「中国で作られた部品を日本で組み立てたらMade in Japan?Made in China?」
こんにちは!貿易女子3年生、ゆにです。最近、新人研修のときに職場の先輩が言っていた「貿易事務の仕事って事務的なスキルも身につくけれど、商品や業界の知識も身につくのよね」という言葉を感じられるようになりました。でもやっぱり、これってどういうことだろう?と悩むことも…。そんなとき、私は喫茶カイコクに立ち寄ります。ここのマスターは私の仕事の悩みについていつも優しくアドバイスをくださるんです♪
お待たせしました。本日のコーヒーとチーズケーキです。
ありがとうございます!
さっき、ご相談があるっておっしゃっていましたけど、お仕事のことですか?
いや、そうではないんです。このあいだ、再輸出のことをお聞きしたあと、ちょっと疑問に思うことがありまして…。たとえば、中国から材料を仕入れて日本で製造した再輸出する商品ってメイドインジャパンなのか、それとも、メイドインチャイナのように外国産になるのか気になったんです。
なるほど…。何をもって「メイドインジャパン」とするのか?という定義の話ですね。なかなか答えに窮する質問です(苦笑)。
そうなんですか?
ええ…。というのも、日本には輸出する物品について、これが日本製だと判断する原産地判定基準がない…、法律がないんです。これは、再輸出だから法律がない…というわけでなく、通常の輸出でもないんです。
えぇぇ!?
そうなんですよ…。ただ、そうはいっても、外国産の原材料や部品を使って日本で製造された商品、専門的にいえば“非原産材料を使って日本で製造されたもの”というのですが、貿易取引において日本製である証明する必要があることがあり、その際に用いられている基準がいくつかあります。
そうなんですね。EPAを締結している国に向けての輸出では、輸出先の免税を受けるために、商工会議所で「特定原産地証明書」を発行すると聞いています。
※関連記事:「EPA締結相手国へ送る『特定原産地証明』のこと」
ええ、そうですね。この基準については商品によって異なるので、詳しくはフォワーダーに尋ねるといいですね。フォワーダーには必ず通関士がいますし、事情に精通していますから。
わかりました。ちなみに、マスターはその基準を知っていますか?
そうですね。たとえば、商品によって異なるのですが、商品の原材料のうち何%(例:60%)以上が日本で製造されたものを日本製だと基準にしているものもあれば、金額(価値)で何%以上であれば日本製という基準もあります。他には、輸入した部品が電子機器だったとして、輸出する完成品がパソコンだったとします。電子機器とパソコンのHSコードは違うので、輸入した物品と輸出する物品は別物。だから、それは日本で作られた製品、メイドインジャパンだとする基準もあります。
なるほど。ケースバイケースなわけですね。
そうですね…。先ほどお話しましたように法律があるわけではないので…。ただ、ゆにさんがおっしゃっていたように、EPA協定を結んでいる国との条約では、日本製とされる基準が記載されていることが多いです。その基準が、その国における“メイドインジャパン”です。ですが、他の国との取引ではそれが適用されるわけではないんですよ。
そういうことか…。マスター、ありがとうございます。とても勉強になりました。
いえいえ、参考になったかどうかわかりませんが…。
いえ、本当に勉強になりました。私もちょっと省庁のHPなどで調べて、勉強しなきゃ、と思いました。ありがとうございます。
それならよかったです。ごゆっくりしていってくださいね。