【未経験】決算への道は「転記」から始まる
今回は、会計業務の基本作業「転記」についてご紹介します。正しい決算書を作るためには、正確な転記をすることが何よりも重要。転記の基礎知識を理解すると、より正しい決算書の作成につながりますので、しっかり頭に入れていきましょう。
正しい「転記」は決算を成功させるための第一歩
転記とは、記載された事項を他の場所に書き写す作業のこと。以下で紹介する会計業務においては、勘定科目ごとに仕訳をした取引を、総勘定元帳(GL)へ書き写す作業のことを指します。
すべての取引は「借方」と「貸方」に分けて仕訳帳に記録するのですが、取引内容が日付順に記載されている仕訳帳では、「いくら仕入れたのか」「現金がどれほどあるのか」といった情報をパッと把握できません。
そこで、総勘定元帳を作って、勘定科目を見れば残高を確認できるようにするのです。
貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)、キャッシュフロー計算書(CS)といった財務諸表(いわゆる決算書)を作成する際には、総勘定元帳が必要になります。
つまり、決算(年次決算)という大きな目標をクリアするための第一歩が「仕訳」であり「転記」だということ。ミスが許されないたいへん重要な作業ですから、しっかり覚えておきましょう。
転記の流れは「習うより慣れろ」
転記の流れは以下のとおり。最初はわかりにくいかもしれませんが、ルールはいたってシンプルです。
仕訳に基づいて転記をしてみよう
実際の仕訳から、転記のやり方を見ていきましょう。
例として、「3月14日に消耗品1,000円を購入し、うち400円は同時に現金払い、残りの600円は翌月支払いとした」取引について見ていくと、仕訳は以下のようになります。
借方 | 貸方 | ||
消耗品 | 1,000 | 現金 | 400 |
― | ― | 未払金 | 600 |
次はこれを総勘定元帳に転記します。仕訳帳の借方に記載されている勘定科目はそのまま借方、貸方はそのまま貸方へ書き写すことになっています。
消耗品 | |||||||
日付 | 摘要 | 借方 | 仕丁 | 日付 | 摘要 | 貸方 | 仕丁 |
3/14 | 諸口 | 1,000 | 2 |
現金 | |||||||
日付 | 摘要 | 借方 | 仕丁 | 日付 | 摘要 | 貸方 | 仕丁 |
3/14 | 消耗品 | 400 | 2 |
未払金 | |||||||
日付 | 摘要 | 借方 | 仕丁 | 日付 | 摘要 | 貸方 | 仕丁 |
3/14 | 消耗品 | 600 | 2 |
このケースだと、消耗品の相手勘定が複数(現金と未払金)になっています。こういう場合は、相手勘定のところに「諸口(しょくち)」と記入することがルールとなっています。
転記まで完璧に習得して初めて一人前!
いくら仕訳が完璧にできたとしても、転記でミスをしてしまったら台無しです。誤った帳簿を作成してしまわないよう、転記も完璧に習得しておきましょう。
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