【英文経理】IFRS検定とBATIC、受験するならどちらが良いの?
国際的な経理の知識を証明するための資格として、IFRS(国際会計基準)検定とBATIC(国際会計検定)と呼ばれる2つの検定があります。
どちらも国際的な会計知識の習熟度を測るための検定試験で、グローバル人材としての活躍を目指す多くの方が受験していますが、この2つの資格には、どのような違いがあるのかご存知ですか?また、これらの資格は、経理や会計だけでなく、さまざまな職種で必要になるとも言われており、近年注目が集まっています。
今回は、その人気の理由や資格取得のメリットなどについても、詳しくご紹介していきましょう。
求められる知識の違いを知ろう
まず、IFRS検定とBATICの違いを語る前に避けて通れないのが、IFRS検定もBATICも「IFRS(国際財務報告基準・国際会計基準)」を共通の会計基準としているという点です。
「IFRS」と比較されることも多い海外の会計基準に、「US-GAAP(米国会計基準)」があります。細かい比較内容は挙げるときりがないので割愛しますが、要するに会計における決まりが違うのです。
かつてはUS-GAAPが主流だったのですが、2001年に起きた不正会計事件「エンロン事件(*)」を契機に、会計基準としての信頼が失墜。そうした中、2005年に登場し、EU域の上場企業を対象に強制適用となった会計基準が「IFRS」なのです。
US-GAAPでは、会計における数値基準が細かく定められています。エンロン事件は、まさにこの細かいルールの裏をかいた不正会計事件だったのです。一方で、IFRSは、厳格な数値基準を定めず、常識ある判断に任せるという姿勢をとっています。これは、エンロン事件に教訓を得ているだけでなく、EU域内の上場企業すべてに強制適用となるため、ある程度の「余白」を持たせなければならない、という事情もあったのです。
*アメリカの大企業「エンロン社」が、巨額の不正経理・取引による粉飾決算で経営破綻に追い込まれた事件。世界の株式市場に大きな衝撃を与えた。
IFRS検定とBATICの決定的な違いを教えて!
IFRS検定は、文字通りIFRSの知識を確認するための試験ですが、このIFRS検定とBATICの決定的な違いがもうひとつあります。それは、試験言語の違い。
BATICは試験言語が英語のみなのに対し、IFRS検定は日本語でも受験可能。IFRS検定には「言語を選択できる」というメリットがあるのです。
どちらを学んでも双方にメリットあり!
会計分野の国際化は、今後ますます進むことが予想されています。それにともない、IFRS検定とBATICの注目度も高まっています。
IFRSは近年適用される国が増加し、国際的な知名度が急速に高まっている最中。IFRS検定も国際会計のシーンにおける重要度がぐんぐん増してきています。一方のBATICは、日本国内で知名度があり、転職に有利な資格として知られています。
「では、どちらが良いの?」と思われるかもしれませんが、これらは一概にどちらが優れているというものではありません。ですから、自分自身が学びたい資格を勉強するのが良いでしょう。もちろん両方を勉強すれば、多角的に会計を知ることができますし、国際会計に対する視野がぐっと広がるのでオススメですよ。
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