社員旅行の補助金は、経費(福利厚生費)として処理できる?
社員の知見を広げたり、社員同士の絆を深めたり、また日頃のリフレッシュの目的でも社員旅行を行う企業は多くあります。今回は、社員旅行の補助金の経費処理について解説します。
福利厚生費として処理できる条件とは?
社員旅行は「慰安旅行」とも言いますが、従業員の「慰安」を目的としたもので、もちろん福利厚生の範ちゅうに含まれます。
ただし、全てを経費(福利厚生費)として処理できるわけではありません。福利厚生費として経費処理するための主な条件は、以下の3つです。
1. 会社負担額が少額であること(会社負担額が10万円程度まで。その金額以内であれば、全額会社負担でも良い)
2. 旅行期間が4泊5日以内であること(海外旅行の場合は、海外での滞在が4泊5日以内であること)
3. 全従業員の50%以上が参加すること(工場や支店ごとに行われる社員旅行の場合は、そのコミュニティ内での参加率が50%以上であれば良い)
では、以下の社員旅行で考えてみましょう。
・3泊4日
・全従業員は40人で、そのうち25人が参加予定
・一人あたりの旅行金額:105,000円
・そのうち社員による負担金(積立金):60,000円
・会社からの補助金:55,000円
この場合は3泊4日(2をクリア)で、会社負担が55,000円(1をクリア)、そして40人中25人参加(3をクリア)ですので、福利厚生費の3条件をしっかり満たしており、補助金を会社の経費(福利厚生費)として処理できます。
福利厚生費として認められない例外のケースって?
実は上記の条件を満たしても、社員旅行の補助金が福利厚生費として認められないケースもあります。
1. 社会通念上、「一般的なレクリエーション」とは言えない旅行の場合
2. 役員や幹部のみ、営業成績優秀者のみなど、対象者を限定した旅行の場合
3. 旅行の参加と金銭との選択が可能(不参加の場合金銭が支給されるなど)な場合
4. 取引先に対する接待などを目的とした旅行の場合
「1」について、温泉旅行や通常の観光旅行なら全く問題ありませんが、仮に「マカオでカジノを目一杯楽しもう!」といった目的がある旅行の場合、認められない可能性が高いでしょう。あくまで「慰安」のための旅行だということを忘れてはいけません。
また、慰安旅行に使うからこそ福利厚生費として認められるわけですから、旅行に関する証憑(しょうひょう=取引が正しいことを証明する書類)も必要です。以上のことをしっかり確認して、経費処理を行いましょう。
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