在宅勤務でも保育園に子どもを預けることは可能?入園や申し込み方法を紹介
在宅勤務でも保育園に入園することはできるのか、気になっている人も多いと思います。本記事では在宅勤務でも保育園に預けることができるのか、入園するための条件、申し込みに必要な書類、入園するためのコツなどを詳しく解説します。
- 目次
- 在宅勤務でも子どもを保育園に入園させることは可能
- 保育園に入園するための条件
- 保育園への申し込みに必要な書類
- 認可保育園と認可外保育園の違い
- 在宅勤務でも保育園に入園するためには?
- 預かり保育をしている幼稚園を考えてみる
- 知っておきたい!保育園が休業した場合について
- まとめ
在宅勤務でも子どもを保育園に入園させることは可能
結論から言うと、在宅勤務でも子どもを保育園に入園させることはできます。ただし地域によっては自宅外で勤務する人に比べて、入園の優先順位が低くなる可能性がないとは言えません。定員割れをしない限り、希望者全員が保育園に入園することはできず、優先順位の高い家庭から順に入園が決まります。
従来の審査基準では「自宅保育が困難な家庭」の優先順位が上がる傾向にあり、在宅勤務のケースは、「たとえ仕事をしていても家にいるなら保育は可能」と判断されて優先順位が低くなりがちでした。しかしながら、在宅勤務と育児の両立の困難さが徐々に社会的に認知されるようになり、地域によっては入園の審査基準を見直すところも増えています。自分が住む市区町村の基準がどうなっているのか、役所のホームページをチェックして、窓口に問い合わせてみると良いでしょう。
保育園に入園するための条件
保育園とは通称で、「子ども・子育て支援法」で定められた正式な呼び名は「保育所」です。他にも同様の施設には認定こども園、地域型保育事業、新制度幼稚園の4種類の施設があります。これらの施設を利用するには、就労・妊娠出産・保護者の疾病や障がい・親族の介護などといった保育の必要性を判定するために、行政からの「教育・保育給付認定」を受ける必要があります。
子どもの年齢と保育の必要性の有無により1号、2号、3号に認定され、認定区分によって利用できる施設が変わります。認可保育園や認定こども園を利用するには、子どもが0~2歳なら「3号認定」、子どもが3~5歳なら「2号認定」を受ける必要があります。
利用できる施設の違い
1号認定:幼稚園、認定こども園
2号認定:保育所、認定こども園
3号認定:保育所、認定子ども園、地域型保育
保育園への申し込みに必要な書類
保育園の申し込みに必要な書類は、会社勤めかそれ以外の働き方かで異なります。また申し込みには両親それぞれが書類を準備する必要があります。
会社勤めの場合
勤務形態や就労時間、収入などを記載して就労実態を把握する「就労証明書」が必要です。市区町村によって様式が異なるため、必ず居住地の役所のホームページを確認しましょう。役所に直接もらいに行くか、ホームページからダウンロードして印刷し、勤務先の担当者に記入してもらいます。なお就労証明書は入園後も定期的に提出する可能性があります。
個人事業主・経営者の場合
個人事業主や経営者の場合は、就労証明書に加えて「前年度の確定申告書の控え」「営業許可書」「開業届のコピー」が必要になる場合もあります。詳しくは、役所のホームページをチェックしましょう。就労証明書以外は保護者本人が記入・捺印をする書類ですので、記入項目や書き方をよく確認の上、準備を進めてください。
認可保育園と認可外保育園の違い
認可保育園とは、園の広さや設備内容、保育士の人数など国が定めた基準をクリアし、認可を受けた保育園です。公立・私立どちらもありますが、入園手続きを担当するのは市区町村です。園がある市区町村に住む子どもが優先して入園でき、多くの待機児童を抱える市区町村もあります。
これに対して認可外保育園とは、何らかの理由によって認可を受けていない保育園のこと。認可外とはいえ保育業を担う施設であることには変わりなく、適切に運営されているかチェックするために都道府県による立入調査などが実施されます。また一部では国の認可は受けていないものの、各市区町村が定める独自の基準を満たした認可外保育園もあります。
在宅勤務でも保育園に入園するためには?
