません。貿易に携わっている方はぜひ覚えておきましょう。
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