連結決算について詳しく知りたい
「連結決算」は、親会社の会計と子会社や孫会社の会計をまとめて、グループを単一の組織として行う決算のこと。経理スキルやキャリアを磨くために知っておきたい重要業務のひとつです。そこで今回は、連結決算の流れについてわかりやすく解説します。
連結決算とは?
流れを説明する前に、連結決算についておさらいしておきましょう。
連結決算とは、親会社や子会社、グループ会社を含めた企業グループ全体の決算のこと。この連結決算があるおかげで、企業グループの実態を知ることができます。そして、子会社を利用した粉飾決算などもある程度抑えることができます。
連結決算の全体の流れ
子会社から会計情報を収集
連結決算は基本的に親会社がおこなうため、まずは親会社が会計情報を子会社から収集する必要があります。そして、収集すべき情報は以下の通りです。
- 内部取引情報
- 財務諸表
- グループ企業内で仕入れた製品・商品の期末在庫金額
- 仕入れ商品・製品の利益率
- グループ企業内で購入した固定資産
どれも連結決算をするためには必要な情報ばかり。どれかひとつでも欠けていると正しい会計ができませんから、ここはしっかり収集しておかなければなりません。
各会社で作られた財務諸表の合算
情報を収集し終えたら、各会社の財務諸表を合算して「連結調整前財務諸表」を作成します。基本的には、単純に合計するだけで問題ありませんが、以下のような問題があったり、場合によっては調整が必要なこともあります。
- 子会社によって決算期が違う
- 勘定科目が統一されていない
- 子会社が海外にあり、外貨を円に換算する必要がある
こういった場合には、合計する前に調整が必要です。ただし決算期については、差が3ヶ月以内であれば基本的に調整しなくても問題ありません。もちろん、金額が豪快にずれてしまう場合は必要になります。
連結調整作業を行う
合算が終わったら、そこからいくつかの調整作業が必要になります。なかでも、内部取引で出た数字を消去するのはとても重要。内部取引というのは、親会社と子会社、子会社間などでされた取引のことを指します。
連結決算は企業全体を1つの組織として見ていますから、グループ内での取引は取引として見なされない、というわけです。
連結財務諸表作成
調整作業をすることで、ようやく連結財務諸表が完成です。きちんと調整作業ができていれば、連結財務諸表作成にはそれほど苦労しないでしょう。
連結決算の難易度は、グループ規模で変わる
連結決算の流れについて、ご理解いただけましたか? グループの規模が大きければ大きいほど、集計や調整の難易度があがっていくのが連結決算の特徴。携わる方は大変かもしれませんが、貴重な経理スキルを身につけることができますので、ぜひがんばってくださいね。
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