未経験から大手企業の受付になるには？仕事内容や給料、お仕事の探し方などを徹底解説

著者： パソナ キャリアコーチ（受付担当）

企業の顔としてお客様に接する「受付」のお仕事は、華やかなイメージがあり憧れる方も多いのではないでしょうか。受付のお仕事に就くために必須となる資格はなく、未経験から始められるお仕事もあります。

今回は受付のお仕事内容や働くメリット、平均月収、未経験者が身につけておくと良いスキルなどを詳しく紹介します。

目次

どんな企業で受付のお仕事があるの？

受付の仕事内容とは

お仕事の一日の流れ

受付で働くメリット・やりがい

お仕事に向いている人の特徴

未経験から受付になるには

どうすれば受付になれる？資格や必要なスキルについて

平均月収はどのくらい

将来的なキャリアパス

派遣で受付のお仕事に挑戦しよう！

どんな企業で受付のお仕事があるの？

受付のお仕事は、就業先の業種によって業務内容や求められるスキルはさまざまです。受付のあるオフィスや施設は複数ありますので、それぞれの違いを紹介します。

来客・電話の多いオフィス

来客や電話がかかってくることの多いオフィスの受付は、来客窓口としてオフィスビルの下層階などに配置している企業も多いです。業種は、メーカー・金融・商社・IT・通信・サービスなど多種多様です。また、民間企業に限らず区役所・市役所・保健所などの自治体でも受付を配置していることもあります。

ショールーム

不動産や自動車など大型の商品は、購入前に実際に体感できるショールームを用意しています。こうしたショールームに来場したお客様を迎え入れ、案内する受付のお仕事があります。

イベントホール・大型商業施設

展示場・博物館・劇場などのイベントホールや、ショッピングモールなどの大型商業施設では、施設内の案内としてインフォメーション受付があります。海外からのお客様が多い施設であれば、英語力を活かして働くこともできるでしょう。

タワーマンション・大規模マンション

高級マンションや、大規模マンションなど共有設備が充実している住居では、入居者向けのサポートや受付業務を担う「マンションコンシェルジュ」のお仕事があります。業務上、住民のプライバシーに接する機会もありますので、情報漏洩に配慮し守秘義務を遵守する対応が必要になります。

※関連ページ：受付として働く｜パソナ

受付の仕事内容とは

受付のお仕事内容は業種や施設によって異なりますが、具体的にどのような業務を行っているのか「企業受付」を一例に主なお仕事内容について詳しくみていきましょう。

総合受付

受付に訪れるお客様の用件を伺い、アポイントを確認のうえで、社内担当者への取り次ぎを行います。また、荷物預かりや入館証の管理、送迎車の手配をすることもあります。

来客管理

PCやタブレットなどを使った来客予定のスケジュール登録・管理・集計、顧客データの入力・管理を行います。OutlookやExcel、専用の管理システムなどを使用して、スケジュール管理を行うのが一般的です。

会議室・応接室の予約管理

会議室や応接室の予約管理・手配から、会議室・応接室への来客案内、お茶出し、事前準備や簡単な清掃などを併せて行うケースもあります。

電話やメールの応対

代表電話対応や問い合わせメール対応、社内担当者への来客連絡を行います。なお、外資系企業や海外からのゲストが多い企業では、電話・メール共に英語対応が必要な場合も。

備品管理

会議で使用する備品の貸し出しや返却応対などを行う場合もあります。就業先によって異なりますが、受付が管理する備品は、PC関連の機器・備品、文具、企業紹介用パンフレットなど。

その他の庶務業務

社内宛の郵便物の仕分け、パンフレットの袋詰めや配布などの庶務業務を行うこともあります。他にも、館内放送やセミナー・イベントの準備・運営など、就業先に応じた業務を担当します。

※関連ページ：受付の派遣｜パソナ

お仕事の一日の流れ

企業受付の場合、就業先の営業時間に合わせて勤務するため、比較的生活リズムを保ちながら働けることも多いです。ショールームやイベント施設の受付の場合、シフト制を導入していることも多くイベントやスケジュールによって勤務時間が流動的になることもあります。

