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2016/12/13

新米会計が知っておくべき「試算表」の正体

著者: パソナ キャリアコーチ(経理担当)

新米会計が知っておくべき「試算表」の正体

今回は、経理初心者にはぜひ知っておいていただきたい「試算表」についてご紹介します。試算表とは、決算に必要な財務諸表(決算書)を作る上で欠かせないもの。この試算表の正体を知ることで、年次決算を扱える“経理のプロ”への第一歩を踏み出せますよ。

財務諸表(決算書)を作る前に試算表でミスをチェック

「そもそも、試算表すら何かよくわからない…」という会計ビギナーへ向けて、まず試算表とはなにかについて解説します。

試算表とは、総勘定元帳(GL)に記載のあるお金の流れを集計した一覧表で、総勘定元帳の合計額や残高が一目でわかる資料のこと。取引が発生したら仕訳帳へ記帳し、それを総勘定元帳の各勘定口座へ転記します。

ですが、転記をする際にはヒューマンエラー(人的ミス)が起こってしまう可能性も。転記間違いがないかどうかを検証するため、準備しておくのが試算表なのです。

合計試算表・残高試算表・合計残高試算表の違い

試算表には、「合計試算表」「残高試算表」「合計残高試算表」の3種類があります。以下、総勘定元帳への転記を例にして、3つの試算表についてそれぞれ解説します。

借方 貸方
買掛金 250 現金 250
現金 700 売上 700
仕入 300 現金 300
仕入 600 買掛金 600
買掛金 200 仕入 200

1.全体の規模感がわかる「合計試算表」

合計試算表は、総勘定元帳の勘定ごとに借方と貸方の合計を集計して作成した試算表。

転記が正しく行われていれば、仕訳帳の借方・貸方の合計と合計試算表の借方・貸方の合計は必ず一致します。一致しない場合は、仕訳か転記のどちらかが間違っているということです。

借方 勘定科目 貸方
700 現金 550
450 買掛金 600
売上 700
900 仕入 200
2,050 合計 2,050

2.財務・経営状態を概観できる「残高試算表」

残高試算表は、総勘定元帳の勘定ごとに残高(借方の合計と貸方の合計の差額)をまとめた試算表のこと。

合計試算表との違いは、借方と貸方の合計が一致するものではないということです。借方・貸方のどちらかに記載し、こちらも残高の合計は一致するはずです。

借方 勘定科目 貸方
150 現金
買掛金 150
売上 700
700 仕入
850 合計 850

3.2つの試算表の弱点を補った「合計残高試算表」

合計残高試算表は、合計試算表と残高試算表をひとまとめにした試算表。

取引の総額が表示されるので規模がわかりやすく、残高もわかるので貸借対照表(BS)損益計算書(PL)を作る材料としても使いやすいです。ただ、作るのに手間がかかるのが玉に瑕(キズ)。

借方残高 借方合計 勘定科目 貸方合計 貸方残高
150 700 現金 550
450 買掛金 600 150
売上 700 700
700 900 仕入 200
850 2,050 合計 2,050 850

※関連記事:『試算表と合計残高試算表の違いは?

簿記3級では全問正解を目指そう!

ちなみに試算表は、日商簿記3級の試験範囲になっています。例えば、「取引について書かれた文章をもとに仕訳を行い、そこから試算表を作成する」という形で出題されるので、簿記3級の資格にチャレンジしたいという方は必ず頭に入れておきましょう。試算表を正確に作成できるスキルが身につけば、きっとみなさんの資産になりますよ。

 

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参考サイト:

 

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