日本とオーストラリアの貿易は相性抜群!? 何が取引されている?
真夏にクリスマスを迎えることでも知られるオーストラリアは旅行先として人気がありますが、実は貿易取引先としても日本と関係が深い国。今回は、貿易事務の方なら知っておきたい、オーストラリアとの外交や経済面に関する情報をご紹介します。
アジアの国々と親しい国・オーストラリア
オーストラリアは、もともとイギリスの自治領(西洋の流れを汲む国)としてスタートした国。ですが、地理的にアジア諸国が近いことから、経済・外交においてはヨーロッパよりもアジア各国とのつながりが深い国となっています。
例えば、アジア太平洋地域21の国と地域が参加しているAPEC(アジア太平洋経済協力/Asia-Pacific Economic Cooperation)は、かつてのオーストラリア首相がアジア諸国との経済連携を提唱して作られました。
またその後も、日本をはじめ、アジア各国と経済連携協定(EPA/Economic Partnership Agreement)を進めるなど、アジア各国との連携を強化しています。
※関連記事:『APEC(アジア太平洋経済協力)って何をしているんだろう?』『日本のFTA・EPA相手国は何カ国あるか知っていますか?』
なお、オーストラリアは世界でも有数の資源大国で*、石油ガスや石炭などのエネルギー資源、鉄の原料である鉄鉱石、アルミニウムの原料であるボーキサイトなどの鉱物資源が主要輸出品。日本、韓国、中国をはじめアジア諸国と取引しています。
*オーストラリアでは60種類以上の鉱産資源が産出され、世界各国に輸出しています
日本とオーストラリアの貿易関係を知ろう
ではここで、両国の輸出入品目見ていきましょう。
- 日本がオーストラリアから輸入している品目
- 輸入合計:約4兆3,649億円
石油・コークス及びれん炭(34%)、天然ガス及び製造ガス(34%)、金属鉱及びくず(14%)、牛肉(生鮮・冷凍)(4%)
- 日本がオーストラリアに輸出している品目
- 輸出合計:約1兆7,956億円
自動車(45%)、鉱物性燃料(14%)、特殊取扱品(13%)、一般機械(10%)
※出典:財務省統計、2018年、財のみ(外務省/オーストラリア基礎データ)
日本は、オーストラリアの主要輸出品であるエネルギー資源や鉱物資源を主に輸入し、輸入した資源を活かして製造する自動車、加工品を主に輸出。日本とオーストラリアは補完関係にあり、貿易相手国として相性が良いと言われています。
貿易取引額を見れば、日本の輸入額の方がかなり大きいですが、オーストラリアにとって日本は中国に次ぐ輸出国。
とりわけ主要輸出品である石炭(日本は輸入量1位)、コークス(2位)、LNG(1位)、鉄鉱石(2位)、アルミニウム(1位)、銅(2位)と上位を占めるため、お互いに大切な貿易相手国となっています。
オーストラリアと「日豪経済連携協定(日豪EPA)」を締結
日本は、エネルギー資源・鉱物資源・また食料の安定供給のため、オーストラリアにおいては日本製品の流通を図る狙いや、さまざまな市場メリットがあったため、EPA(経済連携協定)は結ばれました。
*オーストラリアは中国、アメリカに次ぐ輸入国であり、二国間EPAパートナーとしては、最大の貿易相手国になります
EPA発効以後は、一般的に貿易取引量が増加する傾向があり、今後も両国の貿易関係はますます発展していくのではないでしょうか。
ちなみに、サービス貿易、とりわけ個人旅行サービスが主要貿易品目に挙げられるほど、旅行者の行き来が多いことも両国関係の特徴。オーストラリアは親日の方も多いと聞きますし、こちらもまだまだ伸びていくかもしれませんね。
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