1日の業務イメージ

8:30	出勤
8:50	前日の引継ぎ事項の確認、来訪者のチェック、1日の業務スケジュールを確認
9:00	来訪者の対応、電話・メール対応
12:00	他のスタッフと交代で休憩
13:00	来訪者の対応と並行しながら備品管理、庶務対応
17:45	申し送り事項の入力や翌日の準備を進める
18:00	整理整頓を済ませて業務終了

受付で働くメリット・やりがい

来客案内からアポイントメント管理、備品管理にいたるまで幅広い業務を担当する受付のお仕事。働くうえでのメリットや、やりがいを感じられるポイントを紹介します。

ビジネスマナーを学ぶことができる

適切な言葉遣いなど、社会人に必要な基本のビジネスマナーが磨かれます。さらには「おもてなし」の心を持って接する接遇スキルも身に付き、プライベートでも役立つ場面は多いでしょう。

感謝される機会が多い

社内外を問わず何かに困っている方をサポートする場面があり、「ありがとう」と感謝される機会も多くあるでしょう。自分の仕事が人の役に立っていることを日々実感できます。

美意識が上がる

人から見られる機会の多いお仕事なので、清潔感のあるメイクや髪型などを常に意識することが求められます。身だしなみへの配慮や好印象を与えられるような笑顔の対応を行ううちに、自然と美意識も上がるでしょう。

お仕事に向いている人の特徴

人と接することが多いお仕事をしたい方

受付は、毎日多くの来客応対をするため、人と関わることが好きな方やコミュニケーションが得意な方には向いているお仕事と言えます。また、受付は複数のメンバーとシフト制でお仕事をすることも多いため、チームメンバーや社内の関連部署と友好な関係を築きながら、協力してお仕事を進めていくスキルが求められます。

接客・販売職からキャリアチェンジしたい方

受付へキャリアチェンジした方の前職は、販売職、美容部員、ホテルのフロント、ブライダルスタッフなど接客経験のある職種が多い傾向です。

接客・販売職で培った接遇やホスピタリティ、相手に好印象を与える身だしなみや言葉遣い、ビジネスマナーは、受付のお仕事にも活かせるスキルです。相手に寄り添う「おもてなし」の気持ちを大切にしながら、その場の状況に応じて、臨機応変な応対ができる方は、受付に向いていると言えるでしょう。

※関連ページ：プロジェクトスタッフインタビュー – 接客経験を活かして受付に挑戦中！｜パソナ

残業少なめ、土日休みのお仕事を探している方

就業先にもよりますが、企業受付の場合は、平日勤務・土日休みのお仕事が多く残業も少ないため、家庭とお仕事の両立を実現したい方や、プライベートを重視したい方におススメです。結婚や出産などライフステージの変化に伴い、受付にキャリアチェンジする方もいます。

なかには週2～3日勤務や扶養範囲内で働けるお仕事もあるので「経験者だけど、ブランクがあるから不安」といった方にも、チャレンジしやすいでしょう。

未経験から受付になるには

受付のお仕事に就くために必須となる資格はありません。未経験者を歓迎しているお仕事も多く、正社員・契約社員・派遣社員などさまざまな雇用形態での募集があります。

正社員の場合、経験者やリーダークラスの募集などが多い傾向です。一方、契約社員や派遣社員の場合、未経験の募集も多く、キャリアを積むことによってリーダークラスまで活躍の場が広がることもあります。

未経験から受付になるためにおススメしたいのは派遣社員です。多くの派遣会社では派遣登録をした後に、ビジネスマナーやPCスキルなどの研修・講座を用意していることが多く、受付に必要なスキルを身につけてからお仕事にエントリーすることができます。また、紹介予定派遣のお仕事に就いて正社員を目指すこともできます。

