中東の国々と日本の貿易事情をまとめてみました
今回は、中東(Middle East)の国々の貿易事情についてご紹介します。
中東といえば一部の国の情勢不安もありますが、ドバイのような観光都市や富豪が集まるリゾート地もあるのです。また、中東=石油といったイメージを持つ方も多いと思いますが、イスラエルやトルコなど、エネルギー大国ではない国にも目を向けると、知らなかった中東が見えてきますよ!
中東の国々をいくつ挙げられますか?
みなさんは、中東には何カ国あるかをご存知ですか?
どうやら世界共通の中東(Middle East)という地域概念はなく、捉え方次第で該当する国の数も変わってくるようです。ただ、日本の外務省では15カ国とイスラエルパレスチナ自治政府*を挙げています。
*パレスチナは、日本政府は国として承認していないため、自治政府という表現をしています。ただし、国際連合加盟国(193カ国)中130カ国以上の国が国家承認しています
みなさんにとってなじみのない国もあるかと思いますが、この機会にすべての国を挙げると…
アフガニスタン、アラブ首長国連邦、イエメン、イスラエル、イラク、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、トルコ、バーレーン、ヨルダン、レバノン、(パレスチナ)となります。
中東全体の総面積は約680万平方キロメートル(日本の約18倍)で、総人口は約3億6000万人(日本の約3倍)の人々が暮らしています。
ちなみに、一番人口が多い国はイランとトルコでそれぞれ約8,000万人、石油国として名高いアラブ首長国連邦が927万人、サウジアラビアが3,228万人、一番人口の少ない国は島国のバーレーンで142万人です。
※2018年1月外務省HP調べ
日本が輸入している石油の約85%が中東各国からやってきている
中東と日本の貿易取引でパッと思い浮かぶものは、なんといっても石油(原油及び粗油)だと思いますが、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、カタールなど7カ国から輸入していて、輸入総額の約85%も占めています。
その他、鉱物燃料であるLNG(液化天然ガス)も、カタールやアラブ首長国連邦、オマーンから輸入しており、資源の少ない日本にとって中東のエネルギー大国との関係性はとても重要なのです。
関連記事:「日本は石油をどの国から輸入している?」
イスラエル、トルコ、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の貿易事情
では、中東各国の貿易事情(少し特徴のある4カ国を取り上げます)や、日本との貿易関係をご紹介しましょう。
イスラエル
イスラエルは資源大国ではありませんが、ダイヤモンドをはじめとする真珠・貴石などの輸出入が盛ん。また高度な技術力を持ち、医療精密機器、化学製品などが代表的な輸出品になります。
日本との貿易取引では、日本からは自動車、イスラエルからは電気機器が一番取引されています。
トルコ
自動車、自動車部品、機械類、貴金属類、ニット衣類が主要な輸出品で、ヨーロッパや中東各国を最大の貿易相手国としています。
中東では一番の親日国ですが、日本との貿易取引量は少なく、トルコから日本への輸出は輸出総額の0.3%、日本からトルコへの輸入総額でも2%しかありません。
日本は主に食料品や衣類などを輸入し、トルコは日本から機械類や自動車・自動車部品 を輸入しています。
サウジアラビア
世界最大級の石油埋蔵国であり、輸出総額の約9割が石油で占めているエネルギー大国。
ただ、財政収入の8割を石油に依存していることから、近年、石油部門以外の発展に力を注いでおり、2016年には「ビジョン2030」を発表。金融分野や再生エネルギー分野への投資、外国企業の受け入れ、国営石油会社の株式を一部公開するなど、大きく変わろうとしています。
なお、食料品、機械類、輸送用機器(自動車)、化学製品など、さまざまな物品をアメリカや中国、ドイツ、日本から輸入しています。
アラブ首長国連邦(UAE)
サウジアラビアと同じくエネルギー大国ですが、ドバイを商業・運輸のハブとして発展させるほか、製造業やサービス業などの推進にも取り組み、石油に依存する経済からの脱却を図り、日本からも多くの企業が進出しています。
なお、上でもご紹介したことと重なりますが、日本はUAEから石油やLNG、アルミニウムを主に輸入し、自動車・貨物自動車、機械類を輸出しています。
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