先述の通り、在宅勤務であると入園のハードルが高くなる地域もあります。認可保育園に入るための点数の仕組みや、子どもを入園させるための活動、いわゆる「保活」で何をすれば良いのか、また認可保育園に入れなかった場合の選択肢を解説します。
入園するための点数の仕組みを理解する
認可保育園の入園には、保護者の状況を点数化して計算します。正確には「指数」と呼ばれ、基準指数と調整指数の2つで構成されます。この点数が高い家庭ほど入園の優先順位が高くなります。
・基準指数:保護者の状況を点数化
就労状況や保護者の健康状態、介護や看護が必要な家族など、両親にかかわる状況を点数にします。
・調整指数:個別の詳しい状況を点数化
兄弟姉妹の有無や、保育可能な同居親族の有無などの家庭環境を点数にします。点数が加点される場合もあれば、場合によっては減点されることも。
父母それぞれの基準指数と調整指数の合計が自分たちの点数です。基準指数、調整指数の基準は各市区町村が公表しているので、必ず事前に確認しておきましょう。
人気の保育園への申し込みは避ける
人気の保育園は希望者も多く、競争率が高くなります。在宅勤務で点数が獲得できない場合は、落選する可能性も考慮する必要があるでしょう。いくつか候補の保育園をリストアップし、過去の入園者の実績点数と、自分たちの点数を比較して入園できる可能性が高い保育園に申し込むのがおススメです。
しかしながら2021年以降、新型コロナウイルス感染症の影響によって保育園の入園を控える「預け控え」をするケースも。想定よりも申し込み者が少ない場合、在宅勤務でも人気の保育園に入園できる見込みはあるかもしれません。
認可外の保育園の利用
翌年に認可保育園の入園を目指し、地道に点数アップの取り組みを続ける人もたくさんいます。待機児童が多い「保活激戦区」では、両親ともフルタイム勤務であっても認可保育園に入園できない場合もあります。少しでも点数を上げるために、加点対象となる認可外保育園を一定期間利用するのもひとつの方法です。
ベビーシッターサービスの利用
認可外保育園の利用と同じく、ベビーシッターサービスも加点対象です。ベビーシッターサービスを利用することで、保育の必要性があると判断してもらいやすくなります。
預かり保育をしている幼稚園を考えてみる
認可保育園に受からなかった場合は、預かり保育をしている幼稚園を検討してみましょう。最近は4年保育の幼稚園や、通常時間外の預かり保育をしている幼稚園も多くあります。幼稚園の早朝・延長保育を利用すれば、保育園を利用せずともフルタイム勤務を続けることが可能です。なお共働き家庭で幼稚園を希望する場合は、1号認定を受けることになります。子どもが入園してから仕事を始めたいという場合にも、預かり保育が充実した幼稚園の利用はメリットも多いでしょう。
先ほど教育・保育給付認定の1~3号について解説しましたが、2019年からスタートした幼児教育・保育無償化制度により、幼稚園に3~5歳の子どもを預ける場合、新2号の認定を受ければ日額450円まで預かり保育の補助金が支給されます。
知っておきたい!保育園が休業した場合について
保育園などの休園に伴って会社を休んだ場合、労働者が直接申請できる休業支援金、給付金の制度があります。相談窓口は都道府県の労働局の「小学校休業等対応助成金に関する特別相談窓口」です。パソナでは過去に、保護者への特別休暇支援を実施した実績もあります。
まとめ
これまで在宅勤務は保育園の申し込みが難しいとされていました。ですが新型コロナウイルス感染症の影響もあって急速に在宅勤務が広がり、徐々に在宅勤務と育児の両立の難しさが理解されるようになりました。在宅勤務であっても入園の優先順を決める「点数」に差をつけない市区町村も増えています。自分たちの家庭にとってより良い選択ができるよう、市区町村の入園基準チェックや、希望に沿う保育園のリストアップなどを進めてみてはいかがでしょうか。