※関連ページ：キャリアサポート｜パソナ

どうすれば受付になれる？資格や必要なスキルについて

オフィスワークや接客の実務経験がなくても、受付を目指すことはできます。お仕事に就いてから業務をスムーズに覚えられるように、あらかじめ準備しておいた方が良いスキルについて紹介します。

接遇スキル

受付のメイン業務となる来客応対をするうえで、ビジネスマナーや敬語の使い方は欠かせません。
まずは、接遇やビジネスマナーの基礎を学べる「秘書検定」の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。接客経験のある方は今までの経験やスキルをブラッシュアップできる良い機会となります。

PCスキル

受付対応に関連したデータ入力など、PCを使う業務もあるため、日常的に使う機会の多いWord、Excelの基本操作は、受付でも必須となるPCスキルです。初心者の方は、タッチタイピングや文書作成、メール応対などの基本的な使い方もマスターしておくと良いでしょう。

※関連ページ：パソコンのスキルを学ぶ｜パソナ

語学スキル

外資系企業や外国人観光客が多く訪れる施設が就業先の場合、語学力やコミュニケーションスキルが求められることもあります。英語を使った業務の経験がない方はTOEICの受験をおススメします。お仕事の募集要項に「TOEIC○○○点以上」などと記載している会社も多く見られますので、自身の英語力をはかってみてはいかがでしょうか。

平均月収はどのくらい

受付の平均月収は、一般事務などのオフィスワーク系職種に比べるとやや高い傾向にあります。

＜受付・案内事務員＞企業規模が1,000人以上の場合
【所定内給与額】270,500円
【年間賞与その他特別給与額】503,700円

ここから社会保険料や所得税の引かれた金額が、実際の手取り額となります。

※引用資料：令和４年賃金構造基本統計調査｜政府統計の総合窓口（ｅ－Ｓｔａｔ）

将来的なキャリアパス

オフィスワークの実務経験を積みながら、おもてなしのプロとして接遇のスキルを磨くことができる受付のお仕事。将来的にどのようなキャリアを築けるのか、受付として経験を積んだ後の「将来のキャリアパス」について紹介します。

外資系企業やVIP対応があるお仕事に挑戦する

受付としての接遇のスキルを磨き、VIP対応専門の受付など難易度の高い業務へステップアップすることが可能です。英語対応のある外資系企業の受付にチャレンジすれば、英語を使うお仕事の実務経験を積むことができ、給与アップも目指せるでしょう。

受付のリーダーや責任者を目指す

受付のチームメンバーを取りまとめて指導するリーダーや、受付部門全体の運営管理全般を担当するPM（プロジェクトマネージャー）へのキャリアアップを目指すという道もあります。過去には、受付担当から企業受付の企画・管理を行うPMとして、ステップアップした方もいらっしゃいます。

秘書に挑戦する

受付で培った接遇スキルやビジネスマナーは、秘書のお仕事でも役立つスキル。受付の経験を活かし、秘書に挑戦する方も多くいらっしゃいます。秘書を目指す方は、基礎知識を習得するため「秘書検定」を受験してみてはいかがでしょうか。

企業研修の講師、マナー講師を目指す

おもてなしやビジネスマナーに関する知識・スキルを極めることで、その分野の専門家になるというキャリアパスもあります。企業研修の講師やマナーの専門家としての独立も目指せるでしょう。

派遣で受付のお仕事に挑戦しよう！

受付はオフィスワーク未経験からもチャレンジしやすく、接客経験者からの転職が多いお仕事です。
コミュニケーション能力や協調性などのスキルを活かせば、未経験からでも十分に挑戦可能です。

また、ワークライフバランスの取れた働き方も比較的しやすいというメリットもあり、子育てをしながら仕事と家庭を両立されているワーキングマザーも大勢いらっしゃいます。

派遣であれば、事前研修や業務マニュアルが充実しているため、未経験であってもご自身のスキルや希望に合わせたお仕事を見つけやすくなります。受付のお仕事に興味を持った方は、気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

参考サイト

• 令和４年賃金構造基本統計調査｜政府統計の総合窓口（ｅ－Ｓｔａｔ）